読書20180109

謹賀新年!本年もよろしくお願いいたします。

今年の目標の一つは「本を読もう」ということで、その点に留意して日々を送って行こうと思っています。そうこうしているうちに今月も三分の一が過ぎましたよ!

読んだ本→「Self-Reference ENGINE」 
書いた人→円城 塔

実は年末から違う本を読み進めていて、このままいくと年をまたぎそうだな~と思っていたところで、新年一発目に読む本が「これ」ってちょっとどうかな……という結論に達し、即座に舵を切り替えました。その結果がセルフリファレンスエンジン。年末に読んでいた例の本はあとで読み終えたい。

SFとして書かれた純文学。だと思っているのだけれど、どうなんだろう。
そもそもSFとして書かれた、というのが先の文章の間違いである気がしてならないのです。
おそらく、何として書かれたわけでもないんじゃないか。そもそもジャンル/カテゴリというのなんて、「どこか」を目指してたどり着くための道筋でしかないんじゃないか……。おそらく「どこか」を目指した結果、後ろに残った足跡が、SFという形に似ていたんだろう。そんな気がする。

そしてその「どこか」はきっと、書いた人にしかわからない。

難解だ、という言葉が指すのは「解自体が難しい」または「解にたどり着くまでの道のりが難しい」どちらでもいいわけだけれど、その言葉は解を知っている者のみが解を知っているからこそ言葉に出来るのであって、解を知る者とはおそらく作者しかいない。あるいは、そんな者なんていないのかもしれない。

だから、このお話の全てをさしおいたとして思うのは、とても美しい本だった、というただひとつ。

それ自体が美しいというよりは、様々な要素が収束して並行して混ざりあって、ひとつの美しさを輝かせている、そんな話。

少年たちと少女、少年たちと少女だったもの、弾丸、立方体、海岸、時空、饒舌、静謐、熱気、真空、クールでヒートで、そしてなにより、どこまでも際限のないチャーミング。

そんな小さな欠片達が収束して、ひとつの物語になる。それはある旧家の蔵に存在する、年に一度のみ一方へ向けて回転させられる、美しい寄木細工を思わせる箱のように。

面白かったので、同著者の別作「後藤さんのこと」も買いました。後で読もう!

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