見出し画像

予定より3年早く転生した結果!!|『ターミネーター』(3)

画像1


テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「ターミネーター」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ターミネーター」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「ターミネーター」は、突如殺し屋から命を狙われることになった「ドジっ子女子大生」が、護衛のサポートを得て、「不屈の戦士」に成長する物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『ターミネーター』 ~『努力の天才』編」でした。


案②


三葉 まずは、「ターミネーター」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


画像2


画像3


三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さて、前回に引き続き「『ターミネーター』をリスペクトした物語」を考えていくわけですが……本記事では「誰が世界を移動するのか?」という点に注目してみましょう!


画像5


三葉 上図の通り……「ターミネーター」では、「未来の世界に住む護衛と敵」が「主人公の住む世界」に移動してくる。そして戦いになる。要するに、世界を移動するのは「護衛と敵」です。

嘉村 ふむ。

三葉 ではこれをひっくり返してみると、どうなるでしょうか?

嘉村 つまり、主人公が「護衛と敵の住む世界」に召喚され、戦いに巻き込まれる物語ですね。でも、それって……。

三葉 ええ、「異世界転生もの」などでお馴染みの構図です。


画像5


三葉 すなわち、「誰が世界を移動するのか?」という点から見ると、「ターミネーター」と「異世界転生もの」は真逆の関係にあるというわけですね。

嘉村 なるほど。

三葉 以上を踏まえて今回は……「『異世界転生もの』のように、主人公が移動するタイプの『ターミネーター』風物語」を考えてみましょう。ズバリ、「『ターミネーター』 ~『転生したら逃亡生活が始まった』編」


画像7


三葉 ストーリーをご紹介しましょう。主人公は若い男性です。ある日、彼はトラックに轢かれて死んだ。そして気がつくと、おお、異世界である!「剣、魔法、ドラゴン、中世ヨーロッパ風の街並み」……彼の前には、そんな絵に描いたような異世界が広がっていました。

嘉村 ふむふむ。

三葉 主人公は思わずにやける。というのも、彼はラノベやアニメのファンで、「オレも転生したいなぁ。チート能力を授かって、素敵な仲間とパーティを組んで冒険して、やがては魔王を倒し、さらにハーレムなんて築いちゃって……ウヘヘッ!」と常々思っていたのです。

嘉村 なるほど。

三葉 かくして、主人公はウキウキでした。ところが……どうも様子がおかしい。異世界転生といえば「チート能力」がつきものですが、彼はチート能力を授かっていなかったのです。いや、それどころではありません。異世界人なら誰でも使える初歩的な魔法すら使えませんでした。すなわち、まったくの無能力者!主人公は愕然とする「マジかよ……」。

嘉村 ふーむ。

三葉 さらに転生して早々、彼の前に敵が立ちはだかりました。スライムでしょうか?それともゴブリン?……いや、違う!それは異世界最強の男・魔王だ!

嘉村 ははぁ。

三葉 転生したら能力皆無、そしていきなりのラスボス襲来。主人公は腰を抜かしてへたり込む「ちょっ、ええっ!?死にゲー……いや、クソゲーかよ!」。


三葉 嗚呼、絶体絶命である。主人公は死を覚悟する。と、次の瞬間……まばゆい光と共に女神が登場!女神が言った「ごめーん、お待たせっ!」。

嘉村 おっ、「エヴァ」第1話のミサトさんのセリフですね。


三葉 女神は、間髪入れずに魔法を放った。爆裂魔法である。魔王が業火に包まれる。主人公は思わず身を乗り出す「おおっ、すごい!さすがは女神!」。しかし……あれ。間もなく、炎の中から魔王が姿を現した。まったくの無傷だ。涼し気な顔をしている。

嘉村 ……。

三葉 魔王がニヤリと言った「女神よ。貴様の力はその程度のものか」。女神も笑う「フフン、さすが魔王ね。やるじゃない。かくなる上は……」。女神が、主人公の腕をぐいと掴む。そして走り出した「逃げるわよ!」。

嘉村 なるほど。

三葉 その後、女神と主人公はどうにか魔王の追撃を振り切り、無事逃げ切りました。女神が荒い息をつく「ハァハァハァ。ヤバかったわぁ。私の究極奥義を受けて無傷って……あり得ないんですけど!」。主人公は、何が何やらわからず呆然。女神がそれに気づいた「あっ、ごめんごめん」。そして事情を説明し始めました。

嘉村 ふむ。

三葉 女神曰く「あなたは勇者なのよ。この世界を救う大英雄の素質の持ち主ね」。主人公はぶっ魂消る「マッ、マジっすか!?」。彼は歓喜しました。一時はどうなることかと思ったが……うぉー!よっしゃー!

嘉村 ふむふむ。

三葉 しかし、女神が慌てて付け足した「えーと、水を差すようで悪いんだけど……あなたは確かに勇者よ。でもね、正確には『3年後に勇者として覚醒する』と言うべきね」「……3年後?」。

嘉村 ほぉ……。

三葉 つまり、主人公の中には大英雄の素質が眠っているのです。しかし、それが目覚めるのは3年後。それまでの間は、無能力者のグズ野郎だと言う。

嘉村 ふーむ。

三葉 「そっ、その覚醒を早めることはできないんですか!?」。女神が肩をすくめた「無理よ。不可能。インポッシブル!だって、本来あなたがこの世界に転生するのは3年後の予定だったのよ」「……えっ?」「3年後に転生し、同時に能力が覚醒。そして魔王を倒して英雄になるはずだったの。ところがさぁ、あの魔王が賢いヤツでね。未来を予知して、あなたが将来宿敵になることを知っちゃったわけよ。で、覚醒前のあなたを殺そうとしたの」。

嘉村 なるほど。

三葉 「自分の前に立ちはだかるであろう者を、先回りして抹殺しようとする」という設定が、「ターミネーター」っぽいでしょ?

嘉村 確かに。

三葉 さて話を戻して……女神が続けます「まさか魔王が、世界を移動して、転生前のあなたを殺そうとするとはねぇ!いやぁ、あの時は仰天したわ。何しろ私、あなたが元いた世界では魔法を使えないのよ。だからすぐにあなたを殺して、予定よりも3年早く転生してもらったってわけ。こちらの世界なら、魔法を使ってあなたを守ることができるからね」「あの、事情はわかりましたが……でも、あなたの究極奥義は魔王に効いていなかったようですが……」。女神が膝を打った「そうなのよ!いやぁ、困ったわぁ。魔王ってマジ強いのね。ビビったー」。

嘉村 ははぁ。

三葉 つまり……圧倒的なパワーを持つ魔王が、主人公を抹殺せんと襲いかかる!しかし、対する主人公はまったくの無力です。また、彼を護衛する女神も、魔王には歯が立たぬ。かくして2人は、主人公が覚醒するまでの3年間、異世界を逃げ回ることになったのでした。

嘉村 なるほど。

三葉 当初、主人公は落ち込みました。「3年間も逃げ続けるのかよ!」「そんなの無理だよ。殺されるに決まっている!」と頭を抱え、「せっかく転生したのに逃亡生活って……どういうことだよ!」と嘆いた。

嘉村 まぁ、無理ないでしょうねぇ……。

三葉 しかし、何度も何度も魔王の襲撃を受ける内に、クソ度胸がついてくる。「チクショウ、死んでたまるかよ!3年経って能力が開花したら……見てろよ、魔王!八つ裂きにしてやるからな。そしてハーレムを築いちゃうもんね!女神だって手籠めにしてやる!」。

嘉村 ふむ。

三葉 主人公は開き直り、無能力者ながら戦う術を学んでいきます。彼は金を稼ぎ、人脈を築き、仲間を得る。武器を集め、戦術を練る。やがて魔王を追い払うくらいのことはできるようになる。……「案②」はそんな主人公の成長譚です。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『ターミネーター』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


---🌞---

 「ターミネーター」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

---🌞---

関連

---🌞---

最新情報はTwitterで!

---🌞---

 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,729件

最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!