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プレイングマネジャーなんて、やめちまえ/しくじりマネジメント

こんにちは。
今日は、僕のマネジャーになりたての頃の失敗と学びについて書きたいと思います。
 
「プレイングマネジャーにならないように気を付けないといけない」
これ、どの本にも書いていますし、マネジメント研修でも大体言われますよね。

ですが、なかなか難しい…

僕なりにこのテーマについて、考えていることをお伝えできればと思います。特にマネジャーになりたての方、マネジャーを目指すリーダーの方の参考になれば幸いです。


メンバーとマネジャーの最大の違い

マネジャーになると、何が変わるのでしょうか?
最も大きな違いは「自分が仕事をするのか ⇔  相手に仕事をさせるのか」です。(させるというのは言い方が良くないですが)

ここには大きな川があります。
そこに気づかず、プレイヤーの延長線で考えてしまったり、ましてや自分が偉くなったと勘違いしてしまうと、いつまでたってもマネジメントはうまくいきません。

僕自身もこの変化に気づかず、自分がやった方が早いとメンバーの仕事を奪い、自分が仕事をしてしまっていました。
これではメンバーも成長しないし、自分のキャパ=組織の限界になってしまい、組織の力量は高まりません。

でも…
面白そうな仕事は、自分でやりたいですよね!?

プレイングをやめたほうが良いと頭でわかっていても、
楽しそうなことをやりたい。マネジャーだって人間…。

でも、今の僕には「自分でやりたい」という気持ちはほとんどありません。
それは、違う楽しみを見つけたからです。

仕事をメンバーに任せたら、自分の想像以上のアウトプットが出てくる経験をしたことがあるからです。
そして何よりも、そのことでメンバーが嬉しそうにしている顔を見たことがあるからです。

自分がやっても嬉しいのは自分だけ。
でもメンバーに任せて成功したときには、メンバーも嬉しい・それを見た自分も嬉しい・アウトプットのクオリティもあがる、という3つの嬉しさがあったのです。
最高の楽しみを味わうためには面白そうな仕事もメンバーに任せてみることです。

口で言うのは簡単ですし、どのマネジメント本にも大体書いていることなのですが、仕事を任せるというのは本当に難しい。。。
できるようになるまでの葛藤と、任せる時のポイントを書いてみたので、
少しでも参考になれば嬉しいです。


メンバーに仕事を任せきる勇気

あるメンバーに、重要な会議の資料作成を任せていました。
ですが、1週間前に「資料がまだできていません…」 という報告。

指示出し→作成→チェック→修正…と繰り返していたら、時間が足りなさそう。また僕自身も明確に指示出しができるほど、頭が整理されていなかったこともあり、「あとは俺やっとくね」と巻き取ってしまいました。

結果、資料は間に合ったのですが、そのメンバーには達成感は全くありません。それどころかメンバーは「自分は上司に信頼されていない」と自己肯定感を下げてしまい、せっかく頑張っていた仕事も苦い記憶となってしまいました。

誰も嬉しくない結果です。
どうすれば良かったのでしょうか。

答えはシンプルです。手を出さなければよかったのです。
任せた仕事は、任せきる。

「でも失敗するわけにはいかない…」
そんな考え方が頭に浮かぶ方は、
- その失敗が本当に致命的かどうか考える(致命的じゃないなら、失敗してもいいとする)
- 関係者に状況を伝えて期待値調整をし、完璧じゃない仕事でも失敗にならないようにする
- こまめに相談に乗る時間を設ける
- それ以外の仕事に優先度をつけるなど、任せた重要な仕事に集中できる環境を整える
- 最悪、自分がどうにかできるように裏で準備もしておく

など、メンバーが任せた仕事をやりきるためにできることを考えてみてください。
メンバーの仕事を自分がやることに時間を使うのではなく、
メンバーができるような環境を整えるために時間を使ってください。

やりきった経験をしたメンバーが得るもの、そのメンバーが将来出す成果は、上司が仕事を巻き取って出した短期的なアウトプットよりもはるかに大きな価値があります。

僕が若手の頃、大した能力がない自分にも、大事な顧客を担当させてくれたり、大事な仕事を任せてくれた上司がいました。
たぶん、相当に勇気がいることだったと思います。

その期待に応えられたのか分かりませんが、でもその経験のおかげで今の僕がいます。
施されたものは施し返す。
下の世代に紡ぐことが大事なんだと、僕は思います。


”任せる”という名の放任

任せっきりで状況を確認しなかったり、興味を失うと、それは”放任”です。
見守る距離感が大事ですね。

僕がメンバーからよく聞く”放任マネジャー”に対する不満は、
 ・ 報告しても「了解」しか言ってくれない。Moreのアドバイスがない。
 ・ 目標達成進捗とKPI進捗の確認しかしてこない。
 ・ 相談しても「どう思う?」と質問返ししかされない

メンバーは、上司の言動の節々から「私の仕事に興味がないんだな」と感じてしまいます。
メンバーの相談に受け身な対応になっていないか、主体的な対応になっているか、自己チェックしましょう!

何が受け身になるのか、主体的になるのか、わからない方は報告してもらうタイミングをメンバーと決めて、こちらから「進捗どう?」「困ってない?」と投げかけることを意識すると良いと思います。
メンバーから報告があるだろうと放置するのではなく、自分から声をかけにいくのが主体的な行動です。

ただ、メンバーによっても心地よい距離感は異なります。
センスがある人は別として、これを見つけるのは本当に難しいです。

だからこそ、メンバーから報告してもらうスケジューリングだけにはこだわり、あとはいろいろ試しながら、メンバーの気持ちを観察して、ちょうどよい見守る距離感を探しましょう。


自分と同じを求めない

自分の仕事のレベルを求めるのはNGです。マネジャーになった方は、基本的には仕事ができるはずです。
年功序列な会社だとしても、経験が積みあがっているから、その役割を任されているのです。

もちろん、お客様や協働者に迷惑をかけたり、提供する価値レベルを落としてはいけませんが、経験を積んでいる自分と同じレベルのアウトプットを出せるはずがありません。

にもかかわらず、「ここがダメだ」「ここがまだ甘い」等と指摘ばかりをしていると、メンバーも仕事をする気が失せてしまいます。

そのメンバーの力量の消費税分くらい背伸びしたレベルを求めるのが個人的には良いと思います。
そのためにも、メンバーの力量を正しく見極める必要がありますね。この見極め方はまた記事を書きたいと思います。
求めるレベルが高すぎても、低すぎても、メンバーが成長しにくくなるため、マネジメントの腕の見せ所です。


人は絶対に思い通りに動かない。それは当たり前

メンバーにこう動いてほしい、この部署には話を通しておいてもらいたい、この人を巻き込んでおいてもらいたい…
そんな思惑があったりしますが、まずそれをやってくれることはないと思ったほうが良いです。

人は自分の思っている通りに動きません。

メンバーそれぞれに、それぞれの考え方があります。大事にしている価値観があります。生かしたい強みもあります。こだわりもあります。
経験してきたことも違います。成功体験も違うでしょう。

そんな中、あなたのセオリーに基づいたやり方を、メンバーが察して動いてくれるでしょうか?
仮にそれを押し付けたところで、「そのやり方はあなただからうまくいったんですよね」「そのやり方をしろと言うなら、先に言ってくださいよ」と思われ、メンバーからの信頼を失うことになるだけです。

人は思っている通りには動かない。
これを念頭に置き、自分とは違う動きをするメンバーから、学びを得るくらいのつもりがちょうど良いと思います。
必要なことであれば、指示を細かく伝えておきましょう。


終わりに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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今後もマネジメント場面における悩ましい場面を失敗談をベースにナレッジを発信していきますので、良ければフォローいただき、またご覧いただけると嬉しいですmm

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