すみませんが、コーヒーをふたつ
白いカップの一部、細いふちが、淡く色づく。私はそれが嫌いだった。想像していただけるとよく分かると思うのだが、例えばある休日の昼近く(別に平日でも構わないけれど)、あなたとパートナーがコーヒーショップへ行ったとする。ショップはシャッターが上がってまもなくといったところだけれど、天気がいいからか、そこそこ混んでいる。あなたの隣にはパートナーが座る。あなたはウエイトレスに声をかける。「すみませんが、コーヒーをふたつ。」
ふたつのカップの上にはふたつぶんの湯気が揺らめいて、その向こう