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緊張の10分は、人生で一体何度経験するのだろう。
緊張の10分は、人生で何度経験するのだろうか。
例えば、面接の10分前。他事をしていて遅刻してもいけないし、ただただ胸がバクバクするのを抑えるあの時間は、なんとも耐え難い時間だと言える。
例えば、誰かに告白する10分前。タイミングを見計らって告白するのではなく、待ち合わせて告白する時の、相手が到着するまで待つ時間も緊張の10分と言えるだろう。
そんな、人生の節目・ターニングポイントだけでなく、もちろん日常生活でも緊張の10分は転がっているわけで。
例えば、イベントのチケット販売10分前。先着順だとなおさら緊張するだろう。
緊張の10分は耐え難いし何度もあって欲しくはないものだけれど、それを経験できるのは何回あるのだろう、とふと考えてしまうのだ。
前置きが長くなったけれど、先日別のライターの求人に応募した。
まぁ、例のごとく案件が途絶えてしまうのだ。
このままでは再来月より向こうの生活がままならなくなってしまうので、さまざまな求人を見て応募している。
わたしの実力がないのか不備があるのかはっきりしないところだが、正直案件がないならないでそう言って欲しいし、わたしに不備があるなら面と向かって伝えて欲しい。
フェードアウトが一番傷つくのだ。来るか来ないのかわからない案件のために予定をフリーにしなくてはいけないし。
それがフリーランスの働き方で、その道を選んだのはあなたでしょ、と言われればそれまでなのだけれど。
今回応募したところはかなり選考プロセスがしっかりしていて、業務委託やアルバイトなのにしっかりと選考するところなんだな、という印象を受けた。
履歴書に職務経歴書。久方ぶりだな、と記入しながらふと考える。
フリーランス、とりわけライターの求人では、フォームでの回答やテストライティングで選考をおこなうケースが多かった。
単純に文章力を見てもらえる、文章力で勝負できるという面では心の持ちようがかなり変わってきていた。
それがとてもありがたかった半面、吐いて捨てるだけいるライターの選考に時間をかけていられない、という側面もあったのかもしれない、と今になっては思う。
母に「最近仕事が少ない、フェードアウトも多い」という話をしたところ、「なにそれ」と険しい顔をしながらも「ライターが飽和状態で、いらなくなったら捨てるだけ、ってこと?」とかなり怒りを堪えながら答えてくれた。
母が怒ってくれたことが少しうれしかった半面、ライターではない第三者目線で見てもひどい状況ということが感じ取れた。
業務委託は日雇いバイトと一緒だからね。捨て駒にしかすぎないのかも。
思わず出てしまった言葉に、母の顔が悲しげにゆがんだのを覚えている。
閑話休題。
そんなこんなで応募書類を完成させる。
履歴書や職務経歴書を書いていると、過去の自分と向き合わなければいけないこと・今の自分に向き合わなければいけないことに、どっと疲れるのを感じた。
当然、面接もそうで。
自分と向き合わなければいけないこと、向き合った先で自分のふがいなさに打ちのめされそうになること、そして「正解」を答えなければいけないこと。
選考というプロセスは、わたしにとってかなりのストレスとなっているのだ。(実際に、公務員試験で浪人している時からパニック障害らしきものにもなった)
それでも、新たな道を切り開いていくためには仕方のないこと。この苦労を乗り越えた先に、自分が思い描く未来が待っていると考えると、じっとこらえるしかないのだ。
そして、応募書類の他に、適正テストも実施する必要があった。
適正テストなんて片手で数えられるぐらいしか経験がないので緊張したが、なんとかすべて埋めて提出した。
数日後。
ぜひ二次選考に移りたい、という旨の連絡がきた。
正直、適正テストが大丈夫かどうか、応募書類もきちんと書けていたかどうかが不安で仕方なかったが、一次選考は何とか通過できたようだ。
連絡が来た日から数日後に面接の予定となり、それまではずっとそわそわ落ち着かない日々が続いた。
これだけしっかりとした選考プロセスを踏む会社であれば、面接もかなりしっかりとしているのではないか。
ふと公務員試験や他のゲーム会社の面接時の息苦しさを思い出し、胸がすっと冷える心地がしたが、こちらは一応個人事業主、いわば経営者でもある。
ここまで読んで自信のなさに失笑しているかと思うが、こうやって無理やりにでも自分を奮い立たせないといけないぐらい、本当に自信がないのだ。
クライアントとの対話だ、大丈夫。
そう言い聞かせながら、面接に臨んだ。
面接はわたしの不安とは裏腹に、終始和やかに進んだ。
準備不足が祟って言葉に詰まってしまったり、うまく説明できなかったりと自分のことを伝えることに関しては△だったが、質問されたことに対してはきちんと答えられたのではないかと思う。
やはり同じ趣味を持つ担当者さんだったので話しやすかったのもあり、実に濃い時間が過ごせた。
こんなにここで働きたい、これから先のことを想像するとわくわくする感覚が芽生える面接は久しぶりだった。
結果は後日、ということで、そわそわタイムはまだまだ続く。
とりあえずやりきったぞ、という気持ちで、その日は眠りについた。
そしてまた数日後。
いつ連絡が来るのか、とドキドキしながら週末を迎え、週明けも落ち着かない時間が続いた。
気を紛らわせるために動画の撮影やゲームをしながら時間を過ごしていると、メールの着信音が部屋に響いた。
ドキン、と胸が締め付けられる。
バクバクうるさい心臓を抑えつつ、メールの通知を確認すると、選考結果を知らせるタイトルと、メールの序文が見えた。
結果は開いてみないことにはわからないので、震える指でタップして開く。
おねがいします、おねがいします。
思わずそう唱えてしまうぐらい、緊張していた。
結果は、「一緒にお仕事したい」というお返事だった。
ようやくだ。ようやくちゃんとしたところで働ける。
もちろん、拘束時間は増えてしまうけれど、夢にまでみたゲーム業界だ。
しかも、報酬が月あたり保証されている。
来るかこないかわからない原稿を待つ、という時間はなくなり、決められた時間で決められた量の原稿を書くことで、安定した収入を得られるようになるのだ。
何を当たり前のことを、笑われるかもしれないが、わたしのここ数年の低迷していた就労環境に比べたら雲泥の差だ。
嬉しいことに、持病にも理解を示してくださり、万が一の場合でもバックアップ体制は整っているようだ。
実際に働いている方の中にもそういった事情をお持ちの方がいるらしく、前例があると会社としても動きやすいのだろう。
そういった面でも、安心してお仕事できる。
時間も拘束されるというものの、体調によって調整できそうな雰囲気でもあるので、長く続けていけそうだな、という所感だ。
なにより、今後のキャリアのことを考えての最近の動きだったので、将来的なポジションについても見据えてお話してくださったのは、非常に希望が持てた。
とはいうものの、まだこれから研修であり、今後どのぐらいわたしが頑張れるかによっても変わってくるので、両手離しでは喜べないのだけれど。
これまで何度も「今度こそは!」という局面で最終的にコケてきているので、正直疑い深くなってしまうというか、心の底から安心できないのが寂しく感じる。(わたしには仕事運がないのかもしれない)
でも、今だけは、しばらくは浮かれてもいいよね。
とりあえず、ご報告まで。
夢が1つ叶った、というお話でした。
3年後、5年後の自分がどうなっているのか、正直わからない。
でも、わたしが天職だと感じている、ライターを続けられていたらいいなと思う。
もちろん、これから始まる新たなフィールドで。
何度も諦めかけた、ゲーム業界のライターとして。
▽もがき苦しんだこれまでの人生(仕事編)
✏広告代理店の時の話(正社員)
🌳工事事務だった時の話(正社員)
💻フリーランスになってからの話
🎬B型事業所に通所した時の話
💻ライターとして復帰してからの話
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