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日が昇る四畳半

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短編の日が昇る四畳半をまとめています。
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日が昇る四畳半【小説】

日が昇る四畳半【小説】

#漫画原作部門

①四畳半おじい

子どもの頃の話。
僕は、四畳半の部屋に住むおじいと仲がよかった。その部屋の襖を開けるとおじいはニカって笑って僕を迎え入れてくれた。
家族の中の誰とも血のつながりのないおじいがウチの一室にずっと住んでいた。誰とも関わらず、僕とだけ話すおじい。母がなんとなくおじいの分もご飯を作って、おじいの住む四畳半にそれを届けるのが僕の役目だった。
「今日は、おでん?おじいカラシ

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【短編】日が昇る四畳半⑦最終回

【短編】日が昇る四畳半⑦最終回

⑥はこちらから

僕は裁判所の証言台にいる。
背後の傍聴席からの視線が、なんとなく怖い。こんなにたくさんの人に見られたのは初めてだ。少しだけ後ろを見ると比嘉さんと目があった。
比嘉さんは、父と母を許すと言ってくれた。でも、それには条件があった。僕が当事者として証言台に立って父と母がしてきたことをきちんと話すことだった。

「生駒秋芳さん、あなたは、18年前、生駒夫妻により、事故の現場から連れ去られ

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【短編】日が昇る四畳半⑥

【短編】日が昇る四畳半⑥

⑤はこちらから

日曜日。学校もバイトもない。
実家の玄関に貼られた貼り紙を剥がしてゴミ袋に入れる。壁には卵とか、犬のフンとかも投げ付けられていて、笑っちゃうほどにひどい。防犯カメラを設置して犯人を割り出してやっても良い。これだって、立派な犯罪だ。父や母は、お前たちに何もしてないじゃないか。

「ずいぶん、ひどいな。」
聞き覚えのある声だった。振り返ってはっとする。
「比嘉さん…。」
「手伝うよ。

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【短編】日が昇る四畳半⑤

【短編】日が昇る四畳半⑤

④はこちらから

大学の学食で友だちとお昼を食べる。
5人で囲むテーブル。最近、隣に座る幸樹と僕の向かいに座る由奈が付き合い始めて、他の2人も盛り上がっている。僕の身に何が起きているか、この中の誰も知らない。
「あっきー、チョコあげる。」
そう言って、僕の左手を軽く握って斜め前の沙耶ちゃんがチョコを手のひらに置いてくれた。こういうのもしかしたら、ドキッとするんだろうけど、なんともない。一応、僕はに

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【短編】日が昇る四畳半④

【短編】日が昇る四畳半④

③は、こちらから。

久しぶりに実家の玄関に鍵を通した。
玄関に、壁に人殺しって張り紙がたくさん貼ってある。こういうの、どういう気持ちで書いて貼るんだろう。理解できない負の感情。

玄関を開けて家に上がる。飾られた花が枯れて植物の死ぬ匂いがする。水っぽさを少し含んで臭い。花瓶を手にして台所に向かった。
枯れて腐った花をゴミ箱に捨てて濁った水を流しにあけた。臭い。花瓶を覗き込むと、水垢がこびりついて

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【短編】日が昇る四畳半③

【短編】日が昇る四畳半③

②はこちらから

秋夜さんに話をした日から1週間。
僕の住むアパートに警察が来た。
「生駒秋芳さん。一度、DNA鑑定を受けてほしいんです。」
そんなことを言われて髪の毛を何本か提出した。僕の知らないことが始まっているように思った。 

学校の友だちには変化はなかった。相変わらず立ち位置はみんなの弟で可愛がられ役。
「あっきー。メロンパンあげるー。」
そう言って、女の子たちに囲まれたり。きっと、この

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【短編】日が昇る四畳半②

【短編】日が昇る四畳半②

①はこちらから。

カーテンの色がブルー。
僕の部屋ではない場所で目が覚めた。レモングラスの香りがして頭が冴えていくが少し気持ち悪くて起き上がれなくて横になっていた。これが二日酔い。人生初めてだ。
「あき、おはよう。」
秋夜さんが、声をかけてくれて、ようやくここが秋夜さんの部屋だと分かった。
「ごめんなさい、僕…。」
「止めなかった俺も悪いよね。ごめんね。」
秋夜さんがペットボトルの水を渡してくれ

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【短編】日が昇る四畳半①

【短編】日が昇る四畳半①

子どもの頃の話。
僕は、四畳半の部屋に住むおじいと仲がよかった。その部屋の襖を開けるとおじいはニカって笑って僕を迎え入れてくれた。
家族の中の誰とも血のつながりのないおじいがウチの一室にずっと住んでいた。誰とも関わらず、僕とだけ話すおじい。母がなんとなくおじいの分もご飯を作って、おじいの住む四畳半にそれを届けるのが僕の役目だった。
「今日は、おでん?おじいカラシほしいって絶対言うよ。」
「じゃあ、

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