シェア
佐々木史帆
2022年11月23日 08:46
電話帳の中にはいるのにどうしたって届かない呼びかけが低気圧の中浮遊するどこにも辿り着けない虚しさと共にみんないなくなっちゃういつのまにかいなくなっちゃう挨拶もせずにいなくなっちゃういなくなっちゃういなくなっちゃうあの日の中にはいたのにどうしたって思い出せない表情が記憶の中を悪戯にまわるどうせ聞こえてないふりするんでしょみんないなくなっちゃういつのまにかいなくなっち
2022年11月10日 12:50
人と人の間にあるのは空白かそれとも空気か空間かそれとも熱があがってといっても37度3分だけど好き、だなんて言ってしまって熱に浮かされたわけでもないのにすぐに伝えなければ鮮度が低くなってしまうからと思って言ったけど「僕は好きじゃない」人と人の間にあるのは空白かそれとも空気か空間かそれとも空っぽ君以上に好きになれる人ができるまでは横にいて、だなんて言えないな実
2022年10月24日 00:07
途端に薄れる記憶と感情命に関わるくらいの深い付き合いしてんだねどうしようもなく愛をくれる君に一度も教えたことがない愛してるとか好きという言葉さえもう大丈夫、手放してもうそれ以上、言わないで言葉にするのはやめてくれ追われ続けてしまうから途端に消え去る気持ちと愛情命に関わりたくはないから逃げ続けているんだねこんな僕でごめんと言うとそんな君だから好きだってさ
2022年9月22日 01:00
満月が特別になったのはあの日に告げた言葉があるから満月に背中を押されてあの夜告げてしまったから満月の日はいつにも増して会いたいこんなにも大切でこんなにも好きなのにサヨナラに夢見てしまったんだ嘘のサヨナラ期待したサヨナラサヨナラからうまれる何かをまたあの月に求めてしまった見たくない夢をみたよふたりして泣いていたねなんだって現実にできると思ったなんだって奇跡だと思い
2022年8月9日 22:29
ゆめをみる きみのゆめぼくの恋人 きみが主人公いつもきみは ゆめの中でだれか知らないひとの恋人だぼくには振り向きもしない咎めたくたって届かないだれか知らないひとの恋人としてとてもたのしそうに笑ってるぼくはそのゆめを日替わりのそのゆめを毎晩みさせられているいつも違うシーンだから新鮮さがあって落ち込むよ物語はもう始まっているはねのけることなんてできないぼくの恋人 だれか
2022年7月3日 00:20
君のことでならいくらでも涙を流したい「危ういからやめて」ときっと言われてしまうけど茄子と胡麻油くらい相性が良いと思っていたよほんとのところは零度の水と千度の油だったのかもしれないね使い終わったフライパンを洗おうとしたってキレイにならないしっかり拭き取ったはずなのに弾かれてぬめっとして受け入れてはもらえない珈琲とゆで卵くらい相性が悪いのかもしれないねほんとのと
2022年6月23日 15:07
思い出したよまだハッキリとはいかないけれど過去に持ってた思考回路が戻ってきた気がするの戻ってきたところで帰る場所はどこにもないけど今に透かして見せてアップデートするつもりだからね、だから僕がいなくてももう大丈夫ひとりで生きていけるでしょなんて決めつけると怒られるけどだからね、だから君がいなくてももう大丈夫ひとりで生きていけるんだなんて弱っちく叫ぶことにするよ
2022年6月23日 00:24
魔法が解けたのかもしれないねあの日は月の魔力に負けて君に触れてしまったからまんまと騙されてしまったよダブルベッドがやけに広くて君に届かなかった心臓の鼓動一晩中持て余してたら朝一番に抱き寄せられた器用に利用して了解された理にかなうなんて到底無理であの夜手を繋いで歩いた時からすでに始まってしまっていたんだ魔法は解けてしまったけれど自力で繋がれる日々を紡ぐ共有の毎日が今
2022年6月10日 22:52
何度も同じメニューを食べたね何度も同じ時間まで寝て寝坊したね何度も何度も、もう会うのはやめようと宣言したね何度もしたことたちは停止させられ過去の出来事として埋められてゆく例え同じ空間にいる誰かが君と同じ香水をつけていたとしてもかおりだけが漂うだけで君はここにいないここにはいない何度も同じ道をドライブしたね何度も同じタイミングで笑ったね何度も何度もこれが最後と言ってサ
2022年6月5日 20:01
足りているのに足りていないのたらりらたらりら足りていないのそしたらたらりらスパイス一振りシナモンじゃなくてカルダモン今日の星占いを見ているよ山羊座のあなた、嬉しいことがたくさんありそう魚座のあなた、おとなしく家でじっとしていよう山羊座のあなたと魚座のわたし眠るまでそばにいてよいびきで返事しないでよ別にいいんだけどさそれは別にいいんだけどさ足りているのに足りていないの
2022年5月27日 01:14
急な雨音に邪魔されてせっかく我慢してたのに涙が止まらなくなりました昨日から何も食べていないこととか数日前に失敗してしまったあのこととかいろんなことがぐるぐるぐるぐる夜の雨は独りにさせるのが上手だね独りになりたくない夜だったのに独りになってしまいました涙を止めることもできずにきっと明日は目が腫れてしまう誰にも会わないからいいけれどずっと重たい瞼がいるんだ独りのあいだずっ
2022年5月26日 23:35
過去は未来と繋がらないことを知って救われた気がした色のついた葉っぱがうまれかわる頃ようやく息を吸い込むことができるすーっと吸ってはーっと吐いてすーっと言ってきーっと叫ぶよ過去と今はべつものなんだと知って報われた気がした電気を消した部屋が雨音にぬれた頃ようやく息をとどめることができるすーっと吸ってはーっと吐いてすーっと言ってきーっと叫ぶよ叫んだあと
2022年5月5日 15:26
もしも今日が人生で一番幸せな日だったらどうしようだなんて考えなくても大丈夫だよまた最悪なことの繰り返しで幸せの純度は低くなるから花粉症に苦しむ春には色トリドリの花々に尊さを感じて日差しと汗に負けそうな夏にはよく乾いた洗濯物からいい香りが漂い秋は好きだから嫌なことが思い浮かばないのだけれど着込んで重くてそれでも凍える冬にはホットミルクが身体を温めてくれるもしも今日が人生
2022年5月2日 13:29
今日の君はなんだか違った昨日の君より少し苦い知っているようで知らない触れられるけど知りたくない今日の君は静かに吸った明日の君より少し苦い知らないほうがきっといいのに知りたがりの僕が声を出すアリガトウにもゴメンナサイにも意味を持たせてしまったんだそんな必要なかったのに言わなくてもいいことがこの世には存在するということを僕はまだ知らなかった君が言われることを嫌ったか