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#ミステリ
【小説】世界の終わりの含有量
メフィストの掌の中で講談社ノベルスをゆりかごにして育った私の魂には、いわゆるあの手の作品の匂いが染みついてしまっており、今でも「あの感じ」を含んだ作品を読むと反射的に血液の濃度が上がり脳がふわっと浮いてしまう心地になるのです。あの手あの感じと具体性に欠けた表現をしているのは、私がそれらをうまく言葉にできないからで、しかしそれに既存の言葉を当てはめるのならば、それはやはり「新青春エンタ」ということ
もっとみる【小説】ミステリ100、2018夏
あまりにも暑く思考能力が低下しているので、脳内の整理をすることで避暑を試みる。脳内を整理するには、好きなものを100個選出し自己を単純化するのが一番だ。ゲームはそれほどやっておらず、アニメにも疎いので、ここは映画か漫画か小説ということになる。小説がいいだろう。しかし、小説というくくりでは広すぎるのでミステリに限るものとする。ミステリなのでニンジャスレイヤーは入らな……いや、ニンジャスレイヤーもミ
もっとみる【小説】大乱闘!ロンドンミステリオカルトブラザーズ
全てのぼんくら小説好きにアンデッドガール・マーダーファルス2をおすすめしたいという衝動に駆られて、私は今キーボードを叩いています。アンデッドガール・マーダーファルス2とは何か? 小説です。シリーズものなの? はい、タイトルの通り第二作です。どんなシリーズなの?「怪物専門の探偵」率いる三人組が、吸血鬼や人造人間のいる世界で殺人事件の謎を解くという、いわゆる特殊設定ミステリ(現実離れした設定の下で、
もっとみる【小説】ヴァンスのクソ野郎この野郎
私はたぶんミステリファンに分類できる人間だと思うのですが、メフィスト賞全盛期の講談社ノベルスの血肉を啜り青春の糧としてきた人間なので海外古典ものはさっぱり読めておらず、ここ数年まあチャレンジしてみるかとクイーンとかカーとか読んでみたりしており、これがまあめちゃくちゃおもしろい。キャラクター小説として超一流だし、現代のスピード感では不可能なリズムには新鮮さがあるし、何より扱われている内容が全く古び
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