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アンケート結果は、伝え方しだいで、(当然だけど)かなり印象が変わることを、考える。

 テレビ番組を録画して、目的の番組を見終わって、それからCMが続いて、さらに次の番組の冒頭の画面に変わって、止まった。

 そこには、高校生の「将来つきたい職業」ランキングが出ていて、1位のところが空欄で「??」になっていた。

 だから、気になって検索した。

高校生白書

2021年の高校生はどんな職業に憧れるのだろうか。自由記述を含む55種の職業から、高校生が将来つきたい職業を1つだけ選んでもらった。 
男女合計の全体ランキングをみると、1位「エンジニア・プログラマー(機械・技術・IT系)」(6.7%)、2位「公務員」(6.0%)、3位「会社員」(4.5%)、4位「学校の教師・先生」「看護師」(2.7%)となった。

 こうしたアンケートを見るたびに、自分が高校生や大学生などの時に、かなり浅い考えで答えていたことを思い出して、どこまで信じていいのだろうかと思いながらも、それでも、今は「エンジニア・プログラマー」が人気があって、そこに「公務員」と「会社員」が続くというのは、なんだか厳しい時代なんだということと、現代の高校生の手堅さを感じてしまった。

 ただ、このアンケートのデータをもう少し見てみると、この記事の文章でも触れられていないのだけど、表の一番下に「わからない 28、2%」とあるのに気づく。

 これは、1位の「エンジニア・プログラマー」6・7%と比べても、圧倒的に多い数字で、だから本当だったら、この「将来つきたい職業」のランキングは、もしかしたら統計的な原則から考えたら違うのかもしれないけれど、でも、素直に見たら、1位は「わからない」のはずだった。

 そして、もし、この表が1位は「わからない」で、28・2%で、2位が、「エンジニア・プログラマー」で、6・7%、という伝えられ方をしているとしたら、読者の私としても、おそらくは受ける印象そのものが違ってくると思う。

 エンジニア、公務員、会社員を「つきたい職業」がある程度わかっている高校生が選ぶのは、現代な感じがするし、「YouTuberなどのネット配信者」が、初めてランクインしたのも、今の時代だとは思う。

 その一方で、「わからない」が圧倒的な1位だということを知ると、昔のランキングのようなものの詳細は知らないけれど、やはり、10代では「わからない」のは当然だろうし、もし、昔よりも「わからない」が増えていれば、未来の「わからなさ」が、現代の方が、より大きくなっているのかもしれない、などと考えられたかもしれない。

小学生 「将来つきたい職業」

2021年の小学生はどんな職業に憧れるのだろうか。自由記述を含む55種の職業から、小学生が将来つきたい職業を1つだけ選んでもらった。
男女合計の全体ランキングをみると、1位「パティシエ(ケーキ屋さん)」(7.7%)、2位「YouTuberなどのネット配信者」(3.4%)、3位「医師(歯科医師含む)」(3.3%)となった。
1位の「パティシエ(ケーキ屋さん)」は2015年以降一貫して1位を独占している職業だが、圧倒的に女子人気が高いことが特徴である。

 このデータも、「高校生」と同様に、表の一番下に「わからない」が33・9%で、これも、数字だけで並べたら、1位は、圧倒的に「わからない」になる。

 統計的なルールの厳密性から言えば、やはり違うのかもしれないけれど、この数字通りに「1位 わからない」から並べた表の方が、伝わるものが正確なように思う。

支持政党

 与党政権の支持率は定期的に調査されるけれど、「支持政党」に関しては、選挙が近くなると調査され、それは調査機関によって、多少の違いは出てくるものの、この時点では、自民党の支持の高さが分かる。

 ただ、前出の「高校生」や「小学生」の「つきたい職業ランキング」のように、そのデータの全体を見ていくと、やっぱり印象が変わる。

 この「NHK世論調査」の表の下部に「特になし 36.2%」「わからない・無回答 7.6%」というデータがある。

 この数字をそのまま、他のものと同列に並べると、こんなふうになる。
(こうしたデータに、順位をつけないのも、もしかしたら、何かしらの法律に関係あるのかもしれない)

自民党         39.8%
特になし        36.2%
わからない・無回答    7.6%
立民           5.0%
公明           2.7%
維新           3.5%
国民           1.2%
共産           2.7%
れ新           0.5%
社民           0.4%
N党            0.1%

   こう並べると、野党は支持されていないという印象は変わらないのの、「特になし」「わからない・無回答」の数字を足すと、「自民党」の支持率を上回ることになるのが、改めて分かる。

  もちろん、みんながそれぞれ支持政党がある、ということも非現実的であるのだけど、この「支持政党なし」の人たちに対して、どうやって訴えていけばいいのか、というように、野党なら考えやすくなるのではないだろうか。

 

   アンケート結果は、統計的なルールは分からないものの、その伝え方によって、こんなに印象が違うのだから、少なくとも再考してもいいことだと思う。




(他にも、いろいろなことを書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。




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