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フレディに複数人で立ち向かったらどうなるか?|『エルム街の悪夢』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「エルム街の悪夢」をベースに新しい物語を妄想します。

※「エルム街の悪夢」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「エルム街の悪夢」は、1人の女子高生が、「夢の中に現れ、人びとを襲う殺人鬼・フレディ」と対決する物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『エルム街の悪夢』 ~『ドラッグ常習者の幻覚』編」でした。


案②


三葉 まずは、「エルム街の悪夢」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さてここからは、「『エルム街の悪夢』をリスペクトした物語」をアレコレ妄想していきましょう!

嘉村 承知しました。

三葉 ところで……上述の通り、本作は「1人の女子高生が、『夢の中に現れ、人びとを襲う殺人鬼・フレディ』と対決する物語」。「『エルム街の悪夢』をリスペクトした物語」というからには、やはり「夢の中に現れ、人びとを襲う殺人鬼と対決する物語」にしたいですよね。

嘉村 ふむ。

三葉 しかし、ですよ。「夢の中に現れ、人びとを襲う殺人鬼」って、あまりにもあけすけだと思うんですよ。読者・鑑賞者は、きっとピンと来るでしょう「あー、ハイハイ。『エルム街の悪夢』を下敷きにしたわけね」。口の悪い人なら、「『エルム街の悪夢』のパクリじゃん!」くらい言いかねません。

嘉村 まぁ……「夢の中に現れ、人びとを襲う殺人鬼 = 『エルム街の悪夢』」みたいなところがありますからね。

三葉 そうなんですよ。

嘉村 ええ。

三葉 では、いかにしてその呪縛から逃れるか?「エルム街の悪夢」をベースにしつつも、「エルム街の悪夢」っぽさをいかにして弱めるか?これが問題になる。

嘉村 ふむふむ。

三葉 で、思いついたのが……「『エルム街の悪夢』 ~『みんなで立ち向かおう!』編」です。


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嘉村 ほぉ……。

三葉 「エルム街の悪夢」は、「1対1の物語」です。殺人鬼(フレディ)は、少女A(ティナ)の夢に現れ、少女Aを殺す。次いで少年A(ロッド)の夢に現れ、少年Aを殺す。さらに少年B(グレン)の夢に現れ、少年Bを殺す。……なんて具合ですね。「個別撃破」というか「一騎打ち」というか、とにかく全員がバラバラに襲われ、殺されていく。

嘉村 ふむ。

三葉 それに対して「案②」では……主要キャラ全員が1つの夢を共有する!


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嘉村 あー、インターネットみたいなものですね。現実世界でどこにいるかは関係ない。インターネットにアクセスすれば、皆で同じ「場」を共有することができる。……みたいな。

三葉 ええ、その通りです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 つまり、ストーリーはこんな具合です。ある日、主人公が夢を見る。夢には、仲よしの友だちA、B、Cが登場。彼らは、現実世界では不可能な荒唐無稽な遊びを楽しんだ。

嘉村 ふむ。

三葉 そして翌日。主人公が夢の中の出来事を話すと……A、B、Cが目を丸くした「えっ!?その夢、私も見たんだけど!」。似たような夢を見たのだろうか?いや、「似たような夢」なんてものではない。4人が見た夢は、細部まで完全に一致していた。そしてその日も、さらに次の日も、4人は同じ夢を見続ける。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そして気づく。「同じ夢」?いや、違う!4人が1つの夢を共有しているんだ!

嘉村 なるほど。

三葉 4人は奇妙に思いつつも、夢の世界を楽しむ。しかししばらくして……そう!突如そこに殺人鬼が登場する。かくして死闘が始まった!

嘉村 ふむ。

三葉 「案②」は、「エルム街の悪夢」同様、「『夢の中に現れ、人びとを襲う殺人鬼』と対決する物語」です。しかし、ストーリーは大きく異なるものになるでしょう。何しろ、「エルム街の悪夢」が「個人戦」であるのに対して、こちらは「集団戦」ですからね。

嘉村 ええ。

三葉 「案②」には、「仲間と協力して殺人鬼と戦うシーン」が登場する。「絶望する仲間を励ますシーン」だって登場する。さらに、「普段は弱々しいのに、いざという時には命懸けで仲間を守ろうとするキャラ」や、「普段は横暴なのに、ここぞという時には友情に厚いキャラ」も描ける。

嘉村 「エルム街の悪夢」に「映画ドラえもん」のテイストを加えた物語になりそうですね。


三葉 さらに、発展的なアイデアもご紹介しましょう。第1に、「味方が増えるなら、敵も増やそう」案です。

嘉村 ほぉ。

三葉 つまり、主人公サイドが4人なら、殺人鬼サイドも4人にする。

嘉村 なるほど。

三葉 「ようやく殺人鬼を仕留めたぜ!○○は殺されちまったが、きっちり仇を取ったぞ!」というところで、ジャーン!殺人鬼は1人ではなかった!残り3人が登場。主人公らが絶望する。……なんて展開ですね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 続いてご紹介するのは……「生き残れるのは1人だけ」案!いわゆる「デスゲーム」です。


三葉 殺人鬼が宣言するわけですよ「助かるのは1人だけ。最後の1人になるまで、オレは毎晩毎晩お前らの夢の中に登場するぜ」。

嘉村 なるほど。

三葉 もう1つ「デスゲーム」系のアイデアとして……「7日間生き延びろ」案!

嘉村 7日間……?

三葉 ええ。「エルム街の悪夢」に、「殺人鬼が主人公らの夢に登場するのは、7日間 = 144時間だけ」というルールを追加してみましょう。

嘉村 ふむ。

三葉 つまり、7日間一睡もしなければ確実に助かる。したがって、主要キャラは必死に励まし合い、どうにか眠気に耐えるわけですが……。

嘉村 さすがに、7日間ぶっ続けで起きているのは厳しいでしょうねぇ。

三葉 そうですね。3日目、ついに1人が眠りに落ちた。そしてここから、物語が一気に動き出します。すなわち、「クソッ!○○だけを危険な目に遭わせわけにはいかねぇ。オレたちも眠って、助けに行こうぜ!」と提案する者、「ハァ?バカじゃん!?友だちゴッコしている場合じゃないよ!」と拒否する者、オロオロ戸惑う者……。

嘉村 なるほど。

三葉 ちなみに「7日間生き延びれば命拾いするデスゲーム」というアイデアは、マンガ「ドクムシ」から拝借しました。


三葉 とまぁこのように、「『エルム街の悪夢』のストーリー構造」を利用しつつも、設定の一部をいじくることで、「エルム街の悪夢」とはまた違ったユニークな物語を作り得ると言えるでしょう。

嘉村 確かに。

三葉 以上、「『エルム街の悪夢』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「エルム街の悪夢」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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