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ポリシーやモットーが感じられない小悪党

ライバル道場に恨みを抱いたチョウ「武芸者を集めるんだ。……うん、そうだ!モーにすぐ頼め。やつは外国の武芸者をよく知っているはずだ。金はいくらかかってもいい!そいつらを呼んでカンを殺させるんだ!

映画「片腕ドラゴン」


◆概要

【ポリシーやモットーが感じられない小悪党】は、キャラクター類型の1つである。


あなたの作品に「小悪党」を登場させたい時には、その悪党がポリシーやモットーを持っていないことを強調するといい。そうすれば、小物感が漂い始めるはずだ。

一方、「主人公に負けず劣らずカッコいい悪党」を描く時には、彼がポリシーやモットーを大切にするキャラだと強調するのがいいだろう。


◆事例研究

◇事例:映画「片腕ドラゴン」

▶1

映画「片腕ドラゴン」の敵役はチョウ。彼はカンフー道場「鉄鉤門」の道場主だ。

ある時、チョウはひょんなことからライバル道場「正徳武館」に恨みを抱いた。というわけで正徳武館を潰すために、アジア各国から凄腕武術家を招聘!

集まったのは、

・沖縄空手の使い手 × 3人

・柔道家

・チベットのラマ僧(密教武術家) × 2人

・テコンドーの達人

・ムエタイ選手 × 2人

・インドヨガの達人

チョウはこの無国籍軍団を率いて憎き正徳武館の連中を襲撃するわけだが……ちょっと待ってほしい!彼はカンフー道場の道場主だったはずだ。それなのに柔道家やらラマ僧やらを招聘って、カンフーはどうした!?


▶2

また、チョウがダイナマイトを使って正徳武館の門下生を爆殺しようとするシーンもある。えーと……カンフーはどこにいった!?


▶3

チョウはカンフー道場の道場主であり、これまでの人生をカンフーに捧げてきたはずだ。ところが上述の通り、彼はいざという時にはいともあっさりとそれを捨ててしまうのである。

つまり、チョウの言動からはポリシーやモットーが感じられない

嗚呼、無節操!いかにも小物感が漂っているではないか!多くの鑑賞者が、「悪党は悪党でもこいつ小悪党なんだよなぁ。ダサい(笑)」と感じただろう。


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