ポカリとお粥と軽食。
音楽が好きでしょっちゅう聴いているんだけれど、いつでも同じ状態で心地よく聴けるわけではない。何の音楽を聴くか・聴けるかというのは主に体調による。もっと言えば、疲労の度合いによる。
食事に例えるとわかりやすい。元気な時は何を食べてもだいたい美味しい。際立って元気じゃなくても、まあ普通に元気という時は、とりあえず好きなものを中心に食べたいなと思う。この辺までが日常の基本である。
そして疲れている時。疲れている時は胃に優しいものが食べたい。例えばお粥のようなもの。なんたって食べるのも消化するのも割と体力を使うので、食事ってけっこう元気がないと出来ないのだ。
さて、今日は疲れたなあなんて言ってクッションにもたれてぼんやりしているうちに、なにか口に入れたいけれど、でも本当はこれといって何かを食べたいわけじゃないんだよな……。という気持ちになる。となると液体である。しかも冷蔵庫から出してすぐ飲める簡単なものがいいだろう。ということでポカリスエット。
ポカリスエットをゆっくり飲んでぐっすり眠った次の日、比較的体調は回復している。まだ疲れはあるけど、とりあえず動くか……と思える。死ぬほどではない。まだまだ重いものは食べれないから、軽く食事を摂ることにする。あるいは、おかゆやポカリと併せて体のバランスを取りながら、また元気になるのを待つ。
音楽にも同じように「ポカリ」「お粥」「軽食」みたいなものがあると思う。もちろん、どういう音楽がそれらにあたるのかは人によって違うはずだ。
私の場合、例えばポカリはクラシックやアンビエントなどの静かなインスト曲にあたる。静かな、というところがポイントで、例えばクラシックでもマーラーの交響曲みたいなのだと軽く心臓発作を起こしそうになるのでアレ。音数が少ないといいと思う。
「お粥」はジャズだ。ジャズもいろいろあるけれど、歌の入らないものを聴く。
ここまで書いて思うのだけど、歌というのはやはり言葉であり、言葉というのは人間の象徴なのだ。疲れている時にメッセージを受け取るのはちょっと疲れる。なので基本的にインストが良いのだろう。
ちなみに疲れが重い場合はやっぱり静かな曲を選ぶことが多い。お粥と水分の中間、重湯みたいな具合で。
「軽食」を食べれるまでに気力が回復すると、歌が入っていても全然OK。昔好きだった曲とか、昔からずっと好きな曲なんかを聴くと、ゆっくりと元気が出てくる。気がする。
こう書いていると、音楽とは日々の糧であり、またサプリメントでもあるのかな、と思ったりして。
今度スマホで「ポカリ」「お粥」「軽食」のプレイリストを作ろうと思う。