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3LA Interview

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「場所の雰囲気やカルチャーに安易に乗っかるだけではなく、バンドはいいライブをやらないとそこから何も生まれない」 / Interview with Mr.Kasanuma #4

「場所の雰囲気やカルチャーに安易に乗っかるだけではなく、バンドはいいライブをやらないとそこから何も生まれない」 / Interview with Mr.Kasanuma #4

インタビューは本来の内容からどんどん外れていった完全に雑談レベルに…。しかし重要な内容もあったので敢えての完全収録!

前回までのあらすじ
#4 . ライブハウスシーンから外れたもうひとつの可能性を語る(完全に余談)「スタジオライブはライブハウスでのライブに対するカウンター」(過去と今)

3LA : 過去のバンドについて今でもyoutubeにいくつかのスタジオライブ映像が上がっていますが、当時は

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Kowloon Ghost Syndicateについて / Interview with Kasanuma #3

Kowloon Ghost Syndicateについて / Interview with Kasanuma #3

このインタビューが行われたのは2016年、当時の笠沼さんはKowloon Ghost Syndicateで活動しており、過去のGauge Means Nothingの話だけじゃなくて「今」の話を聞きたかった。その「今」の話もこうして過去の話になったのだなぁと思います。Kowloon Ghost Syndicateは少しだけまだ3LAに音源の在庫があるかもしれない。

前回までのエピソードは下記をご

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Gauge Means Nothing解散後、P.S. Burn This Letter, Still I Regret, そしてレーベル。音楽へのこだわり / Interview with Kasanuma #2

Gauge Means Nothing解散後、P.S. Burn This Letter, Still I Regret, そしてレーベル。音楽へのこだわり / Interview with Kasanuma #2


前回#1の流れはこちらです。

「自分では意識していなかったけど、気付けばものすごくのめり込んでいた」 P.S. Burn This Letterについて

笠沼:
gauge means nothingの解散ライブのときにTialaが出てたんだけど、ボーカルのカッキーに「俺ドラム叩けるから一緒にバンドやろうよ」って言われて、その解散ライブの数日前にアメリカでBox The
Compassという

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00's日本激情シーンとGauge Means Nothing / Interview with Kasanuma #1

00's日本激情シーンとGauge Means Nothing / Interview with Kasanuma #1

#1 : 00's日本激情シーンとGauge Means Nothing2010年代終盤から2020年を周り世界的にやってきた何度目かのEmo-Hardcoreムーブメントの1つは「skramz」として再定義され、そしてその文脈からも逸脱をしていく。2000年代の日本国内激情、そしてskramz界のカルト的存在として再評価されるGauge Means Nothing… (リイシューが最も待たれるバン

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原点回帰した最高傑作、スパニッシュネオクラスト / Interview with SVDESTADA

原点回帰した最高傑作、スパニッシュネオクラスト / Interview with SVDESTADA

2度の来日も実現させたKhmerのボーカリストMario C. Vaisesらがスペイン・マドリードにて結成したSVDESTADAは、エンジニアを務めるKollapse StudioのIván Ferro(ex.Ictus,Khmer)と再びタッグを組み、その結成から1年後に1stアルバム『Yo Soy El Mar 』を発表。2021年にはタンゴ要素も組み合わせ「スパニッシュネオクラストの更新」

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Interview with Habak 「人間や帝国が作ることのできるシステムは、ここに集まるすべての共同体の生き残ろうとする衝動を封じ込めることはできない」

Interview with Habak 「人間や帝国が作ることのできるシステムは、ここに集まるすべての共同体の生き残ろうとする衝動を封じ込めることはできない」

初の日本国内盤CDをリリースするメキシコのHabakへのインタビューを行いました。しかしこのインタビューであまりに深いところまでいこうとは思わない。それぞれが作品の内容を受け止めて深く理解しようとしていけばより多くのものを得られると思う。このインタビューはそんなヘヴィリスナーの助けとなるヒントでしかないと思う。ただひとつ言えることは、彼らは本気だし、メキシコに生きることっていう自分達がなかなか想像

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「私たちは皆、インターネットで出会った。」 Interview with Mildred(ミルドレッド)

「私たちは皆、インターネットで出会った。」 Interview with Mildred(ミルドレッド)

 USでは既に若い世代で多くのバンドが生まれており、それはもはや旧来とは別のシーンを形作りつつある。そうなれば必然的にその中でも人気を集める者や、独自の路線に進む者、そして圧倒的にアンダーグラウンド思想を突き詰めていく者が現れる。
 Mildredは後者にあたる。「俺たちをリリースしてくれ」レーベルを運営していればそんな連絡を受けることは多々あるが、自身のwebサイトを立ち上げ、超膨大なテキストを

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Interview with Kazu (from SeeK)

Interview with Kazu (from SeeK)

2023年に傑作アルバム『故郷で死ぬ男』を完成させた大阪SeeK、11/4のSWARRRM『焦がせ』レコ発にて東京での年内最後のライブを行う。ライブが迫る中、本作アルバムのサウンドの肝となるギタリストKazuへの初インタビューを行いました。

3LA : おつかれさまです!どうですか!

Kazu : 2023年7月のSo Hideous(US)とのジャパンツアーが終わってからずっと忙しかったです

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Interview with sasa(HAERERE) & 富永(herside)

Interview with sasa(HAERERE) & 富永(herside)

2023年8月5日に東京、新宿のNINESPICESにてスプリットリリースレコ発を行う北九州のHAERERE、hersideからsasa、富永を迎えてのインタビューという名の雑談を行いました。彼らの持っている感覚は現代日本から消え去ってしまいそうな「ローカル感」そのもの… 消えていく感覚を掴んで表現していくのがエモ。この雑談が何を生み出すのかわかりませんが、レコ発ライブは是非来てください! (詳細

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「僕たちはスクリーモを "アップデート" しようとはしていない」 Interview with MASSA NERA

「僕たちはスクリーモを "アップデート" しようとはしていない」 Interview with MASSA NERA

Massa Neraの新しいアルバムは素晴らしい内容だった。リリース前、彼らから直接のコンタクトを貰い、そのメールに記載されていたsoundcloudのURLでリリースの一足先に聞かせてもらっていた。この作品はこれまでのMassa Neraが発表してきたハードコアサウンドの追求の結果であり、そして新たな領域を踏み出しているような、そんな刺激的な感覚を覚えた。彼らからオファーを受けて実現したこのイン

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「この写真集を出すことが出来て、やっと自分はゴミじゃないって思えた」 Interview with yuma kikui (写真家)

「この写真集を出すことが出来て、やっと自分はゴミじゃないって思えた」 Interview with yuma kikui (写真家)

SNSの時代に加速するスマホの進化によりライブシーンにおけるオーディエンスの楽しみ方は大きく姿を変化した。twitter, Instagram, TikTok… 個々がリアルタイムでアップロードする無数の写真がタイムラインを埋め尽くす。そして流れていく。そんな時代に逆行するかのようにフィジカルの写真集を個人で刊行することになった関西パンクシーンに暗躍する写真家yuma kikui(aka ゆまっち

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「みんなで作っているという意識があるから、出来上がった時の感動が大きいんじゃないかな」 Interview with yarmulke

「みんなで作っているという意識があるから、出来上がった時の感動が大きいんじゃないかな」 Interview with yarmulke

2000年代を駆け抜けた京都の激情ハードコア(Screamo)、yarmulkeのコンプリートディスコグラフィをリリースする上でかならずやりたいと思っていたのが、彼らの音楽の礎となった背景を探ること。今改めてyarmulkeを聴いているリスナーも、彼らの音が簡単に生み出せるものではないということは気付いてもらえていると思います。今現在の世界的な2000年代Screamo再評価の動き、その背景にある

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「Screamoにはこの音楽ジャンルにしか見出せない純粋で自由な正直さがある」Interview with MEO(from Italy)

「Screamoにはこの音楽ジャンルにしか見出せない純粋で自由な正直さがある」Interview with MEO(from Italy)

「お前はもう死んでいる」
西暦199X年、世界は核の炎に包まれた。かつて北斗の拳で描かれた夢も希望もない暴力が支配する弱肉強食の世界は、創作とは違った形でリアルとなり現実に侵食している。イタリア、トリノのMEO(メオ)はそんな現代の戦争の時代に生み落とされた2020年代のScreamoである。2000年代に多くの名盤を作り出したバンドたちがいたが、彼らもまたその文脈を受け継ぎながら、しかし激情ハー

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SPOILMAN『HARMONY』を巡る交換日記 #3 (→3LA→カシマ→)

SPOILMAN『HARMONY』を巡る交換日記 #3 (→3LA→カシマ→)

前回までのあらすじ!

交換日記は続く。
響けユーフォニアムの話をしたら翌週には続編製作決定の発表がされるなど、若干未来日記的に話は現実とリンクしていく。

もはや何を聞いても、だいたいどんなノリで製作しているかも想像出来てしまうし、特定のメッセージを乗せるようなこともしていないバンドなのだから、具体的な言葉にしてしまうより、この文字の質感で今まで伝えられなかったものが伝わるならそれはそれでいいか

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