こんなオヤジは嫌だ!3選!!|『ミート・ザ・ペアレンツ』(3)
テーマ発表!!
第1回、第2回に引き続き、映画「ミート・ザ・ペアレンツ」をベースに新しい物語を妄想します。
※「ミート・ザ・ペアレンツ」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。
妄想開始!
嘉村 「ミート・ザ・ペアレンツ」は、結婚の許可を得るべく恋人の父に会った主人公が、様々な「壁」にぶつかり翻弄されるものの、最終的にはプロポーズを成功させる物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!
三葉 承知しました。
嘉村 前回ご紹介したのは、「『ミート・ザ・ペアレンツ』 ~『それおもろいとおもて言うてるん?』編」でした。
案②
三葉 まずは、「ミート・ザ・ペアレンツ」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。
三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。
嘉村 ふむふむ。
三葉 加えて、前回以下のように申し上げました。
三葉 本記事でもこれを踏まえて、「ミート・ザ・ペアレンツ」風物語を考えてまいりましょう!
嘉村 承知しました。
三葉 それでは「案②」です。ズバリ……「『ミート・ザ・ペアレンツ』 ~『成金オヤジ』編」。
三葉 主人公は「普通の青年」です。一方恋人の父は……「成金」!
嘉村 ふむふむ。
三葉 大変な富豪です。しかし育ちが悪い。ゆえに趣味も悪い。服から家まで金ぴかでゴテゴテ。太くて毛がモジャモジャの指に、ギラギラの指輪を付けちゃったりしてね。もちろんでっぷり太っていて、そして禿頭です。書斎には、「人生は金なり」と書かれた掛け軸が飾られている。
嘉村 うーむ……。
三葉 元は貧しい農家だった。しかし親から譲り受けた土地が爆騰し、突如富豪になった。そんなタイプのオッサンです。
嘉村 なるほど。
三葉 彼は言いました「わしはな、人生ちゅうのは金だと思っとる。きみはどう思う?」。主人公は困惑します。彼は思う「無論、愛だ。愛に決まっている」。
嘉村 まぁ、最愛の人にプロポーズしようというタイミングですもんね。そりゃ「人生は愛だ」と答えるでしょう。
三葉 ええ。しかし、ですよ。この成金オヤジに向かってそんなことを言ってどうなる?理解できるか?……否!できるはずがない!かくして主人公は答えた「ごっ、御説ごもっともです。人生は金ですよね!」。
嘉村 ふむ。
三葉 するとジロリ、オヤジが主人公を睨みつけた「つまりきみは、金が目当てでうちの娘に近づいたっちゅうことかな?」。主人公の背筋が凍る。
嘉村 なるほど。
三葉 とまぁそんな具合に、普通の青年と成金オヤジが「対立」する。これが「案②」のアイデアです。
案③
嘉村 続いてまいりましょう!
三葉 はい。「案③」は「『ミート・ザ・ペアレンツ』 ~『元ヤンオヤジ』編」。
三葉 主人公は「普通の青年」。そして恋人の父は……「バリバリの元ヤン」です。
嘉村 ほぉ。
三葉 高校を中退し、暴走族に加入した。やがて頭角を現し、総長に就任。100人を越えるメンバーを率いていた。しかしその後、逮捕される。そこで考えた「世間様にご迷惑をおかけすることは止めよう」「これからは仕事に励むぜ」「もうハンパはしねぇ!」。
嘉村 ふむ。
三葉 かくしてがむしゃらに働き、そして独立。いまでは社員50人を抱える土建会社の経営者だ。……そんなオヤジです。
嘉村 なるほど……これはこれでしんどそうですねぇ。
三葉 そうですね。経営者になったいまも、ヤンキーの精神は失われていません。すなわち、曲がったことは大嫌い。人生で大切なのは仁義と根性。口癖は「テメェ、男だろ!」「男を見せろ!」「男なら○○だぜ!」。
嘉村 ……アレですね。下手なことを言ったらぶっ殺されそうですね。
三葉 また、家にはカラオケセットがあって、挨拶もそこそこに主人公はマイクを握らされる。オヤジが言った「おぅ、まずは1曲歌ってくれや。歌を聞けば、人となりがわかるってもんよ」。
嘉村 一体何を歌えばいいのやら……。
三葉 さらに、途中で親戚が集まってくるのですが……親戚筋にも気合の入った連中が揃っている。
嘉村 うーむ……。
三葉 これが「案③」です。
案④
三葉 「案②」では成金オヤジ、「案③」では元ヤンオヤジをご紹介しましたが……。
嘉村 ええ。
三葉 もっと突き詰めてもいいでしょう。すなわち、「『ミート・ザ・ペアレンツ』 ~『ヤクザ』編」。
三葉 主人公は「普通の青年」、そして恋人の父は「ヤクザの親分」です。
嘉村 なるほど……。
三葉 ところで「ヤクザ」というと、「ごくせん」や「ニセコイ」に登場するチャーミングなオッサンをご想像される方もいるかもしれません。
三葉 しかし、「案④」は違います。あちこちに監視カメラが付いた要塞のような邸宅。胸に光る金バッヂ。鋭い眼光。主人公はひっくり返りそうになる。思考回路はショート寸前、膀胱は失禁寸前です。
嘉村 ふむふむ。
三葉 オヤジが言った「お前さんが、うちの娘の恋人かい」。主人公は緊張のあまり頭が真っ白になる「あの、すっ、すみません。僕なんかがお嬢さんと、その……えーと……ハハハッ。小指を詰めてお詫びします、なんちゃって」。辺りはシンと静まり返る。
嘉村 ……最悪のジョークだ。
三葉 とまぁこれが「案④」ですね。
嘉村 なるほど。
三葉 以上、「『ミート・ザ・ペアレンツ』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!
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「ミート・ザ・ペアレンツ」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)