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自分が、「外反母趾状態」だったのに、やっと気がついた。

 外反母趾、という言葉は知っていたし、どんな状態かも知っているつもりだった。

 例えば、決めつけるのは失礼だけど、女性がハイヒールなどを履き続けることによって、その靴の、特につま先部分が狭いため、足の親指が通常よりも、内側に曲がってしまうようなことだと思っていた。

特徴的な症状は足の母指(親指・母趾)の先が人差し指(第2趾)のほうに「くの字」に曲がり、つけ根の関節の内側の突き出したところが痛みます。その突出部が靴に当たって炎症を起こして、ひどくなると靴を履いていなくても痛むようになります。

(「日本整形外科学会」より)

 痛みを感じることはなかったので、自分自身とは無縁だと思っていた。


足の形

 自分の足の指を、きちんと見る機会は少ない。

 寒がりだから、ずっと靴下を履いている時が多く、寒くなると(あまり良くないらしいけれど)眠る時まで靴下を身につけている。

 入浴するときは、さすがに裸足だけれども、洗う対象としか見ていないし、石けんにややまみれているから、どんな形なのかを気にすることもなかった。

 さすがに夏は、靴下を履かない時が多くなる。それに加えて、短パンを選ぶことも増えて、家の中を歩くとき、台所で作業する時などは、室内用のサンダルのようなものを履いていて、だから、裸足の時は、畳の部屋で座って、食事をしたり、テレビを見たり、妻とおやつを食べて話をしたりする時間だけだった。

 座っていると、足の形も、ほぼ見ないから、自分の足の状態を気にする機会も、やっぱり少ないままだった。

足の指の状態

 たぶん、きっかけはスクワットだと思う。

 それまでは気にしていなかったのだけど、同じトレーニングをするのでも、足の開き方や、つま先の方向などを気をつけることによって、明らかに効果が変わってきたのが、体でわかった。

 それで、裸足で、スクワットをして、つま先をどちらにも開かないように、まっすぐ前に向けようとしている時、あれ、と思ったのが、特に右足の親指だった。明らかに、小指側に曲がっている。そういえば、小指も、かなり親指側に曲がっている。

 左足にも、その傾向があるものの、特に右足が顕著だった。

 これは、外反母趾ではないだろうか。

外反母趾

外反母趾の一番の原因は靴を履くことで、幅の狭いつま先が細くなった靴を履くと母指のつけ根から先が圧迫されて変形します。ヒールの高い靴はつけ根にかかる力が増えてさらに変形を強くします。
10歳代に起こるものは母指が人差し指より長かったり、生まれつき扁平足ぎみであったりする外反母趾になりやすい特徴があります。

(「日本整形外科学会」より)

 外反母趾と言えるのは、この状態によって、痛みがあるのだから、私の場合は、そういえば、右足の親指の付け根の足の裏の部分が、少し疲れると痛くなりやすかったり、右足の小指側の足の裏にだけ魚の目ができてしまって痛みもあるものの、「くの字」に曲がった親指の突出部は痛くなかった。

 だから、外反母趾だったとしても、それほど重くないのだろうから、あえて主張するのも申し訳ないのかもしれない。だけど、この形は確実に外反母趾の状態だと思ったけれど、いつなったのか、それに、どうして痛くないのかは、はっきりとはわからなかった。

 そして、大人になってからも年月が経った今になって、そのことを知ったとして、どうしようもなかった。

遠慮する子ども

 この状態で痛みがないとすれば、こういう足になってから長い時間が経っているはずで、だけど、10代になる場合の条件にも当てはまらない。足の人差し指の方が親指よりも長いし、扁平足でもない。

 だけど、足への負担ということを考えると、思い出すのは小学生の頃だった。

 小学校の低学年の頃から、ヒモを結ぶのが苦手なこともあり、そのまま履けるシューズを愛用していた。薄いゴムのような本体で、正面はゴムの部分で伸び縮みする。だから、何も考えずに足を入れて、そして歩いたり、走ったりしていた。

 それから、1年以上は、そのままその靴を履いていた。もしかしたら、もっと長い時間だったかもしれない。

 小学生は年々身長が伸びるし、足も大きくなるはずだったし、私も、小柄とはいえ成長していたはずで、そういえば、なんとなくキツくなってきた感触はあったものの、そのシューズは、本体も薄いゴムのような感じだったから、少し伸びる素材だし、正面のゴムの部分も伸縮する。だから、指先を丸めるようにして履くと、さらにキツくなったことも気にならなかった。

 それで、しばらく過ごしていた。

 もしかしたら、何かを欲しいということを訴えるのに、妙な遠慮がある子どもだったことも影響しているのかもしれない。誕生日プレゼントなどをもらえるだけで恵まれているとはいえ、自分のうちがそれほど裕福でないのは、小学生でもわかるから、最も欲しいものの値段を見て、もっと値段の安いものの方を希望したりしていた。その上、そういう行為をしていることも、知られてはいけないとは思っていた。

シューズの記憶

 こんなふうに書くと、まるでかわいそうな子どもだけど、親は衣食住に不自由させなかったし、虐待のようなこともないから、普通に大事にはされていたとは思うし、特に困ったことや、不満なことはなかった。

 ただ、ぼんやりと、自分が色々なことができないのは気がついていたから、微妙にあきらめと共に生きていて、だから、シューズが多少、キツくなったことも、それほど大事なことだとは思えていなかった。

 だけど、さすがに我慢できなくなったのか、親が気がついたのか、新しいシューズを買ってもらった。一気に、1センチ以上は大きいものを購入したと思う。それを履いたとき、靴はこんなに楽なものなのか、といった感触だけは、今でも少し憶えている。

 もちろん断定はできないけれど、そのときに、外反母趾の状態に足がなってしまったとすれば、それが基準になるから、痛みがあるわけでもなく、ただ足の形が変わっている、ということだったのだと思う。

 途中からは、3E、もしくは4Eの靴ばかりを履くようになったから、年齢を重ねた後の方が、外反母趾になりにくい生活をしていたはずだ。

 だけど、これまでずっと気がつかなかった。

 それは、このままで不自由がなかったからだけど、もしかしたら、そんなことはありえないと思いつつも、学生時代にはサッカー部にいたから、この指が、もっと普通の状態だったら、ほんの少しでもボールタッチがうまくなることはなかったのだろうか。などとは、ちょっと想像してしまった。




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