自家製ポン酢と絞りかす。
久しぶりにポン酢を作った。
柑橘の果汁に醤油やみりん、鰹節と昆布を合わせて漬け込めばできる手作りしやすい調味料のひとつだ。
市販の味ぽんでも充分に美味いし、我が家ほど味ぽんを使う家はそうそう無いと思うくらい愛用しているのだが(我が家では醤油並みにポン酢を使う)
クエを捌いて食べる機会があったので、せっかくなら良い物を作ろうと思い立ったのだ。
今回は自家製ポン酢についてと、その絞りかすについてのお話。
・ポン酢の作り方、基本と応用
そんなに難しい事じゃない。
醤油と柑橘果汁を1:1、その1/4~1/3くらいの煮切りみりん、たっぷりの鰹節と昆布。
これらを清潔な容器にいれて2週間漬け込んだら完成。
どう?シンプルでしょ??
ただ、その醤油を濃口醤油だけにするのか、薄口醤油を混ぜるのか、はたまた溜まり醤油を混ぜるのかとか
どの柑橘を使うか、果汁を使うのか、生を絞るのか、柚子、橙、かぼす、スダチ、シークワーサー、、、一種でいくのか、ブレンドするのかとか
鰹節は血合い入りか、血合い抜きを使うかとか、煎ってから使うとか、荒節、枯れ節、さば節、そうだ節、あご節、、、
昆布は根昆布がいいだ、日高だ、利尻だ、焼き昆布がいいだ~
選択肢はかなりある。
一概にどれがいいとは言えないし、一番高級な物でやったから美味いって訳でもない。
それが料理の良いところ。
今回は、近所の農協に地元産のシークワーサーが大量にあったのでシークワーサーがメイン。
あとは柚子とスダチ、絞ってみたら少し足りなかったのでたまたま家にあった桜島小みかんと青レモンも少し。
柑橘の種類は様々あるので一概には言えないが、青い物は爽やかで尖っていて、黄色いのはまろやかで甘い傾向があり
小粒の物のほうが強烈な事が多い。多分。
酸っぱいのが好きな方はスダチや橙をメインにして、まろやか派は柚子やカボス、シークワーサーをメインにするのがオススメ。
みかんを混ぜるとかなりまろやかになりますが、甘すぎると保存が効かなくなるので注意。
今回は
柑橘果汁:540cc
濃口醤油:300cc
薄口醤油:150cc
溜まり醤油:90cc
煮切りみりん:150cc
焼いた日高昆布:10g
血合い入り鰹節:60g
で作った。
柑橘は半分がシークワーサー、柚子とスダチが1/5ずつ、あとは少しのみかんとレモンってとこかな。
ミツカン味ぽんに比べると酸味が強めで尖っているが、時間と共に落ち着いてくるかな。
万人受けさせるならもう少しみりんを増やすかな~
・ポン酢とクエと頭料理と
ちょっと漬け込み時間が足りないけど、ジンが入ってた可愛い瓶に詰めてクエ会へ持っていき、その場でも使う兼プレゼント。
もっと早く漬け込めたらよかったんだけど、そうもいかず…
でも結果としてそのクエが強烈に美味かったので、若くて尖ってるポン酢でよかったのかも。
クエの刺身との相性よかった。
尖った酸味の力で旨味や脂が際立つ。
内臓やエラを使った頭料理にも合う。
特に胃袋や腹んぼ、皮身なんかの味の強い部分との相性が抜群。
胃袋とポン酢だけで日本酒が進む進む。
頭の皮や唇なんかを煮凝りにしたんだけど、今回はあえてのポン酢味。
酒で炊いて千切り生姜とポン酢をいれて冷やし固める。
これはそのままで食べるのも美味いけど、手巻き寿司をするときに一緒に挟むと最高の調味料になるんです。
シャリの熱で柔らかくなるのが美味い。
ま、詳しくはこないだのnoteを読んでってくだせえ。
・ポン酢の絞りカスについて。
しっかり2週間経過したのでザルで漉して瓶に詰める。
ビニール手袋をして、昆布と鰹節を絞り最後の一滴まで搾りきる。
紙や布で漉してもいいけど、せっかくの自家製だしちょっと鰹節が入ってるくらいが良い。
てなわけで、やっと本題の絞りカスについて。
写真のは一部で、実際はこれの数倍あるし、昆布もある。
さて、どうすっかな~
と思ったけど、ポン酢と鰹節を一緒に使うなんて日常茶飯事、このままで100点満点じゃん。
だっておひたしにしても、湯豆腐にしても鰹節とポン酢って一緒でいいじゃん。これ以上なにを望もうか。
まずはポン酢の絞りカスをメインにしたメニュー
漉したその日、もうウキウキで料理をしました。
メインはサバの灰干しと風呂吹き大根。
風呂吹きは味噌派だけど、この日はネギとポン酢カスで。
サバには大根おろしとポン酢カス。
もやしとネギのおひたしにもポン酢カス。
刻みめかぶにも合う。
けど、流石にポン酢味ばっかじゃ飽きるので椎茸とワケギのぬたも用意。
こういう地味な料理が好きで堪らない。
そんでもってごはんに刻みめかぶ、大根おろし、ワケギ、ポン酢カスを乗っけたのが美味すぎて…
あぁ幸せな味。
サッパリしてるから食べ過ぎちゃう、幸せだけど困る~~
カスって言い方はちょっと嫌かもしれないけど、酒粕やみりん粕なんかと同じ感覚。
カスの大逆襲。
・ポン酢カスの使い方アレコレ
その後、昆布をどうするか迷ったが、結局刻んで鰹節に混ぜ込んだ。
多分これは正解のひとつ、うんまい。
他に使う場合はなにが良いんだろう?酸っぱい昆布って使うの難しいなぁ。
鶏のお酢煮みたいなのに使うのがいいのかな。どうでしょ。
漉してから2週間、絞りカスは残り半分ほど。
着々と使って、少しずつ美味しいと幸せを増やしている。
・豚と白菜の重ね煮
我が家の冬の定番、重ね煮。
挟んで、塩、コショウ、粉末出汁、ゴマ油を振って蒸すだけのシンプル料理。
これに合うのよ…!!!
ネギと大根おろしと一緒にポン酢カス。
大根おろしと一緒に使うと、不足しがちな水分が補われて丁度良い。
おろしで味が薄くなる心配も無くなるしね。
今回は薄めの日高昆布を使ったので刻みで美味い。
分厚すぎる昆布だと固いかも、まぁ細かく刻めば大丈夫かな。
・湯豆腐
ま、これも定番ですよね。
夏は冷奴、冬は湯豆腐。
我が家は豆腐をよく食べる。
早煮昆布を結んでいれて、出汁兼具材にすると食べやすいし良い出汁がでるしで良い事尽くし。
そりゃ豆腐とポン酢と鰹節と昆布は合いますよね。美味い。
そして、それなら冷奴も合う訳さ。
さっきも書いたけど、大根おろしとの相性が絶妙。
絞りカスの難点は水分が少なくてモソモソする事、大根おろしの難点は水分が多くて味がぼやける事、いいコンビ。
ちなみに普段は大根おろしの水分を味噌汁や煮物に使ってます。
栄養も美味しさもプラスされて一石二鳥。
それはそうと、俺はひとり昼飯ではこんなのばっかり食べてる。
納豆ごはんと味噌汁が好き。そこに冷や奴と酢の物ってのもいいわ~
・和風サラダ
まぁ我が家は生野菜をよく食べる。
というか野菜をよく食べる。
ただ、和食の日にサラダを出すのはそう多くない。
そんで出すときは大抵はポン酢を使ったドレッシングだ。
ポン酢2にゴマ油1のシンプルなたれに、鰹節やゴマ、海苔、などをかける。
レタスやキュウリの生野菜に、豆腐、大根、カイワレ、ワカメ、水菜、玉葱、、などなどの和の感じを合わせる事が多い。
その我が家の定番味で、ポン酢カスとゴマ油、すりごまでサラダ。
間違えなく美味い。いつも以上に良い。
気軽に魚と海藻をとれるのも良いんじゃん。
・終わりに
久しぶりにシンプルなnoteを書いた気がする。
美味しいから食べる。ってことを大事にしていきたいな。
もったいないからって我慢して食べるのは長続きしにくいさ。
最近は色々あるけど、とりあえず平和に生きていて日々美味しい幸せを噛みしめている。
相も変わらず、クリスマスを共に過ごす相手なんていないが、それでも幸せだと思える。美味しいはハッピー。
寒くなると村上春樹の小説が読みたくなるよく分からない習性通り、ビーチボーイズやビートルズをを聴きながら1973年のピンボールを読んでいる。
習慣やなんとなくの行事ってのは楽しさもあるだろうけど、自己防衛というか精神衛生にいいのかもしれないですね。
上手く美味く習慣と付き合おう。
自分のメンタルの守り方は自分が一番詳しいはず。きっと。
これを読んでて思った人もいると思うけど、絞った後の皮や種がもったいないですよね。
俺もそう思います。
ただ、アレを加工して食べたり、蒸留したり、肥料にしたりは少しハードルが高いんです。
俺にはそんな余裕が無くて…すみません。
いつかはそういうのもやりたいなぁ、と言っておきます。
ちなみに、柑橘の皮は色んな使い方できるし、残りカスでも色々できます。
皮でピールにしたり、マーマレードにしたりね。
個人的なオススメはぬか床にいれること。
ほんのり柚子の香りがするぬか床、最高ですよ。
大根とか蕪とか冬にぴったり。
以上。おしまい。
普段捨ててる物でも色んな使い方があるよって話でした。
捨てる前に考えるクセをつけよう。面白いしお得かも。
改めて名曲だなぁとしみじみ。
いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。