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あったかいプリントを作りたい

私の教員人生の中で目標としていたことがある。
それが、
「生徒がずっととっておきたいプリントを作り、それで授業をすること」
である。

「プリント」にこだわる理由は、
自分がまだまだアナログ人間であるということと、
自分の作ったものがたくさんの人の手元に渡るということに対する自己満足的なところ(?)があると思う。

でも、実際にどんなプリントが「とっておいてもらえるプリント」なのか
自分の中でずっと考え続けていたが、
最近自分の思う正解が見えてきたように思う。
だからこの記事を書き始めてみた。

私は英語教員だ。
英語の授業は大抵、教科書の通り。
教科書をどう優しく解説してもらって問題を解けるようになるか、が今まで私の知っている英語教育だった。

でも私は今の英語教育こそ、そうであってはいけないと思う。
教科書は重要だ。
問題集も重要だ。
大事だから。必要なこととか、例外とか、例文とか書いてあるから。
でも生徒が躓いた時、教科書や問題集に書いてある説明だとなんとなく説明が多すぎるような、要点がどこだろうという気持ちになったりする。

そもそも英語表現を勉強する理由って、
「英語を話せるようになる、使えるようになる」という大きなゴールのためだ。
そのための文法・反復学習であるはずが、知らないうちに自分たちが「点数を取るため」の学習になってしまっているのだ。
点数を取るための学習を続けていると、成績がいいから、と家族に褒められるだろう。先生に褒めてもらえるだろう。
でも、本当にゴールとしている「話す・使う」のゴールにはまだ到底辿り着けていないということがわかる。

究極の「話す・使う」のゴールに辿り着くためには、
必ず実際の会話の状況を意識しながら文法を学ぶ必要がある。
それは例文を暗記するだけでは覚えられない
自分がその状況にいることをしっかりと想定した状態で文法を学ぶ必要があるのだ。


そろそろ脱線しそうなので、本題に戻る

最近、文法の解説を私なりに噛み砕き、A4一枚のプリントにまとめた紙が私の教えているクラスで好評だったため、嬉しくてその旨を同僚の先生に伝えた。
そうしたら、同僚の先生が私のプリントを「あったかいプリント」と言ってくれたのだ。

そこで私は、「そうか、私は書くこと自体が元々すごい好きなんだけれども、自分の作りたいプリントって手書きであったかいプリントだったのかも」
と気づくことができた。

内容としては、
私は実際の英語を使う場面が訪れたとき、これから使うかもしれない時にもう一度見返したいそんなプリントを作りたいな、と思うようになった。
演習が大切であることは間違いないが、
それよりもまず、どんな状況に自分が置かれたらその文法を自分が使うことになるのか、という「想定」の部分を大きく取り上げた、そんなプリントを作りたい。


内容と愛のこもったあったかいプリントをこれからも作っていくために私はたくさんこれからも英語の勉強を続けていきたいし、リアルな英語を生徒に教えていきたい。
生徒が卒業するときに「先生、私、自信を持って外で英語を使えるようになりました」「先生のプリント、まだ持ってます」と言ってもらえるような、そんな人、教育を目指していきたい。

文法学習が中心だと酷評される近年の英語の授業。
7年間学んでも話せるようにならないと酷評される英語教育。
学校の英語教育の過程は完全なる悪ではない。
だが、もっと実際の状況を作り出し、シンプルに「使う」ことを主眼とした英語教育に移行していくべきなのではないか、と私はつくづく思う。
文法事項を詰め込み、英語を嫌いになるなんてもったいねぇ、と。
英語なんて本当はわりと適当で(笑)、面白くて、現時点では世界の人々と繋がるための大切なツールなんだから、もっとリアルを想像していこうぜ。
というのが私の考え。

これからも「あったかいプリント」を目指して日々精進してまいります。
目指すので、プリント作成のゴールだけじゃないけどね。
とりあえず。


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