外国人に好まれるまちづくりの施策が重要と言える理由
最近日本に移住経験がある外国人や旅行者と話す機会が多く、そこで日本ならではの言語や文化の難しさを感じていた人が多かったです。
例えば、特に地方のレストランで注文をしようとしても英語メニューがなく、店員も英語を話せない。会社で目上と同僚の人における言語や態度の使い分けを理解するのが難しかった。
これは日本に限らず、海外でもよくあることです。例えば、先日私がベトナムのハノイで日本の運転免許を現地のものに切り替えるために市役所に向かいました。ただ、英語を話せるスタッフは皆無で英語の案内板もなく、手続きが難航しました。
一方で個人的に外国人と現地の人が上手く調和している国はシンガポールです。まず、シンガポールの公用語は英語、中国語、マレー語とタミール語です。
シンガポールは、多様な国の人々における文化を維持しつつ発展した都市国家です。市内にはシンガポール料理、マレーシア料理、インドネシア料理、中華料理や日本料理など、多様な食があります。
DX化も進んでおり、多くのレストランではQRコードをスキャンして注文ができます。大抵のメニューは日本語を含む英語や中国語が用意されていますが、現地語が分からなくても注文が楽なこともメリットです。
シンガポールは、東南アジアを中心とした外国人の労働力を取り込んで成長した背景があります。なので、他民族国家や高度なDX化の背景には、シンガポールが外国人を受け入れるための施策が関係しています。
今回はシンガポールの国づくりの施策がテーマではないですが、日本の自治体と外国人を取り入れる施策に当てはめていきます。
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外国人目線でまちづくりの施策を行なっている地方自治体が少ない
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個別の自治体名は伏せますが、直近で色々な地方自治体のウェブサイトを閲覧することがありました。
コワーキングプレイスを充実させそこで地元の就職セミナーを設けたり、要件を満たした移住者に対して補助金を提供するなど、地域活性化に繋げようとしている自治体は数多くあります。
ただ、意外と外国人目線を交えた自治体の公式ページや関連ウェブサイトが少ないです。
外国人にとって分かりやすい例は、「地方自治体のウェブサイトに複数言語の表記があったり、自治体の公式アプリが外国人でも分かりやすい仕様」であることです。
また、その自治体の在日外国人の生活のインタビュー記事があれば、海外から見てその街に住むことをイメージしやすくなるでしょう。
私は海外に7年ほど住んでいますが、やはり外国人目線でその街に住みやすいかは、移住先を決める上で重要な指標です。
では、現在の在日外国人を見ていきましょう。
出入国在留管理庁の「令和4年6月末現在における在留外国人数について」によると2022年6月時点での在日外国人は296万1969人で、その上位5カ国は下記になります。
近年ベトナムの移住者が増加しています。自治体でベトナムの移住者を視野入れる場合の例は、公式ホームページにベトナム語を実装することやベトナム市場販路開拓の事業作りなど。
自分の母国語がその自治体の公式ホームページにあったり、その国の料理が街にあれば安心感にもつながります。
私もハノイに移住をした時に、近所に多くの日本食スーパーやレストランがありました。改めて、その点が「まちの住みごごち」にかなり影響していると実感しました。
この例をベトナムで挙げた理由は、もともと在日外国人として上位を占めている中国や韓国よりも、日本にそこまで浸透しきれていないベトナム文化に対してできる施策が多いからです。
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地方経済の発展には外国人の存在が欠かせない━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前提として、外国人を取り入れると問題が起こることを懸念されている地域もあるのは事実です。しかし、客観的にマクロレベルで見ると、日本経済の鈍化や少子高齢化の課題にて、これから外国人の存在は重要になっていきます。
以前からこの議論は日本で話題になっていますが、在日外国人の総数は増えても、外国人目線でまちづくりの施策を行なっている自治体は依然として少ないように見受けられます。もちろん、日本文化のユニークさや言語の壁など、日本独自の理由が関係しているのは否めません。
一方で、日本の自然や文化を体験してみたいと思っている外国人は多いので、特に日本の地方でそのまちの自然やローカル文化を海外目線も含め発信するニーズはあるはずです。
そのような外国人を観光客や移住者として取り込めるようなマーケティング施策を行うことで、地域経済の促進につながるでしょう。
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