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敵との相互理解は……たぶん無理!!|【EPISODE1:復活】「仮面ライダークウガ」に学ぶ(2)

※引き続き、「仮面ライダークウガ」の【EPISODE1:復活】を分析します。本記事の前に、以下の記事をご覧になることをお勧めします。


【ポイント⑦】敵はなぜ出現したのか?


<1>

ヒーローものといえば、

敵がどこからか這い出てきてくれないと、ヒーローものは始まりません。


では、「仮面ライダークウガ」の敵はどこから出てきたのでしょうか?


<2>

「仮面ライダークウガ」の敵(= 怪人、グロンギ)は、

・Step 1:夏目教授率いる調査団が、九郎ヶ岳遺跡の発掘作業を行う

・Step 2:途中、棺を開ける

・Step 3:封印されていたン・ダグバ・ゼバが復活する

・Step 4:ン・ダグバ・ゼバが、調査団を惨殺する

・Step 5:ン・ダグバ・ゼバが、他のグロンギの封印を解く

……という経緯で復活を遂げます。


※補足:EPISODE1時点では、ここまで明言されていません。「遺跡発掘作業のせいで何かが蘇ったらしい」とほのめかされているだけです。


<3>

つまりは、

・1:一度は眠りについたもの(遺跡、棺)を暴く

・2:悲劇(敵復活)が起こる

……というプロセスですね。


敵サイドからすれば「おい人類、お前らが悪いんだぜ。だって、一度は眠りについたものを無理に暴いたんだからな。その好奇心が元凶。すべては自業自得さ」ということになる。


<4>

ところで、これは大変に穿った見方ですが……夏目教授ら調査団と「仮面ライダークウガ」の制作者は重なるところがあると思うんですよ。

というのも……本作は「仮面ライダーBLACK RX」以来、11年ぶりの仮面ライダーシリーズ作品。つまり本作の制作者は、<一度は眠りについたコンテンツを現代に蘇らせた>のです


【夏目教授ら調査団が一度は眠りについたもの(遺跡、棺)を暴いたせいで、悲劇(敵復活)が起こる】という本作の展開は、【一度は眠りについた仮面ライダーシリーズを復活させることで悲劇が起こるかもしれません。わかっているんです。でも……頑張ります!】という制作者の皆さんからのメッセージと解釈することができるのではないでしょうか。


【ポイント⑧】敵はどのように描かれているか?


<1>

本作には、クモ怪人(ズ・グムン・バ)が登場、クウガの初めての敵となります。


クモ怪人がどのように描かれているか、確認してみましょう。


<2>

クモ怪人の初登場シーンは第2幕後半。そしてひとしきり街で暴れ回った後に、雄介や桜子の前に姿を現します。


その時の様子を整理すると……

・初登場シーン(1):問答無用で人間をぶち殺す

・初登場シーン(2):人間の攻撃は一切効かない。銃弾を食らっても平然としている

・雄介と桜子の前に初めて登場するシーン:車から降りる際、まずは地面に手をつく(足ではなくて手!つまり四つん這い)


<3>

雄介は心優しい青年です。争いは好みません。

が、しかし……彼が対峙するのはどう見ても化け物!コミュニケーション可能な相手には見えぬ!人類が友好関係を築ける相手とは到底思えない!


これ、「クウガの活躍により、人類と怪人は相互理解を果たしたのでした♥めでたしめでたし♥」……なんて結末はあり得ず、雄介は<人類と怪人のいずれかが全滅するまで続く凄惨な戦い>に身を投じることになるだろうと予感させるシーンです。


【EPISODE2:変身】の分析記事に続く!!


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(担当:三葉)

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