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健康管理

明らかに寝不足だ。仕事中に船を漕ぐことなんてなかったのに、ここのところ睡魔と戦っている日が増えた。どうしようもなく、「眠気に効く食べ物」で検索して、昼休みにコンビニでラムネを買った。限界を感じると、デスクから取り出して、大粒をゴリゴリと奥歯で噛み潰す。効果は感じない。冷たい水を飲む。目薬を指す。用もなく席を立ち、トイレで手を洗って席に戻る。全く集中できていないのが分かるけど、こういう時って為す術がない。睡眠時間を削ることで顕著にパフォーマンスが低下している。時間足りなくて当然だ。3ヶ月ちょっと前までは、自分のことだけ、目の前のことだけ考えていればよかった。付き合うってことは1人が2人になって、考えることも2人分になる。2人分を引き受けることになる。ひとりずつのことだけでなく、ふたりのことも。どれだけ好き同士だって、一人での暮らしぶりとかけ離れるほどに、疲弊するのだろう。

7月に入ったばかりなのに35度超えで、うっかり日傘を忘れた私は、日陰から日陰までを小走りで移動したりする。帰宅する頃になってようやく熱射が和らぎほっとする。18時過ぎの山手線の駅前、同じように帰路に着く人で溢れているのに、自分と周囲との間に薄い膜が張っているかのような静けさを感じる。スローモーションに見えた。元素Lを聴きたくなって、家に着くまでそれだけリピートした。ハルイチがこの詩を書いた時もこんな感覚だったのだろうか。君もまだ他人。なんとなく賑やかなこの街だけど、ぼくには関係ない音だらけ、君だけが無口。名曲だなあ。ものすごい愛だなあと思って長年聴き続けている音楽で、具体的に思い浮かぶ人がいるのって、なんか変な感じ。今まで他人が入り込む余地なかったのに。

元素Lを聴きながら、寝不足のせいか、未消化の考え事がいくつも並行していて、気持ちに余裕がなくなっていることに気がつく。そういえば最近一人でぼーっとする時間って全然なかった。仕事して、家事して、ご飯食べて、お風呂入って、勉強して、電話して、寝る毎日。私は一つひとつの物事を噛み砕くのに時間もカロリーもまあまあ費やさないといけないから、まとまった時間がとれないと思考の整理ができない。どんどん詰まれていって、身動き取れなくなる。好きな人はそれを分かってくれるから、安心する。一緒にいても、自分の時間作れる。何か書こうとするとこの人のことばかりになってしまって、ちょっとなあ。誰といてもいなくても私は私という個であって、だからこそ成り立つ二人だということ、忘れたくない。

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