相棒 劇場版Ⅳ

お正月に録画した相棒 劇場版Ⅳ。公開時に映画館で観たけれど久しぶりにもう一度。

平和とは？
日本では当たり前すぎて私たちは何も考えずその存在を意識することなくただ享受しているだけだと感じた。それと同時に「平和」であることは日本人の誇りになり得る。無意識の誇り？この矛盾にすら違和感を感じなくなる程？

IIIでは国防と平和がテーマだった。確か、平和ボケしたこの国、と犯人が言っていた。
Ⅳはさらに「平和」にフォーカスし、戦争という凄惨な経験からこの国に問いかける。
当たり前にあると思っている平和。それに疑問を投げかける今作も非常にメッセージ性が強く、相棒の世界観でありつつリアルに近く感じる距離で繰り広げられていた。
私たちは戦争が何をもたらしたか、数字だけで捉える悲劇でなく、もっとミクロなところ、ひとりひとりの人生をめちゃめちゃにしたことも忘れてはいけない。戦争は怖い。

印象に残った場面。
最初の少女以外全員毒殺されたときの少女の表情と中盤で明かされる7年前の事件の真実。
特措法によって死んだことにされた少年の叫び。
土橋がSPを辞めて天谷についた理由。
映画館で見た時は最後に島で子ども2人がいてバトンを渡すように何かを手渡した場面があったように思ったけれど地上波では尺でカットされたのだろうか。映画を見終わった時は最後のあの画が強く印象に残っていたんだけれど。

シリアスでありつつも、もちろん随所に相棒らしさがあってそこは楽しく見れた。特に神戸くんはテレビシリーズ含めて久しぶりだったし冠城とのツーショットも見れた。米沢さんもまだ鑑識にいて嬉しかった。捜一は捜一らしくちょっとポンコツなところもあり、締めるところは締めて。課長の一言が右京さんの閃きに繋がるのは十八番。

相棒らしい重厚なストーリーで良い映画でした。