「モチベーション革命」を読んで
これまた人に勧められて早々に購入しておきながら、なかなか手に取れずにいた本…やっと読むことができました!
この本、前半は30代以下を「乾けない世代」と表現して、それより上の世代とのマインドの違い、またその違いが生じる理由になっている社会構造について説明されています。
日ごろから自分自身がぼんやりと抱いている上の世代とのギャップ、違和感が見事に言語化されていて、「それ!それ!」と膝を打つ内容でした。ほんと、ビックリするくらいに…。
そして後半はこれから迎える新しい時代を生き抜くために、一体何が必要なのか?ということについて書かれています。
以下、気になったポイントをまとめておきます。
たとえそんな姿を家族から尊敬されなくても、彼らには「自分たちこそがこの国を作っている」「この社会を支えている」という自負があった。個人という小さなものより、もっと大きなものを一心に見つめてきたのがこの世代でした。
そんな時代を知らない30代以下の「乾けない世代」にとって、最も犠牲にしたくないものが「自分の時間」です。出世のために、付き合いの飲み会に無理やり連れていかれるくらいなら、出世なんてしなくてもいいから、家に帰って家族と温かいご飯が食べたい。気を許せる友人たちと楽しく過ごしたい。趣味の時間を充実させたい。仕事が絶対ではなく、仕事と並列に、家庭や自分の時間を大切にしたい。
上の世代がある程度社会を作り上げてしまったので、「乾けない世代」は「すでに作り上げられた社会」の上に立たされているからです。「大きい枠」はもはや変えようがないから、「小さくて身近な枠」を大切に生きていく。
けれど、働き方のルールだけが変わらないから、もう何かを建てる余白は残っていないのに、上の世代からは「これを持って戦え!」と、とりあえずトンカチを持たされている。そんな、とんちんかんなズレが生じています。
「乾けない世代」は、何かを「達成」することにそれほど心を動かされません。なぜなら、「何もなかった時代」を知らないからです。生まれた時にはテレビも冷蔵庫もあって、ベッドから起き上がらなくたって、リモコンやケータイひとつで何でもできました。社会に出てみたら、もうあらゆる業界で、あらゆることがなされており、今から何かのパイオニアにはなれそうもない。
生まれたときから十分なモノに囲まれて育った彼らは、「ないものを勝ち得るために我慢する」という上の世代の心理は理解できないのです。さらに言えば、彼らは上の世代に対し、「達成」にこだわることのアンバランスを感じてもいます。
上の世代では、別にやりたいことなんてなくても、与えられたことをこなして、人よりいい結果を出せればそれで十分成功できました。大きな目標は誰かが掲げてくれたので、必死に「達成」を追い求めれば幸せでした。
しかし今は、「何が楽しいの?」「何をやりたいの?」ということを常に問われ、すべて自分で決めていかなければならない時代です。
右向け右で、固定された目標に向かって歯を食いしばって頑張る人よりも、好きなことに夢中でいつも楽しそうな人のほうが魅力的になっていきます。
今は、好きなことで楽しそうに仕事をしてる人のもとには、自然と、お金や人が集まってくる時代になってきているのです。
幸せには5種類ある。「達成」「快楽」「良好な人間関係」「意味合い」「没頭」
上の世代は、「達成」と「快楽」を追求する人が多い時代でした。まさに「目標を達成してワインで美女と乾杯」です。つまり、「快楽」を満たすための手段としての「達成」でした。
一方で、「乾けない世代」は、「良好な人間関係」や「意味合い」を重視する人が非常に多いのが特徴です。仕事よりも、個人や友人との時間が大事。何気ない作業の中にも「今、自分がこの作業をやっている意味」を見出せないと、とたんにやる気が起きなくなる。「没頭」タイプの人も多く、「いくら稼げるか」よりも「仕事に夢中になった時間を忘れてしまった」ということに喜びを感じます。
自分のやっている仕事が、大きな文脈のなかで誰かに貢献できている。さらに言えば、自分の大切な人のためになっていること。これを実感できることが、「意味合い」タイプの人にとって、モチベーションの源になるのです。
AIによって世の中はいかに変わるか。作業的に、効率的に、合理的に仕事を進めるうえでは、人間はもうロボットには勝てないでしょう。しかし、世界を変えるようなサービスや画期的なイノベーションは、一人の人間の偏愛によってしか生まれません。
これからは、この偏愛こそが人間の価値になる時代です。好きなことをやり続けることこそが最大の競争力になるのです。
つまり、休んでいる間に「インサイト」を発見してくるという仕事が課せられているということでもあるのです。理由はもちろん、ビジネスにおける優先事項が「決められたことをひたすらやる」ことから、「消費者の潜在的な欲求を発見し、提案する」へ変化したからです。
(中略)
もはや、終わらない仕事に忙殺され、オフィスのデスクで残業していては、新しい価値は生み出せなくなってきているのです。
どんな仕事なら、ロボットに代替されることなく、持続して行けるのでしょうか。シンプルな言い方をすれば、それは「他人から感謝されて、お金をもらえること」です。
これからの仕事で大事なのは、自分にとって得意なことで、いかに相手にとって「有ることが難しいこと」を探し当て続けるか、ということ
自分の「好き」がない人間は価値を生み出しにくくなります。個人として、いかに自分の「好き」を見つけ、人生の幸せへと結びつけていくか。
これからは、過去の方法にとらわれず、どんどん戦い方を変えていくべき時代です。最前線にいる人が気づいたユーザーのインサイトを、できるだけ早くアイデア化して、実現させていく臨機応変さが求められていきます。そのためには、上司やリーダーに許可をもらってから動くのではなく、気づいた人がすぐにアイデアを形にできる体制を作っておかなければいけないのです。
自分の好きなことについて話を聞いてくれた人に対して、人は親近感を抱くようになり、ぐっと心を開けるようになります。
本当に自分が好きなことや、得意なことであれば、いくら働いても不思議とエネルギーが湧いて、どんどん楽しくなってしまう。(中略)そもそも、それがやりたいことで満足できているのなら、仕事にブラックもホワイトもないと思うのです。稼ぐために働いているのではなく、生きがいのために働いているのですから。生きがいのために働くとは、本人にとっては遊んでいるようなものなのです。
引きこもっていた時期の彼は、一見「みんなと同じ生き方を諦めて引きこもった人」に見えるかもしれない。しかし彼は、無理をしてまで周囲に自分を合わせず、一度引きこもることによって、唯一無二となる自分の価値を見つけることができたのです。
それは、今の日本にかけられた「迷惑をかけちゃいけません」という呪いです。
ほとんどの日本人は、小さい頃から学校の先生や両親にそう言われて育ってきました。だから「他人から見てどうか(迷惑になっていないか)」を気にして生きている。やがて他人の目線や他人の評価軸を取り込むことに慣れ切った人々は、何か行動を起こすときも、自分がどうしたいかよりも、他人から見てどうか、他人に迷惑をかけないかを一番に気にしてしまいます。
ところがインドでは日本の反対で、親は子に対して「あなたは誰かに迷惑をかけて生きていかなければならないのだから、他人の迷惑も受け入れてあげなさい」と言うそうです。
インターネットの時代では、オンラインによってSNSもライブ動画もいつでも、ずっとつながっていられます。よって、自分がコツコツやっていることが可視化されやすいのです。あなたが自分の「好き」に打ち込む姿も、きっと誰かが共感して応援してくれます。
好きなことに打ち込む熱量は、見ている人を元気にします。これがAIやロボットによってあらゆる作業が効率化されていくなかで、人に残された大事な役割です。
インターネットは、あたなにとっていらなくなった口紅の色を、必要としている誰かと、あなたをつなげてくれる。つまり、「この色はいつもは使えなくてしまっておくしかないな」と思えるようなものでも、「好き」って言ってくれる人がいるのか分からないようなものでも、それを「ありがとう」と言って受け取ってくれる人を見つけることができるということです。
ジョブスさんは養子だったので、生い立ちからくる違和感、歪みを肯定して進化していくために、「Think Different」という信念に自分の生きる意味合いを見出しました。
実際、今の時代、大きな組織で動くことは難しいですね…。
右に行くためにみんなを説得して、左に行くためにまたもう一度みんなを説得して…。
そんなことしてるうちに日が暮れてしまいます。
どこにも辿り着けずに終わってしまいます。
ということで、これからも自分なりに熱量を持って取り組めることを、コツコツと突き詰めていきたいと思います。
今回もお付き合いいただいて、ありがとうございました😊🙏
読み終えた本は「しるし書店」に出品しております👇
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いただいたサポートは大切に、僕のメインである自殺防止の活動(通信費、HP維持費、研修費、保護の際の交通費)に使わせていただきます。 新潟 自殺防止ネットワーク http://life-save.org 代表 池 芳朗