マガジンのカバー画像

穀潰し日記

31
運営しているクリエイター

記事一覧

穀潰し日記30

5月15日(金)

この日で大学のオンライン授業が一回りして一安心した。日本語学の演習でキャラが濃そうな人がいた。自分は教員に質問されたときにあがってしまい、みんなにどう思われたかが心配になった。

5月16日(土)

大学の講義で参考文献として示された芥川龍之介『点鬼簿』を読む。母、姉、父の死が描かれつつもどこか淡々としていて、父が死にそうでも飲みに行って芸者の姿が心に残るという描写がある。個の

もっとみる

穀潰し日記29

5月14日(木)

39県で緊急事態宣言が解除された。記念すべき日なのかどうか分からないけれど記す。

教職の授業でリモートグループワークをする。意外にうまくいきそうだ。

動画が倍速で見ると出席にならないかもしれない。色々と授業の問題が現れて大変だ。自分は出席点に甘えているところがあるのでそういう話はとても不安になる。弱い。悲しい。なんとかなるとも思ったりもする。気分が安定しない。

穀潰し日記28

5月12日(火)

オンライン授業2日目。1日目よりもコマ数が少なかったので、心に余裕ができた。姜尚中みたいな優しい声の教授の声に癒された。「異化」について考えるというテーマが出てきた。感想を超えて評論しようとする行為は「異化」なのだろうか。

5月13日(水)

オンデマンド授業という通知がなされたが動画が上がらない講義があって不安になる。最初見たら動画がなくて、後で確かめたら上がっていた講義も

もっとみる

穀潰し日記27

5月10日(日)

友達と昼食へ。コロナの自粛ムードで不安だったけれど、その人はコロナ気にし過ぎるのは良くないという考えを持っていたので、断るのもバカにされるし面倒なので行くことにした。また、自分の中に行きたい気持ちが無かったかと言われれば嘘になる。

その人は検察庁の法案について憤っていた。国会答弁がおかしく、法解釈がよろしくない、と。感情的な面ではなく、法律の手続きの問題で怒っていた。だから他

もっとみる

穀潰し日記26

昔好きだった同年代の親戚に会った。その人の何かに惹かれていて、それは自分の出会いが少なかったからゆえの代替という下衆な理由だったのか、その人の性格や行動への憧れだったのか。同じ血が流れているという事実はもしかしたら自分の別の可能性があったと思わせる。

服屋に行く。その人の服選びに付き合う。自分が着られない服を、その人は着ることができる。私が着られない服は、着られないからこその憧れで、もし着ること

もっとみる

穀潰し日記25

5月8日(金)

ゼロ年代に頭を侵食されていた。特にゼロ年代批評。とにかくゼロ年代の批評界隈を知りたいという気持ちで調べていた。真剣に虚構を語るということができた時代だった。現実から目を背けているのか、現実と紐付けているのか。その辺が難しい。それぞれの批評家の好みが、アニメのイメージにとても大きな影響を与えてしまっている感じで。辛口批評みたいなのをよく出来たものだなあと。アニメに関してはもう辛口批

もっとみる

穀潰し日記24

5月6日(水)

志賀直哉『小僧の神様』、『城の崎にて』、『范の犯罪』を読む。『小僧の神様』での、小僧に寿司を奢ってやる貴族院議員の、良いことをしたはずなのに恥ずかしいような気持ち、これを考えるとある種の思い上がりへの自己反省が原因なのか。『城の崎』にてでの、自分は生き残ったけれどそれが別に嬉しいわけではないという気持ち、なんだか分かるなあと思った。生を肯定し切れない。『范の犯罪』、刀を投げる芸当

もっとみる

穀潰し日記23

5月5日(火)

こどもの日。コロナでそんな場合じゃないか...。もうそろそろ20歳なので「子供」が終わるのだなと思ってしまう。

緊急事態宣言が延長されたけれど、県によっては休業要請を終わりにしていくところもある。宮城、岩手、高知。学校も県によっては5月11日頃から少しずつ再開したりで。戻る日常か、忍び寄る第二波か。どうにも予想が難しい。

イワン・ブレマーによると、新型コロナウイルスの流行で電

もっとみる

穀潰し日記22

5月4日(月)

『車輪の下』を読む。成績優秀だから神学校へ入学したハンス。父親や地元の人の期待を背負う。でも神学校で勉強への熱意がなくなって、学校から煙たがられる天才肌の友達と付き合っているうちに自分も教師たちに嫌われ、精神を病んで学校を辞める。地元に戻るも冷遇され、工場見習いになるも水死してしまう。神学校だというのに教師も生徒も別に人格者ではなくて、教師は従順な人間を育てるためにいて、反抗的な

もっとみる

穀潰し日記21

家の周りの草むしりをする。根が固くてなかなか根まで抜けない。上だけ千切るとそのうちまた生えてきてしまうので心苦しい。タンポポをむしろうとした。もう綿毛になっていて、千切って綿毛が飛んでいくところを見ていたら急に罪悪感を覚えた。そう、植物の命を奪っている。タンポポは「雑草」というのには微妙なところというのが個人的な印象。だから悪い気がしてしまった。植物を無意識に差別していて、でも「雑草」は抜かなけれ

もっとみる

穀潰し日記20

5月2日(土)

ゴールデンウィークが始まったが自粛は続く。実効再生産数が1を下回っているので抑えられているという話。もう新規感染者数で一喜一憂する段階ではないのかもしれない。自分に分かるのは、気を緩めると再燃してしまうということだけだ。小6、中3、高3を優先的に授業再開するという話が出ている。9月入学の話も相変わらず盛り上がっている。いずれにしても9月に終息するとは限らないので、オンライン授業を

もっとみる

穀潰し日記19

親に頼まれてパンを買いに行く。これが久しぶりのまとまった外出。あとは本を読んだりテレビを見たり。

風俗発言について。岡村隆史は謝罪しただけでなく、相方の矢部に公開説教された。これが矢部を褒める声と女性差別的だという声に評価が分かれた。しかし個人的な説教なので「結婚しろ」とか言うのをフェミニズムの文脈で批判するのは的外れかもしれない。「個人的なことは政治的なこと」というスローガンがあるが、どこまで

もっとみる

穀潰し日記18

4月30日(木)

10万円給付の補正予算が成立。緊急時には大きな予算も通りやすいと分かった。

岡村隆史の「コロナの影響で風俗に可愛い子がいっぱい来るようになるだろうから楽しみ」という旨の発言、猛バッシングされている。深夜ラジオだからと気が緩んでしまったのか。さすがに酷い発言。芸風が悪い方向に働くというか。「ちょっと気持ち悪いおじさん」キャラのリスク。無意識にやってしまう差別。

蓮舫議員が高卒

もっとみる

穀潰し日記17

4月29日(水)

『椿姫』を読む。悲恋の話。高級娼婦に恋した男が、純粋な愛を育んでいくが、娼婦との恋という障壁は世間に受け入れられず、生活費の問題も生じ、父親の差し金で恋が挫折する。世間体を無視して恋に生きようとする二人はすごいと思ったが、さすがにそれは甘いと思った。そして現実が提示され、二人は引き裂かれる。こうなるのは仕方がない。アルマンは父親に、マルグリットは老公爵及びアルマンの父親に承認さ

もっとみる