アイネクライネナハトムジーク

もともと原作を読んでいたのと、監督が今泉力哉監督だったのとで興味はあったけれど見逃していた作品。
まさか作詞の代わりの短編小説とそれから生まれた楽曲が元だったなんて。観賞後に知って驚き。

この映画を観てしまうとああいう運命的な出逢いを期待してしまう。たくさんの登場人物のほんのり小さな恋が生まれていくのはすべて出逢いからなんだ。出逢いと恋と人生。
運命的な出逢いかどうかはわからないけれど、あとから振り返った時にその幸運に感謝できるか。そんな出逢いができたら幸せだ。

小説同様に10年前の出来事が現在に繋がってるところがすごい。まさか財布はわざと落としていたとは。街頭アンケートに立たせたくないから有給とるって。木の枝を折ったのも「大丈夫」の手話で答えたのも。それぞれが出逢いを大切に胸にしまって10年間忘れずにいた証だよね。
アンケートのときのやりとりを覚えていたから工事現場での立ってる仕事って大変ですよね、に繋がったんだし、プロポーズの答えのときの「いいですよ」もアンケートの時の「いいですよ」のやりとりだし、重ねた思い出っていいな。

誰と出逢うか、どう出逢うか。出逢いが人生のスイッチになる。みんな出逢いを重ねて未来へ進んでいる。明るい未来に進みたくて勇気を出すんだ。

個人的には小説の、100円払うと曲をくれる斉藤さんが好きだったけれど映画では変わっていたのが少し残念。トイストーリーも出てきた気がしたんだけど…また原作を読み直してみよう。
「こちらのお嬢さんのお父さんがどなたかご存知なんですか?」は言ってみたくなってしまう。いい知恵です。

小説は小説で、自分で想像しながら読むのが楽しいけれど、映画は映画で役者さんがぴったりハマると立体感が出て、それぞれいい。
伊坂作品はまだビギナーなので、これから読んでいきたい。『砂漠』が気になっている。
それから今泉作品も『愛がなんだ』を観てからから気になっているのでそちらも観たい。次は『サッドティー』か最新作か。
斉藤和義さんの楽曲も今までほとんど聴いたことがなかったけれど今回の作品を観て「小さは夜」もリピートして聴いたし「ベリーベリーストロング」も聴いた。「ベリーベリーストロング」、かなり物語のまんまじゃないか!と驚いた。
タイトルがベートーヴェンからきていると聞いて早速聞いてみたらこの曲か!とまたびっくり。
三浦春馬×多部未華子作品もこれが初めてだったから、他の作品もあると知って気になっている。

1本の映画がこんなにたくさんの出逢いのきっかけをくれた。きっと、後から振り返ってラッキーだったと思うだろう。

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