見出し画像

冬アニメ「ダンジョン飯」の研究 ~主人公たちは強い。でもいやらしくない

🥳本記事では、ポプカルMAXによるオンライン座談会「アニメ語り」(24年2月11日実施)の内容を一部抜粋してお伝えします。なお、完全版は動画でご覧いただけます→ こちら


「ポプカルMAX」とは?:ポップカルチャー(マンガ、小説、ラノベ、アニメ、映画、ゲームなど)好きのための、ゆるいコミュニティです。好きな作品について語ったり何かを作ったりして楽しむことを目的としています。


<座談会の参加者紹介>

👉清水大地 マスター・オブ・アニメ。年120作以上のアニメを見続けて20余年。「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」で好きなのはアイシャ・ベルカ。

👉村上空気 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」で好きなのは、もちろんリリ(リリルカ・アーデ)。 →X(旧Twitter)でフォローしてね!!




🍙主人公たちはまるでYouTuber?


前々記事前記事に引き続き、冬アニメ「ダンジョン飯」について議論します→ 前々記事前記事


村上:そういえばさ。

清水:うん。

村上:主人公ライオスが本来食べ物ではない魔物を食うことにこだわったり、マルシルが「私は食べないからね!」と悲鳴を上げつつも結局は食べたり、センシがゴーレムを畑として使ったり、ダンジョンのトラップを調理器具として使ったりしているのを見て、何だか見覚えがあるなぁと思ったのよ

清水:ほぉ。

村上:で、一体何だったっけかなと考えてみたんだけれど――YouTuberだったわ。虫を食べたりするYouTuberのノリ、あれに似てると思わない(笑)?

清水:言わんとすることはわかるけれど(笑)。

村上:つまり、ライオスたちは「ダンジョン探索系グルメYouTuber」なんですよ。

清水:いやぁ……(笑)。

村上:ほら、先期やっていた「ダークギャザリング」には「心霊スポット探索系YouTuber」っていたじゃない。田村ゆかりさんが演じていたキャラ。

清水:うん。

村上:あれと一緒だよ(笑)。

清水:……あいつ、じつは人間じゃなくて悪霊だったけどね(笑)。


🍙より激しく、よりヤバく?


清水:ところで、ライオスたちは魔物を食糧にしながらダンジョンの下層を目指しているわけだけれどさ。

村上:うん。

清水魔物のゲテモノ度合いが次第にアップしてきていると思わない?

村上:あー。

清水:最初はキノコだった。しかしいまや虫だの霊だのを食べている。

村上:確かに(笑)。

清水:これはどこまでアップするんだろうね。

村上:うーむ。第6話で霊を食べて、もうゲテモノ度合いも限界かなと思うが……(笑)。

清水:あと残っているのは人間っぽい見た目の魔物かな。

村上:なるほど。そういえば第1話でマルシルが「亜人系は論外!」って言っていたな。あれはフラグだったのか(笑)。

清水:そうそう(笑)。ついに食べる時が来るわけよ、ゴブリンとかね。

村上:カニバリズムかぁ……(笑)。

清水:(笑)。

村上:一線を越えても自分では止まれない、最早逮捕されるまで止まれないって意味でそれこそ迷惑系YouTuberだ(笑)。


🍙強い。でもいやらしくない


村上:話は換わるんだけれど、ライオスたちはどれくらい強いんだろうと考えてみたんだ。

清水:ほぉ。

村上:深層に棲むレッドドラゴンなんてのと戦っているくらいだから、相当強いんじゃないかと思うのよ。

清水:なるほど。

村上:また、第1話冒頭、「他の冒険者パーティーが逃げ出す一方、マルシルがあっさり魔物を倒す」なんてシーンもあったよね。

清水:あー、あのキノコみたいな魔物か。

村上:そうそう。マルシルが杖でぶん殴ってあっさり倒していた。

清水:うん。

村上:同様に、バジリスクやら宝虫やら、他のパーティを壊滅させた魔物・壊滅寸前まで追い込んだ魔物を、時には苦労することもあるけれどそれでも何だかんだ倒している。

清水:そうね。

村上:というわけで、やっぱりかなり強いんだと思う。

清水:確かに。

村上:ところが本作には、主人公たちがやたら強い作品にありがちなえぐみとかいやらしさがない

清水:うんうん。

村上:なぜか?「そもそも物語冒頭でレッドドラゴンに敗北しているから」とか、「毎回余裕綽々で勝利しているわけではない、結構苦労しているから」とか、理由はいろいろ考えられるんだけれど。

清水:うん。

村上:特に重要なのは、本作では「敵を倒す」ではなくてその後の「倒した敵を食う」部分にこそ重点が置かれているからだと思うんだよ。

清水:あー、なるほど。

村上:つまり、いくらバトルで無双しても、その後の料理・食事パートでひと悶着あるからいやらしさがないんだろうなって。

清水:ふむふむ。

村上:これ結構大事なポイントだと思うんだ。「強い主人公が大暴れする物語を描きたい」「でも、いわゆる俺TUEEE作品にありがちなえぐみは嫌」というクリエイターの参考になりそうだなと思った。


◆座談会を動画で見る👀


◆他の記事も見る👀

この記事が参加している募集

最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!