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愛と生活 https://www.instagram.com/himawari_to_…

最近の記事

自分で自分のこと抱きしめられない日に代わりに抱きしめてあげることしかできない

生きるってことは死ぬってことだ。自分もまわりの人間も例外なく、緩やかに死へと向かっている。日常生活に表出せずとも、人は常に誰かの生死とともに生きている。歳を重ねるほど、人が死んだ経験を重ねていく。どうしたって避けられない。いつか必ず行き当たる。それがいつかは分からない。去年の冬にチバユウスケが亡くなった時、大ファンの幼馴染が気に掛かり連絡すると、その日は会社を早退すると言っていた。彼女には一緒に泣ける家族がいたので安堵したが、同時に、分かったことがある。自分にとって大切な誰か

    • 愛は生活

      初めて会った日、3月の終わりにしては初夏のように暑い異常気象で、私はノースリーブに薄手のカーディガンを羽織っていた。着るものに迷う予定は久しぶりで、出掛けに服が山になっていた。学生時代しょっちゅう遊びに行った街には、年齢を重ねるごとに馴染めなくなった。駅前の開発が進み長い工事が終わってからはさらにツルツルの生まれたてのようになり、知らない場所然としている。もはや私達の街ではなくなったというだけだ。長く東京に暮らすということは、この感傷を繰り返し味わうということだ。好きだった飲

      • 意味は後から分かるもの

        三連休明けの怠い朝、いつも乗る電車が大幅に遅れていて、少しほっとする。このくらいでいい。私は弱っちいから、遅延や台風や雪で遅刻する度に叱られるような職場は向いていない。転職して4年3ヶ月、電車が遅延していてもドキドキせずに出社できるようになった。眠くて仕方ない日は、いつもより一本遅い電車(駅から会社まで小走りでないと間に合わない、少しでも遅延したらオワる時間に到着する電車)をなんでもない顔して選べるようになった。私の路線は遅延が多いから、私が遅刻してくる度に、隣の席の「軽率に

        • 防衛策

          仕事と家事と勉強の両立ができない。勉強が捗るほどに部屋は荒れ、洗い物が溜まる。自炊する余裕がなくなり、食生活は乱れ、食費も嵩んでいく。自分の家なのに落ち着けない。寝つきが悪い。汚い部屋で布団に入り、朝起きると部屋が散らかっている。全身で水を掻いているはずなのに、前に進んでいる感覚がない。顔を上げても上手く息が継げず、どんどん口に水が入ってきて、アップアップしている。精神衛生を保つには、ある程度ゆとりのある状態で生活をそれなりに回している必要があるのだけど、その日常を犠牲にしな

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        マガジン

        • 年を重ねる
          4本
        • 呪いを解きたい
          16本
        • 私の代わりに死んだ恋
          3本
        • 一番そばにいる他人
          10本
        • 作っているもの 見てほしいもの
          2本

        記事

          引き戻される

          泣かない人生なんてないんだわ、そんなもの目指しているつもりは毛頭ないけれど、大丈夫な日が続くとうっかり勘違いしてしまう。すべてをありのままに伝えても構わない相手なんていないし、私のほしい言葉は私自身が掛けてあげるしかない。他人のこと分かってあげられるなんて簡単に思っちゃいけない、烏滸がましいにも程がある。こんなにも当たり前のこと、私は馬鹿だからすぐに忘れる。何度も同じところで躓いてるのにちっとも学べない。馬鹿って死んでも治らないんだよ。どれほど分かり合える同士でも孤独な夜はや

          引き戻される

          解毒

          やめてくれ、これ以上言葉で殴らないでくれ!拳を携えているつもりなんて微塵もないだろう。叱られているわけでも暴言を吐かれているわけでもない、だけど、確かに私はその人の言葉に殴られている感覚があって、殴られた胸は、潰された空き缶みたいにぐしゃりとへっこんでいる。やっぱり心は脳にあるんじゃない。頭と心で感じていることって全然違って、そのどちらも自分だとわかっていて、けれどそのどちらにも染まれないから苦しいんだもの。彼の言っていることはいつもとても正しいけれど、誰かを否定する意図など

          あるがまま

          また少し身軽になった。遠距離になってから、毎晩寝る前に電話をかけ、朝まで繋いでおくのがいつの間にか習慣になっていたけど、互いにむりのないタイミングで話すように変えてから、明らかに睡眠の質が改善され、ひとりに戻れる時間も増えた。お守りがわりの指輪は、毎朝会社に着く直前に外してキーケースへしまい、退勤後の電車でまた取り出してはめ、仕事中以外はいつでも身につけていたのだけど、もっと柔軟にやることにした。「できるだけ身につけていなくちゃ」とどこかで思っていたのかもしれない。常に持ち歩

          あるがまま

          揺らぎのない毎日なんて

          会社の最寄駅、ホームの定位置に立って電車を待つ間に、ワイヤレスイヤホンを両耳に押し込む。そのまま音楽も再生せずじっとしている。乗り換えに都合がいい場所を選んで毎日そこに立つのだが、誰でも考えることは同じで、そのあたりの車両はいつもやたらと混雑する。今日は一本早いから混まないと踏んでいたんだけどな。出入口付近で明らかに人が溜まっていてぎゅう詰めになっているのに、少しも奥に詰めようとせずに悠々と座席の前に立ってスマホいじってるアイツらが大嫌いで、律儀に毎回睨んでしまう。こういう時

          揺らぎのない毎日なんて

          健康管理

          明らかに寝不足だ。仕事中に船を漕ぐことなんてなかったのに、ここのところ睡魔と戦っている日が増えた。どうしようもなく、「眠気に効く食べ物」で検索して、昼休みにコンビニでラムネを買った。限界を感じると、デスクから取り出して、大粒をゴリゴリと奥歯で噛み潰す。効果は感じない。冷たい水を飲む。目薬を指す。用もなく席を立ち、トイレで手を洗って席に戻る。全く集中できていないのが分かるけど、こういう時って為す術がない。睡眠時間を削ることで顕著にパフォーマンスが低下している。時間足りなくて当然

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          私の城

          上京して以来、衣食住の住の部分が脅かされるのは6年ぶり二度目のことだけど、生まれ持ったものの他に自分の意志で選び取ったものをこそ尊いと思ってきたから、人生で最も長く暮らした7畳1Kも、地元以上に勝手知ったるこの街も、そう簡単に明け渡せないと思っていた。6年前に私が負っていた「生活を守る責務」というのは、ひたすらに意地で、頑ななアイデンティティで、手放すもんかと、邪魔されてたまるかと、大切なものを胸に抱きながら誰かを睨んでいる心地だった。構築中だった初めての私だけの世界に、誰に

          私の城

          発露

          カメラ触ってたら、撮ったこと忘れてた写真が出てきて、こういうの見つけた瞬間のためにわざわざカメラを引っ張り出して写真に残しているのかもしれないなと思った。iPhoneのカメラロールなんて手軽に振り返れちゃってダメね。忘れてたものを思い出すっていうのがいいのに。私はそういうの好きだよな。思い出させてもらうこととか、気づかせてもらうことって、とても尊い。忘れてしまった大事なことを思い出させてくれる人を友達と呼んでいる。人はどうしたって忘れる。忘れられる。何だって覚えているくせに、

          接する世界は呼応する

          初めて会った日にはすでに、思考が行動的ですよね、と指摘されていたっけ。思いは行動で示す。私の指針であり、彼の指針でもある。経緯は結構違う。卒論(当時の私の魂そのもの)で研究の題材にしていた人の墓詣りがしたくてはるばるウィーンまで行った話をしたら、仰け反って笑ってた。案外豪快に笑うんだ。その顔が好きだなと思って見ていた。8日後に付き合った。 愛のこと考えるのに費やしてきた時間はひとよりずっと多いと思うけど、ひとりきりで学ぶには限度があるんだろう。それでも毎度学んでいる。ズタズ

          接する世界は呼応する

          咽頭炎はのど風邪のこと

          寝不足と、仕事の疲れもあってか、他者との境界が希薄になる。侵食されていく。情報が入ってきすぎて気持ち悪い。だめだ。今日はもう何も入らない。脳のスイッチ切りたい。退勤後、帰りの電車でお守りの指輪をはめるルーティンすらも今日はこなせない。孤独を守りたい。個でありたい。LINEの返信もできない。返信できないけど無事だから心配しないでねってことだけ、なんとか言いたい。あれ、でも、彼とは意外と話せる、なんだか大丈夫。なんでだ。終いにはスラダンの感想を電話口で声高に熱弁していて、さっきま

          咽頭炎はのど風邪のこと

          分かってあげたい

          この一ヶ月で、ひとりで過ごすことの意味合いが以前とはまるで変わってしまった。心の安全基地。自分以外の人間には到底望めないと思っていたもの。せめて自分は自分の一番の味方でいなくてはと、心の中に必死で築いてきたもの。他人には到底望めなかったはずのもの。いつでも安心できる居場所。条件付きでない愛。帰りたいと思う場所。一昨日空港で見送ってから、適当にすぐ入れそうなお店でハラミ丼とか頼んで、二人掛けテーブルを挟んだ向かい側、自分の対面の席に誰も座っていないことで、「不在」を強く感じた。

          分かってあげたい

          一人でいるのに一人でいないみたい

          久しぶりに一人になった。一人で過ごす時間が普段のの3分の1以下になっていて、いつか事切れてしまうんじゃないかと思っていたが、なぜか平気でいられている。通じる話し相手がそばにいたからかnoteはしばらく書けなかった。会ってる間ずっと喋ってるからすぐに口が渇く。彼の不在にはさみしさを感じていない。よかった。私は一人でも大丈夫みたいだ。彼のことは大好きだけど、一人で過ごすことも同じかそれ以上に大事に思える。そこにひたすらに安堵する。のめり込んでない。ちゃんと一人と一人でいられている

          一人でいるのに一人でいないみたい

          信じている

          難しい。言い尽くせない。私の力ではとても。どんな言葉を選んでも見合わない気がして、打っては消してを繰り返して今日に至るけど、4月、もう半分終わるんだなあ。 運命の人はいない。たった一人との出会いによって人生丸ごと書き換わるなんてあり得ない。昔はそういう衝撃を強く欲していたけど、誰かに縋ることで、大丈夫じゃない自分を救ってほしかっただけ。早く大丈夫になりたいのに、自力で立っていられないから、恋人に寄りかかって、全部を埋めようとしていただけ。自分自身から目を背けていただけ。今じ

          信じている