映画「危いことなら銭になる」の三幕構成！！

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2021年8月27日 18:44

映画「危いことなら銭になる」の三幕構成です。

三幕構成（詳細）

※注1：「三幕構成」を詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ🎥 → シド・フィールドの「三幕構成」をバッチリ説明するぜ！！

※注2：以下の文中の「○分」という表記は、映画開始からの経過時間を意味しています。

▶第1幕

モノローグ「危（ヤバ）いことなら銭になる！」。

舞台は1960年代の東京。ある日、紙幣印刷用の紙10億8千万円分がギャングに強奪された【オープニング／2分】。

ギャングは、

・STEP1：紙を盗む

・STEP2：贋金を作らせたら日本一・坂本名人に仕事を依頼し、贋金を作ってもらう

・STEP3：香港マフィアに頼んで、贋金をドルに両替してもらう（贋金をそのまま国内で使うと足がつく恐れがあるため）

……という計画を立てている。

さて、本作の主人公は30歳頃の男性・ジョー。職業は事件屋である。

彼は＜ギャングが紙幣印刷用の紙を強奪した＞というニュースをラジオで知り、一計を案じた「ギャングは坂本名人に仕事を依頼するに違いないぞ。よし、坂本名人を先んじて確保し、ギャングから斡旋手数料をせしめてやろう！」。

同じ頃……ジョーの商売敵たる哲と健も同じことを考えていた。

後日、空港。香港での仕事を終えた坂本名人が帰国した。

ジョー、哲、健は坂本名人の争奪戦を繰り広げる。しかし……そこにギャングがやってきて、坂本名人を連れていってしまった【インサイティング・インシデント／11分】。

クソ、やられた！しかし諦めてなるものか！

ジョーは坂本名人の居場所を突き止めんとして、街を走り回った。

しばらくしてジョーはギャングの拠点を発見、乗り込んだ【ファースト・ターニングポイント／20分】。だがそこはただの事務所で、何の事情も知らぬ電話番の若い女性（とも子）が1人いるだけだった。

タイミングよく、ギャングのボスから電話がかかってくる。ジョーは受話器を取って、「俺をボディーガードに雇ってみないか？哲、健から守ってやるぜ」と売り込んだ。しかし、ボスは拒否。チクショウ！

ついでに、ボスはとも子を馘首した（「事務所の場所がジョーに知られてしまった以上、もう使いものにならない」と判断したのだろう）。

とも子は武道の心得があり、＜フランスで武道の指導者になる＞という夢を抱いていた。そしてそのためにコツコツ貯金をしていたのだが……ところがいま、突如クビになってしまった！

気の強いとも子は「このまま黙ってはいられない！何としても退職金をもらうわ！」。かくして、ジョーと共にギャングの本拠地を探すと言い出した。

ジョーは「おいおい、冗談じゃないよ。なんで俺がきみなんかと！」と拒否する。だが、とも子はしつこい。すっぽんのように離れない。ジョーは渋々同行を認めた。

▶第2幕前半

ジョーととも子、哲、健はそれぞれギャングの本拠地を探して回った。

やがてジョーととも子はギャングの本拠地を突き止め、果敢に潜入【ピンチ1／31分】。見事坂本名人を発見した。しかし……そこに哲がやってきて、坂本名人を横取りしていってしまった。

後日、哲はギャングに坂本名人を引き渡し、代わりに現金を受け取ろうとする。ところが……今度はジョーがそれを妨害した【ミッドポイント／42分】。

▶第2幕後半

その後、ジョー、哲、健、そしてギャングは「争っていても仕方がない」と手打ちムードになる。そして、ギャングがジョーら3人をコンサルタントとして雇うことになった。

だが、その時である。ギャングが秘匿していた紙幣印刷用の紙10億8千万円分を、とも子が偶然発見。こっそり盗み出した【ピンチ2／49分】。

ジョー、哲、健、そしてギャングは、慌ててとも子のもとへ駆けつける。そして無事紙を回収。

ジョーらは、改めてコンサルタント契約を結ぼうとするが……ギャングは「もうお前らは不要だ」と4人を拘束してしまった【セカンドターニング・ポイント／57分】。

▶第3幕

4人は地下室に閉じこめられ、ガスで処刑されることになる。絶体絶命のピンチだ！

だが4人は力を合わせて脱出、そしてギャングを皆殺しにした。

さらに、刷り上がったばかりの贋金を頂戴してしまおうと盛り上がるが……坂本名人は笑った。坂本名人曰く、彼はギャングのやり方が気に食わなかった。だから札にいたずらを仕掛けた。すなわち、札を斜めから見ると聖徳太子の髭が逆向きになるのだ（当時の千円札の肖像人物は聖徳太子である）。

何と言うことだ！プロが見れば、すぐに贋金だとバレてしまうだろう。これでは使い物にならない。

だが、4人はどうしても諦められない。

かくして彼らは、

・STEP1：本物の札を数枚用意し、札束の1番上だけ本物の札にした（その下は全部贋金である）

・STEP2：やがて香港マフィアとの取引の日がやってきた【エンディング／78分】。ジョーらは、ギャングのふりをして両替に臨んだ

・STEP3：香港マフィアは、すぐその場で札をチェックし始めた

・STEP4：このままでは、それが贋金だとバレてしまうだろう。だから……身を隠していたとも子がサイレンを鳴らし、警察がやってきたように見せかけた

・STEP5：香港マフィアはチェックを中断し、慌てて逃げていった。一方4人もドルを抱えて一目散に逃げ出した

作戦成功！4人はいまや大金持ちだ！

彼らは坂本名人と共に祝杯をあげた。

ところが……4人が持ってきたドル紙幣を見て、坂本名人は大笑い。曰く、それは彼が香港のギャングに依頼されて作った贋金で、いたずらが仕掛けてあるとのこと。

改めてよく見てみると、なるほど、札に刷られたジョージ・ワシントンがウインクして舌を出しているではないか！

こんな贋金、使い物にならない！4人はがっくり肩を落とした。

ナレーション「危（ヤバ）いことなら銭になる」「……No！」【おしまい／82分】。

三幕構成（概要）

・第1幕：事件屋のジョー、哲、健は、＜ギャングが贋金作りを目論んでいる＞と知る。そして彼らは企んだ「贋金づくり日本一の坂本名人をギャングに斡旋することで金儲けしよう！」。かくして、ジョー、哲、健、ギャングによる坂本名人争奪戦が始まった。なお、途中とも子がジョーのパートナーとして参戦する。

・第2幕前半：ジョー、哲、健は互いに妨害し合う。その結果、なかなか坂本名人をゲットできない。

・第2幕後半：ジョー、哲、健、ギャングは手打ちムードになる。だが最終的にギャングはジョーら4人を捕まえ、処刑しようとする。

・第3幕：4人は力を合わせてギャングと戦い、勝利する。さらに贋金を奪い取り、見事香港マフィアとの両替も済ませた。かくして大金持ちになったかと思いきや……彼らがマフィアから受け取ったドルは、坂本名人がかつて作った贋金だった。しかも、敢えて粗悪に作られた贋金だ。これでは使い物にならない。4人はがっくり肩を落とした。

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