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サウナ初心者がフェイスタオル1枚持って初めてサ活をした話




休みの日の朝、目が覚めて、初めに思ったことは「疲れた」だった。次に思ったことは、「サウナ行くしかないな」。

行くサウナは決まっていたので、あとは準備をして行くだけだ。
そこでふと気づいた。

そういえばサウナって何を持っていったらいいんだ?

とりあえず、フェイスタオル1枚ビニール袋に入れて家を出てみた。


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靴箱の鍵をカウンターに預けてリストバンドを貰い、お金を払う。今回は休憩ナシでお風呂とサウナだけ。館内を見物しながら浴場に行く。平日の昼下がりだったので、そんなに人はいない。脱衣場も広くて綺麗だ。
浴場に行くと、大きなお風呂と、炭酸風呂や電気風呂などの趣向のある小さめのお風呂がいくつか。露天風呂もある。その傍には外気浴の椅子もある!

まずはさっそく体を洗う。ドラマ「サ道」でナカタアツロウ(原田泰造氏)もいの一番に体を清めていた。備え付けのシャンプー、リンス、ボディソープをお借りする。どうやらサ活フェアのようなものをやっているらしく、通常のアメニティの他にはちみつのボディソープなどもあった。こういうのも楽しい。

サウナの前に、お風呂に入る。しばらく温泉や銭湯などにとんといけていなかったので、大きいお風呂というだけでただ嬉しい。ああ、お湯の中で広々手足を伸ばせることの気持ちよさよ。

しばしお湯に浸かったあとは、さっそくサウナへ行く。
入ってみると、うおっ、となる。結構熱い。慌てて持っていたタオルを頭に巻いた。そういえばサウナマットどうしよう?と思っていたのだが、既に清潔なマットが沢山敷かれていたので一安心。

サ室(サウナ室)は熱い上段、少し熱い中段、比較的穏やかな下段の三段がある。初心者なのでとりあえず下段からチャレンジしてみる。
12分計を見ながら、入れるところまで入ってみよう。テレビを横目で眺めながら(このサ室にはテレビがあります)、滲んでくる汗を拭う。下段といっても、結構暑いもんだな……と思って、時計を見ると、約8分。もうダメだ!!と思ったところで、サ室を出た。


サ室の目の前には水風呂がある。まず掛水をして汗を流してから、ゆっくり足から入ってみる。冷たい。水風呂って水だ。当然ながら。ていうかしゃっけ!(冷たいの意) 
胸の辺りまで数秒、何回か浸かって、露天スペースへと向かった。



露天スペースには露天風呂と、外気浴のための椅子がいくつかある。
ひとまず露天風呂に軽く浸かってから、お湯から出て椅子に深く腰掛ける。
良い意味で、体に重力がかかっている感じがする。自然と体に重みが感じられる。なんだか緩やかに沈んでいく感じ。
見上げると、青い空に切れ切れに浮かんだ雲がゆっくり流れている。そう、今日は天気が良いのだ。秋の風が、時折、体の上を渡っていく。気持ちいいなあ。


しばらく休んでから、再びお風呂へ。さっきとは違うお風呂を楽しんで、軽く温まったら再びサウナ。
今度は中段に座ってみることにした。確かに下段よりは熱い。人も少ないので、手足を伸ばして全身で熱を浴びてみる。指先から足のつま先まで、ひたすらじんわり暖かい。気づいたけれど、サウナの温まり方って、なんだかコタツに似ている。確かに熱いは熱いんだけど、芯からじっくり温まっていく感じ。言うなれば、全身でずーっとコタツに入っているような、そんな感じがするのだ。
熱い。しかし気持ちいい。

そろそろかな、と12分計を見ると、またもだいたい8分くらいだった。


サ室を出て、汗を流して、水風呂2回目。
今度は肩まで行けるかもしれない。そんな気がして、ゆっくり静かに沈んでみる。今度は、水が体に気持ちよく感じる。冷たいけれど、寒くはない。 思うに、どうやら1回目の時はそもそも体がまだしっかり暖まっていなかったらしい。意外といけるぞ……!と思っているうちに体がちょっと冷えてきたので脱出する。


2回目の外気浴。空を見上げながら、椅子に座って体を伸ばす。今度はしっかり温まっていたみたいで、なんというか、体がじわじわ、ジンジンしている。
空から降ってくる日差しがやわらかくて、知らないうちに、ゆっくり深い呼吸をしていた。
疲れてくると、呼吸が浅くなるタイプである。最近はなんだかずっと息苦しいような気がしていた。深い呼吸って、いいもんだなあ。
空を見ると、白い線がすーっと細く伸びていくのが見えた。飛行機雲だ。青い空と、白い雲と、白い細い飛行機雲。たった今ここでは、自分だけが、こうしてぼんやりと見上げているのだ。それはなんだかとても、贅沢なことのような気がした。

普段色々なことをして時間を過ごす。スマホを持っていれば頻繁に見るし、本があれば読む。音楽も聴くし、つい仕事のことや、やらなければならない日々のあれこれを考えてしまったりもする。
しかし、サウナでは違う。手には何も持っていないし、そもそも服すら着ていない。何を考える必要も無いし、考えたって仕方がない。
積極的にぼーっとする。いったん目の前から色んなことが離れて「ただ、自分がそこに生きているだけ」になる。
空は青くて、ゆっくりと雲は流れ続ける。自分はたまたま、なにかの具合でそこに生きているだけなのだ。地球が廻ることからすれば、私が生きていることなんて本当に些細でちっぽけなことである。それは少し寂しいことなのかもしれない。でもどうしてか、同時に、すごく気持ちが楽になるのだった。
青い空の下で、プラスチックの白い椅子に座りながら、そんなことを考える。

これはあれだな。あの言葉だ。

……ととのった~。



そんな具合のことをあと2セット繰り返し、トータルでは4セットになった。
実は本当は3セットにするはずだったんだけど、気温が低く3セット目の外気浴で少し体が冷えてしまい、最後にもう1セット追加したのだった。あと今から思えば、外気浴に出る前にはもっとしっかり体を拭いておいた方が良かったのだと思う。
次回に活かすべし。

後ろ髪を引かれる思いで浴場を出たあとは、濡れたタオルをビニール袋に入れて、髪をしっかり乾かして、施設の物販やお食事処をチェックして、身も心も軽やかな気分で帰宅したのでした。



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そんなこんなでサウナ初心者がフェイスタオル1枚でサ活をした結果は、たいへんたいへんとっても良かったです。
致命的になんでこれもってこなかったんだ!と思うモノは思えば特になく、じゅうぶん楽しくサ活出来ました。逆に、最低限の持ち物で始めたからこそ、これあればもっと良かったな!というモノがわかって良かったと思います。

個人的な「今度はコレ持ってこよう」リストは、

*サウナハット(やっぱり帰宅時少し頭痛が出てしまったので。タオルも良かったけど、もう少し防御力を上げたい)
*タオルもう1枚(湯上り用)
*ボディタオル
*メイク落とし(メイクしてる時は必要ですね)
*化粧水(サウナでほてった肌にはあると嬉しい)
*せっけん(顔と体と兼用)
*くし
*シャンプーとリンス(アメニティでもいいんだけどね)
*飲み物

上から必要な順です。
行先のスパや銭湯の状況なんかによっても異なると思うので、あくまでご参考までに。
既に次回のサ活に向けてちょこちょこ100均で買い揃えたり、サウナハットも通販するつもりだったりしています。こういう時間もまた楽し。


サウナって楽しそうだけど……行ってみたいけど……とモダモダしていた人間が、今やすっかりサの民になってしまった。むしろ、そういう風につい新しいことに対してモダモダしてしまうような人こそ、多分行ってみるととても楽しいんじゃないかと思います。

フェイスタオル1枚だってなんとかなるんだから、多分人生も最低装備で何とかなります。きっと。

これからは月に2回くらい行こう。

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