クーパー

72期の新人弁護士。

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最近の記事

インハウスを1年やってみて

インハウスになって1年が経ちました。おおむね、現在の仕事には満足していますが、これからのキャリアをどうしようか…と悩んでいます。また、事情があって今年転職するつもりです。 今回のノートは、転職のためにもこれまでやってきたことの棚卸をしようと思って書きます。 契約審査インハウスになれば当然のことながら、契約審査をすることになります。 ただ、弊社は、法務機能がほぼ存在しておらず、契約管理もまったくできていません。担当者任せです。 こういう法務機能がほぼないところに、アラサーぐら

    • インハウスになってみて

       インハウスになってみて、しばらく経ったので、感想をまとめます。 仕事の内容面  前職(※ 街弁一般の話ではなく、私がいた事務所での経験という意味合いを強調するために、前職といいます)で、個人の方に専門家としてアドバイスするとき、合理性や分かりやすさといったアドバイスの内容よりも、立ち振る舞いや話し方といった方法面が重要視されることが多く、「こんなの弁護士じゃなくてもいいし、コールセンターとやっていること同じではないか。自分としては、法的なこと、事実認定をもっと考えたい。

      • 初公判を振り返って その2

        前回からのつづき… 今回は,公判前日の準備。公判期日の振り返り。 1 公判前日・書証の要旨の告知の練習。ちゃんと練習しておかないとつまずいてしまうポイントかも。尋問前に行う手続きだから,ここをスムーズに終えておくと気持ち的に楽。 ・弁論要旨の読み上げの練習。声に出して読むことで,誤字・脱字や一連の文章として見たときに違和感がないかを見直すことができる。誰もいなくなったあとの事務所でやっていたし,めちゃくちゃエラかった。 2 第一回公判期日の事前準備・30分~1時間程度早め

        • 初公判を振り返って その1

          初公判を終えました。 修習では模擬裁判員裁判をやりますが,実務に出て初めてやったのは認めの一回結審の事件でした。 証拠等関係カードの記載や弁論,尋問等に関しては,修習の経験が生きましたが,やはり初めて一人でやるということでひどく緊張しました。 備忘録的にも,今回の経験をnoteに記録しておきたいと思います。 1 起訴後にすべきこと(1)身柄解放にむけて  ア 保釈請求 ・被告人が勾留されている場合には,保釈請求を速やかに行う。 ・保釈は,被疑者段階から用意しておいて,起訴日

        インハウスを1年やってみて

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        • 法学教室
          4本
        • 弁護士の紛争解決力
          1本

        記事

          「若手弁護士のための民事裁判実務の留意点」55頁まで。提訴予告通知(19頁〜)、原本・謄本・抄本・正本・副本の区別(40頁)、証拠説明書の証拠の標目の記載方法(42頁)、代表的な「事件の符号」(46頁)、期日の指定(53頁)、被告に対する訴状副本等の送達(53頁)は後でもう一度。

          「若手弁護士のための民事裁判実務の留意点」55頁まで。提訴予告通知(19頁〜)、原本・謄本・抄本・正本・副本の区別(40頁)、証拠説明書の証拠の標目の記載方法(42頁)、代表的な「事件の符号」(46頁)、期日の指定(53頁)、被告に対する訴状副本等の送達(53頁)は後でもう一度。

          就活から転職までを振り返って

          振り返り一般の就活のときによく言われるのは「就活の軸を大切にする」ということです。今思えば、転職の最たる原因は、就活時の軸が自分が大切にしていることとズレていたことにあると思います。 就活時に大切にしたこと私が事務所の就活時に大切にしたことは、しっかりとした指導をうけられること、ブラック事務所ではないことの2つです。 弁護士1年目なんて結局のところ、何もできないのに等しいです(そこにあぐらをかいていいわけではありませんが)。それなのに、指導をうけられず、依頼者からクレームが

          就活から転職までを振り返って

          転職が決まりました。

          転籍・転職活動について 夏が終わるまでに転籍又は転職する、という目標を決めて活動していましたが、8月に「転職」が決まりました。 比較的、あっさり「転職」が決まった感もあります。 当初は、転籍活動、つまり、事務所の移籍を考えていました。 私は、「街弁は無理だとしても、企業法務系の事務所ならまだマシか?」と思っていたので、企業法務系の事務所を探して、ひまわりを通じて何件か応募しました。しかし、結果はすべて書類落ちでした。 途中からエージェントを使うようになったのですが、「企業

          転職が決まりました。

          最近感じた弁護士業に関すること

          街弁という仕事 弁護士になって半年近くが経った。私は,もともと法律の勉強がすきで,法律をつかって仕事ができるならきっと楽しいだろうと思って弁護士になったタイプだ。修習で事実認定を学んだ時も,この事実を認定できるかというのをあれこれ考えるのは好きだったし,労働しなければならないということは嫌だったが,それでも弁護士になればやりがいは感じられるだろうと思っていた。  しかし,街弁になってみると,期待していたやりがいは感じられなかった。 理想的な「かわいそうな人」はそうそういな

          最近感じた弁護士業に関すること

          転籍・転職の動機

          現在の事務所が不満であること 転籍・転職を決意したので,その動機をつらつら書いて行こうと思う。とりあえず,今の事務所の状況を整理すると, いい面 ・業務が効率化されている。 ・専門的である。 ・指導がしっかりしている。 ・仕事で無理をさせない。8時間で帰ることができる。ホワイトである。 ・みんな優しい。 ・IT化が進んでいること。 悪い面 ・時折垣間見る他の弁護士のスタンスとのズレがある。「えっ…それをやってあげないの?」「そんなふうに言ってしまうんだ…」というようなもの

          転籍・転職の動機

          5月15日20時半頃からツイキャス(=ラジオのようなもの。聞くだけならアプリ不要)をやります。私のプロフィール、半年近く弁護士やってみての感想、今後どうしようか…といったことを話します。開始時刻間近になったらURLをツイートするのでツイッターをチェックしてね〜

          5月15日20時半頃からツイキャス(=ラジオのようなもの。聞くだけならアプリ不要)をやります。私のプロフィール、半年近く弁護士やってみての感想、今後どうしようか…といったことを話します。開始時刻間近になったらURLをツイートするのでツイッターをチェックしてね〜

          ステップアップ 憲法 ♯1 御幸聖樹『検閲と事前抑制』

           法学教室5月号は憲法の特集。  「事前抑制」は理解できているようでできていない概念…というか,「内容規制」を理解できている人もすくないと思う。憲法学はそのあたりの定義づけをきっちりやっていない気がする。  判例は,(ⅰ)事前規制,(ⅱ)事前規制たる側面を有するものという二つの概念をつかっている。 まず(ⅰ)事前規制そのものとは,判例によると,「事前に発表そのものを一切禁止する」規制,すなわち「発表の機会が全面的に奪われてしまう」規制であり,このような規制は「思想の自由市

          ステップアップ 憲法 ♯1 御幸聖樹『検閲と事前抑制』

          髙中・加戸『交通賠償のチェックポイント』

           新人弁護士向けのなかでは一番いい気がする。  赤本や青本ではわからない実務的な感覚がちょこちょこ書いてあって,そこがいい。  たとえば,事業所得者の申告外所得―確定申告に記載されていない収入がある場合,その収入は休業損害として認められるかという問題に関し,青本では 確定申告をまったくしていない場合であっても,直ちに無収入と推定して休業損害が否定されるわけではない。相当の収入があったと認められるときは,賃金センサスの平均賃金額などを参考に適宜基礎収入額を認定する例が多い。

          髙中・加戸『交通賠償のチェックポイント』

          山本和彦『倒産処理法入門』第4版 ♯1

           やっぱり,新型コロナウィルスで破産が増えるだろうから,選択科目でもやってなかった破産法をお勉強しとこうということで,修習中に買うだけ買って読んでなかった倒産法の本を読んだ。  通読用の本としては一番メジャーなのかな?  今日は,法人破産のところを読んだ。  雰囲気的には,潮見先生の民法(全)とか山口・青本的な感じで,解釈論ゴリゴリではなくて制度の仕組み・概要がわかるといった感じ。最近では有斐閣ストゥディアがいいというツイートも見かけた。 副読本 正直,私はケースメソッド大

          山本和彦『倒産処理法入門』第4版 ♯1

          法人破産の勉強:倒産処理法入門+事例に学ぶ債務整理入門の該当箇所をつまみ読み

          法人破産の勉強:倒産処理法入門+事例に学ぶ債務整理入門の該当箇所をつまみ読み

          読書記録:プラクティス労働法の非典型雇用+休業手当

          読書記録:プラクティス労働法の非典型雇用+休業手当

          法学教室2020年4月No.475(4)

          事例から考える刑事証拠法 第4講 証明力を争う証拠 今号の事例から考える刑事訴訟法は,証明力を争う証拠を取り扱っている。司法試験に合格した年の刑訴(平成30年度)はちょうどこの問題だったな… 自己矛盾供述 Xの過失運転致死事件において,Aは公判期日での証人尋問では「赤色信号だった」旨供述した。しかし,Aの知人Bは,「Aは事故翌日に『黄色信号だった』」と話した」「自分の知人Cも『黄色信号だった』話している」と供述したというケースをもとに, ・Bの,Cによる公判廷外の供述を証拠

          法学教室2020年4月No.475(4)