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物語の途中で<構図>を変える ~【主人公 v.s 敵】から【主人公 v.s 敵 v.s X】へシフトしてみよう!!|映画「ハンティング・ナンバー1」に学ぶ

【主人公 v.s ハンターたち】という構図


映画「ハンティング・ナンバー1」は、【ある日突然マンハント(人間狩り)のターゲットにされた主人公がどうにか助かろうとして、追いかけてくるハンターたちから逃げたり、時には彼らと戦ったりする物語】です。


※補足:作品の詳細については以下の記事をご参照ください。


つまりこれ、一言で言うならば【主人公 v.s ハンターたち】という構図の物語ですね。


【主人公 v.s ハンターたち v.s スティーヴ】という構図への変化


<1>

ところが物語が後半に入ると……ちょっと様子が変わってくるんですよ。ポイントは、スティーヴというキャラです。

以下、スティーヴについてざっくり整理してみました。


・STEP1:スティーヴは、元々はハンターの1人だった

・STEP2:物語前半、スティーヴは妻と共に主人公を襲撃する。しかし返り討ちに遭う。そしてスティーヴは重症を負い、妻は死んでしまった

・STEP3:その後、スティーヴは治療を受ける

・STEP4:物語後半、スティーヴが意識を取り戻した。そして妻の死を知り、慟哭する。かくして彼は狂気に冒された。そう、主人公を絶対にぶち殺すと決意したのだ!

・STEP5:スティーヴの異変に気づいた仲間が、「まぁ待てよ」「落ち着けよ」と彼を引き留める。しかしスティーヴは止まらない。あろうことか仲間を殺害し、主人公を探しに向かったのだ

・STEP6:スティーヴは、追いかけてきた仲間をさらにぶち殺しつつ、主人公に迫っていく

・STEP7:そしてついに、主人公とスティーヴが一騎打ち!(これが本作のクライマックスである)


<2>

つまり本話は途中から(上述のSTEP5から)、【主人公 v.s ハンターたち v.s スティーヴ】という構図の物語に変化しているのです。


構図が変化したことで何が起きたのか?


<1>

さて、この<構図の変化>にご注目ください。これが極めて重要だと思うんですよ。

というのも……もしも最初から最後まで【主人公 v.s ハンターたち】という構図が維持されていたらどうしたってストーリーは単調になり、途中で飽きてしまう鑑賞者も少なくなかったと推測されます。


ところが本作では、主人公でもハンターでもない第3極・スティーヴが参戦してきた

これにより、【ストーリーがいい具合に複雑になり → 先の展開が読みづらくなり → 私たち鑑賞者は途中で飽きることなく、最後までハラハラドキドキしながら物語を楽しめるようになった】というわけです。


<2>

さらに!

<それまで主人公を苦しめていた存在 = ハンター>を易々とぶち殺していくスティーヴには、「こいつは他のハンターたちとは別格だ!さすがの主人公も苦戦しそうだ!」というヤバさが感じられる。

<主人公が最後に戦う相手 = ラスボス>にはピッタリですよね。


作中で構図を変化させよう!


ここまで申し上げてきた通り……【主人公 v.s ハンターたち】から【主人公 v.s ハンターたち v.s スティーヴ】へと構図が変化したことで、本作はワクワクの物語になり得たと思うのです。


【物語中盤で第三極を登場させ、構図を変化させる → 物語が盛り上がる】というこのテクニック、皆さんもぜひ使ってみてくださいねー!!



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(担当:三葉)

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