冬アニメ「魔法少女にあこがれて」の研究　～「ぼっち・ざ・ろっく！」のぼっちちゃん v.s うてな！！

🥳本記事では、ポプカルMAXによるオンライン座談会「アニメ語り」（24年3月3日実施）の内容を一部抜粋してお伝えします。なお、完全版は動画でご覧いただけます→ こちら

「ポプカルMAX」とは？：ポップカルチャー（マンガ、小説、ラノベ、アニメ、映画、ゲームなど）好きのための、ゆるいコミュニティです。好きな作品について語ったり何かを作ったりして楽しむことを目的としています。

＜座談会の参加者紹介＞

👉清水大地　マスター・オブ・アニメ。年120作以上のアニメを見続けて20余年。好きな魔法少女アニメは「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」。

👉村上空気　好きな魔法少女アニメは「撲殺天使ドクロちゃん」。　→X（旧Twitter）でフォローしてね！！

✨うてなは「ごく普通の女の子」なのか？

※前々記事、前記事に引き続き、冬アニメ「魔法少女にあこがれて」について議論します→ 前々記事、前記事はこちら

村上：第1話序盤、密かにうてなを観察していたヴェナリータが、その結果を報告するシーンがあるんだけれどさ。

清水：うん。

村上：彼はそこで興味深いことを言う。ヴェナリータのセリフをそのまま読み上げてみるね。――曰く「柊うてな。自称『ごく普通の女の子』。知らない内に決められていた美化委員の仕事で毎朝花のお世話をしている」「でもそんな仕事も嫌いじゃない」。さらに続けて「それにしても君は本当に普通だね」「勉強も普通」「授業中はお絵描きの時間」「運動も普通」「クラスの中でも存在感はひっそり」「もっとも、本人は魔法少女関連の情報収集に夢中で気にもしていない」「そして楽しみは月のお小遣いをやりくりして魔法少女グッズを購入する推し活」。

清水：ふむふむ。

村上：まず注目してほしいのは、うてなが自身を「普通」と表現しているところだ。

清水：ほぉ。

村上：だってさぁ、知らない内に美化委員に決められていたって、それ普通か（笑）？

清水：あー（笑）。

村上：また、ヴェナリータが「運動も普通」と言うところで、画面には体育の授業の様子が映るんだけれど――バスケの試合中、うてなは棒立ちしているんだよ。どう見ても運動オンチなの（笑）。

清水：はいはい（笑）。

村上：さらに、「クラスの中でも存在感はひっそり」「もっとも、本人は魔法少女関連の情報収集に夢中で気にもしていない」とヴェナリータが言う場面では――クラスメイトが友達同士集まって談笑する中、1人だけ着席してスマホをいじっているうてなが画面に映る（笑）。

清水：うーむ……（笑）。

村上：加えて、第2話にはこんなシーンもある。――自室でスマホを見つめるうてな。この時彼女は家具と家具の間に挟まって座っている。たぶん、その狭いスペースが落ち着くんだろうね（笑）。

清水：（笑）。

村上：とまぁ要するにさ、うてなは自身を「普通」と称するんだけれど、傍から見ると彼女は「陰キャ」とか「根暗」とか呼ばれるタイプの少女にしか見えないわけよ（笑）。

✨ぼっちちゃん v.s うてな

村上：でさ、「陰キャで根暗なキャラ」というところから「ぼっち・ざ・ろっく！」のぼっちちゃんを想起する人は少なくないと思うんだ。

清水：そうね。

村上：ただね、実際にはこの2人は相当異なるキャラだと思う。

清水：ほぉ。

村上：何よりもまず、ぼっちちゃんは自分の人生を変えたかった。だから彼女は自らの意思でギターを握り、努力し、悪戦苦闘し、空回りする。

清水：うん。

村上：一方、うてなは魔法少女の推し活に夢中。第1話冒頭からして自らの人生に満足しており、特に変化は望んでいない様子だ。

清水：確かに。

村上：2人のこの違いはかなり重要だと思う。上述の通り、「陰キャで根暗なキャラ」ということでどうしてもぼっちちゃんとうてなを並べて論じたくなるし、「学校内では活躍の機会がなかった少女が、学外で覚醒し大活躍するようになる」という点では共通しているんだけれど、しかしやはりこの根本的な相違はしっかり意識しないといけないなぁと。

✨もしもうてなが「ぼっち・ざ・ろっく」の主人公だったら？／もしもぼっちちゃんが「魔法少女にあこがれて」の主人公だったら？

村上：さて、ここまで確認してきた通り、ぼっちちゃんとうてなは「一見似ているけれどじつはだいぶ異なるキャラ」なわけだけれどさ。

清水：ふむ。

村上：とはいえ、「もしもうてなが『ぼっち・ざ・ろっく！』の主人公だったら？」とか「もしもぼっちちゃんが『魔法少女にあこがれて』の世界の住人だったら？」とか妄想するのは楽しいよね（笑）。

清水：そんな同人誌ありそう……（笑）。

村上：例えば、うてなが「ぼっち・ざ・ろっく！」の主人公だったら？――もちろん「解釈違いにもほどがありますよ、喜多さん」なんてセリフを吐くんだろうな（笑）。

清水：ひどい（笑）。

村上：「学校のアイドル・喜多郁代。全校生徒の憧れ。そのあなたが私に憧れている？いけません。いけませんいけませんいけませんいけません！」ってブチ切れるのよ（笑）。

清水：喜多ちゃん死んじゃいそう（笑）。

村上：逆に、ぼっちちゃんが「魔法少女にあこがれて」の主人公だったらどうかな？

清水：ぼっちちゃんのことだから、魔法少女をいたぶるシーンでは常にびくびくしてそうだな（笑）。

村上：確かに（笑）。

清水：（笑）。

村上：あるいは、もっとグチャグチャに混ぜてもいいのかもしれないね。

清水：と言うと？

村上：例えば――ヴェナリータに対応するキャラといえば虹夏ちゃんだよね。

清水：そうなの（笑）？

村上：だってほら、どちらも「主人公を勧誘し、教え導くキャラ」だから（笑）。

清水：そうか（笑）。

村上：というわけで、ヴェナリータが言うわけよ「僕、確信したんだ！うてながいたら夢を叶えられるって！」「だからこれからもたくさん見せてね。うてなのスパンキング……うてな・ザ・スパンキングを！」って（笑）。

清水：最悪だ（笑）。

✨アズールは帰ってくるのか？

清水：「悪の組織とはそもそも何なのか？」など、本作にはたくさんの謎が散りばめられているわけだけれど。

村上：うん。

清水：今後その辺りが明かされていくのかね？

村上：そうねぇ。ヴェナリータの目的もいまだに明らかになってないもんね。

清水：たぶん、ヴェナリータとヴァーツは裏でつながっているんだよね？

村上：うーん、そんな感じがするし――もしかすると同一人物なのではないかとすら思う（笑）。

清水：それはどうかなぁ。声優さんが違うし（笑）。

村上：そうか。ヴェナリータ役は福圓美里さん、ヴァーツ役は阿澄佳奈さんだもんなぁ……。あっ、いずれ合体して加藤英美里さんが声優を担当すればいいんじゃないの（笑）？

清水：それじゃあ「魔法少女まどか☆マギカ」のキュゥべえじゃん（笑）。

村上：（笑）。

清水：それから、アズールはどうなるんだろうね。

村上：まぁ覚醒して戻ってくるんだろうなぁ。

清水：そうね。

村上：戻って来なかったらそれはそれで面白い気もするが（笑）。

清水：ひどい（笑）。

村上：放置プレイってやつですよ。本作に相応しいじゃん（笑）。

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