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26歳アダルトチルドレンの抗戦記録

2018年
春 転職を考え始める
親にも匂わせはじめるが転職そのものに抵抗があるようだったので、ぼんやりとでも何度も話題に挙げるようにしていた

2019年
夏 転職活動開始
納得はしていない様子だが以前よりは抵抗感はマシになった 反応が悪くても転職に関して繰り返し近況報告(事後報告)するようにした

2020年
1月 内定先への就職を反対され大揉め
話し始める前から否定的なムードで私は萎縮した
話し終えると、そんな不安定そうな業種、しかもそんな従業員数の少ないいつ潰れるか分からないような会社有り得ない、許さない、田舎に帰ってきてその辺でコンビニ店員でもやった方がマシだと言われる
それ、私にも、私が選んだ(私を選んでくれた)会社にも、その辺でコンビニ店員やってる人にも、全員に対して、めちゃくちゃ失礼だよな、と思った どんな立場であれ人の仕事を馬鹿にする人間が私は大嫌いなのでショックだった
転職できれば、安定していれば、今の環境から逃げ出せれば何でもよいわけでは決してなくて、"本当にやりたい事"を探し求める中でようやく見つけたやりたい事で、縁を感じた会社だった 私は大手志向ではなかったが、趣味程度にでもその業種に関心があれば、その会社が手掛けたものが店先に並ぶのはしょっちゅう発見できた

親が興奮しまったく建設的な話ができなかったので、手紙を書いた
手紙を書くこと、それによって相手に思いを伝えることが好きで、大切にしてきた習慣で、私の一番の武器だと思ったから、口喧嘩にならずに、きちんと思いを伝えられる一番の手段だと思った
心配してくれるのは本当に有難いと思っています、だけど私は今25歳です、これからも"理想の娘像"から外れないように気をつけながら、お母さんたちの顔色を窺いながら生きていかなきゃいけないですか、そうでないと私という人間に価値はないですか、お母さんたちの思う"私の幸せ"がいつも正しいとは限らないのではないですか、私の幸せを願ってくれているなら、もう少し手放しで見守ってもらうことはできませんか、という内容だった
転職活動はまだ続けるつもりですが、最終的にどこに行くかは私が決めます、相談はしたいと思っているけど、その意見をどういうかたちで飲み込むかは私の決めることだと思います、とも書いた
返事は来なかった 電話でもLINEでも反応はなかった


2月 転職活動継続し、当初とは別の大手企業に内定
自分でたくさん考えてやりきったので その結果として納得していた

3月 前職の会社を退職

4月 転職先入社
私の就職先のでかでかとした新聞広告が入っているのを見て親が喜んでいると聞いた
"またやってしまった"と思った 全部自分の意思で決めたつもりだったのに、知らず知らずのうちに親が喜びそうな道を、波風が立たなそうな道を選んでしまったことに気がつき心底絶望した

5月 彼氏との同棲を反対され大揉め
転職も同棲も結婚もまわりの友達は当たり前にしているのに、なぜ私は人生を自分の意思だけで進められることができないのかと嘆く


6〜11月 同棲揉め激化
古い考えの人達なのでそもそも結婚前の同棲に対してかなり否定的だったが、反対する理由が二転三転しまったく話にならない状態に

交際期間が短すぎるからダメ

事前に挨拶がないからダメ(もちろんするつもりで話していた)

電話でその話をするのは筋が通ってないからこれ以上聞きたくない、挨拶以前にまず私だけ単身で帰省し同棲への考えを直接聞かせろ

コロナが落ち着くまで帰ってくるな

お母さんたちが"落ち着いた"と判断するまで待ち、私が帰省して話し、認めてもらい、彼を連れて帰省し、お母さんたちが認められる相手だったら同棲を許してくれるってこと?と聞くと、"それはその時にならないと分からない"

最後のあがきのつもりで再び手紙を書いた
内容は前回とほぼ同様で、要望を飲ませるようなものではなく広くこれからの話だった

その時思ったこと
すべて言うこと聞かせるのが親の愛なのか 本当に頼りたい時に縋っても微塵も寄り添ってくれずに何度も突き放したくせに 思い通りでない時だけ"娘を心配する親心"を持ち出してきて それをどう信じろというのか
根にあるのは確かに"心配"なのかもしれないけど、それを我慢したりこらえて見守ったりすることができないので、私の行動を制限することによってその"心配"を解消しようとしている ずっとそうしてきたのだと思う 円の外へ出ないか心配で心配で仕方がないから、この線から外には絶対に出るなと強く言いつける 私は出ようとしなくなるので彼らは安堵する 本当は円の外は危ない場所でもなんでもなかったりするのに

"親子関係を蔑ろにしてもいいと思うなら勝手にすれば?"と言われた これって脅しだよね
蔑ろにしようと思っていたら、わざわざこうして相談したりしないよ、分かってほしいから毎回毎回話をしようとしてるんだよ、物理的にはすべて強行突破も事後報告もできるのにそれをせずに連絡をするところに、感じ取れるものはないのか
否定しかしない マトモに聞きもしない 聞く態度じゃない すぐ声を荒げる "自分たちこそが娘との関係を蔑ろにしているのかも"とは微塵も思わないのね


12月 コロナを理由に帰省しなかった 生まれて初めて実家の外で年を越した

1月 彼氏と別れた 家のことは関係なく私と彼とのことなのに"ほらね、だから言ったじゃない"と手のひらを返されるのが嫌で敢えて報告しなかった(姉妹を経由して伝わっていたようだが、自分の意思では決して話さなかったということが重要)
昔からずっとそうされてきたが、決死の覚悟での反抗心を何となく時間とともに風化させられるのだけは嫌だった 別れたから白紙ね、という話ではなく、これからの話をしたつもりだったので、何も解決していなかった "勝手に話を終わりにしないでください"を態度で示すつもりで家族LINEの通知を切るようになる


2月〜現在 態度で示し続けている
家族LINE(私以外が時々動かし、全員返信が早い)が動いても既読無視か、動きが収まってからスタンプだけ返す 個人的な連絡は一切来ないし私もしていない
手紙の返事も当然来ない

今一番のネックは年末の帰省をどうするか
ずっとこのままでいるわけにはいかないとも思っている


縁を切りたいわけではない
このままでいても自分が困ると分かっている それこそまた彼氏ができて同棲/結婚となった時のハードルを自ら上げておく必要はないし 大切な人には出来る限り迷惑をかけたくない
もう分かってもらえない人に分かってもらう努力をすることに疲れてしまったし 全部言うこと聞いて生きていくのも絶対に嫌だけど、このままではどちらかが死ぬまで終わらない
私の夢見ることのひとつは結婚を祝福してもらうことで、そういう家族がそばにいるようなことで、家のことを解決しないと"幸福な結婚"なんてできないと思っていて、まして今の状態では到底実現できない
分かってもらえないことはもう分かっている 何度も思い知らされてきた でも分かってもらえないなりにそれなりの関係を築く努力をしなければ自分の首を締めることになる 選択肢はやはり狭められたままだろうし 今親が死んだら私の呪いは一生解けないだろうと思う 一生解放されないだろうなと

家庭環境が似ている友達が、人生における重要事項、相談・交渉が必要な事態に備えて意識的に布石を敷く努力をしている という話をしていて かなりはっとさせられた この手の話ではここ数ヶ月で群を抜いて響いた

話したくないけど今日あったことを話したり
うるさいなと思ってもお説教も聞いて
小さなことでも相談する姿勢をとってみたり
予定を合わせて出かけるのについて行ったり

その成果が現れて、最近、想像以上にスムーズに事が進むようになったのだと話すのを見て、私もそうしていかないといけないと思った 文句だけをこぼしたり 正面から抗うのではなく 自分の気持ちの在りかを親の前でだけは見ないふりをし努力する友人に、本当にえらいなあなたは、と思った

"年末くらいしか帰らない"をやめてたまには帰るとか
友人にするように美味しいものを送るとか
日常会話が足りていないと重要な局面でも話なんて到底できないよなとも思う

いつでも帰っておいでと言ってもらえる家に生まれたかったが我が家はそうではなく、小さなトラウマが山になっているのをベリベリと剥がしていくような作業になると思うし、絶対につらいけど、そうしていくほかないのだろうと思う

結婚したいほどの好きな人が現れてから整えようとしたってずいぶん遅いと思うし その状態で祝福される結婚なんてきっとできないし 私はいつか結婚式で大好きな人たちに囲まれて笑っていたい そこに親もいてほしいのだ
めちゃくちゃに気が重いけどやるしかないのだなあと思う 去年と今年が算命学で言う天中殺(ツイてない時期)にあたるらしく、マルイの占いスペースでそう言われてすべて納得した この1年半の蹴りをつけるには、とりあえず、9月の父親の誕生日に贈り物の一つも考えておかないとかなあ
私は絶対に連鎖を私で断ち切りたい このままでは自分がいつか母親になった時に同じことをしてしまうのではないかと心底恐ろしい "自分でそう思えているうちは大丈夫でしょう"と言う人もいるけどそんな生温いものではない 絶対にない 私の母だって 自分の母親にされて嫌だったことをしないように私を育てて今こうなっている だから呪いなんだよ ちょっと頑張ろうとしたくらいじゃムリなんだよ 自分のも解けてないのに 自分の子供だけは幸せになんてできないんだよ これは思い込みではない

余談だが、マッチングアプリのプロフィール欄に"好きなタイプは家族を大切にしている人です"と書いている人間が本当に気持ち悪い。蔑ろにしたくてしているのでも、自己本意な気持ちから関係が悪くなっているのでもない、本人が最もそれに苦しんでいるかたちで、"家族関係がうまくいっていない"人がいるということを、彼らは少しも想像できない。だって彼らは生まれた時からうまくいっていて、家の中の人間関係に悩んだことがないに違いないのだ。そうでないとそんなこと言えるはずない。私はその場面に出くわす度に、身体ごとさーっと消えていってしまいそうな気持ちになる。誰もいないのかもと思ってしまう。話をできる人なんて。そうして夕食もとらずに薄着で眠って、アラームを掛け忘れても時間通りに目を覚まして、寝癖も直しきれないまま会社へ向かうのだ。

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