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映画「ザ・ハント」の三幕構成!!

映画「ザ・ハント」の三幕構成です。


三幕構成(詳細)


※注1:「三幕構成」を詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ🎥 → シド・フィールドの「三幕構成」をバッチリ説明するぜ!!

※注2:以下の文中の「○分」という表記は、映画開始からの経過時間を意味しています。


▶第1幕

舞台はアメリカ。本話は、数人のリベラル・エリート(いわゆる<勝ち組>)がグループチャットで冗談を言い合うシーンから始まる【オープニング/0分】。「いまの大統領はクソだ」「頭が悪くて貧しい連中はハンティングしてしまいたい(笑)」なんて具合である。

その後、彼らは豪華なプライベートジェットでどこかへ移動した。


そして……舞台は森の中。男女11人が目を覚ました。

彼らはごく一般的なアメリカ人である。気がつくと森の中で眠っていたのだ。自分たちがなぜここにいるのか、ここがどこなのかまったく記憶がない。なお、彼らの傍には武器(銃、ナイフなど)が置かれていた。

間もなく、彼らはどこからか攻撃を受ける。相手の姿は見えない。11人は大混乱だ。銃撃されたり、事前に設置されていた地雷を踏んだりして、彼らは次々と死んでいく。

混乱の中、彼らは気がついた「これは<マナーゲート>だ!」。マナーゲートとは、<勝ち組が一般市民を狩るゲーム>のこと。密かに開催されているとネットで噂になっていたが……あの噂はやはり本当だったのか!


11人の内3人はどうにか森を抜け出し、近くにあったガソリンスタンド兼雑貨店に逃げ込んだ【インサイティング・インシデント/18分】。3人は店主夫妻に事情を説明し助けを求めるが……店主夫妻もハンターだった。3人はあっさり殺されてしまう。

しばらくして、ガソリンスタンド兼雑貨店に別のターゲット(女性、クリスタル)がやってきた。店主夫妻は隙を見て殺めようとする。

しかし、退役軍人で実戦経験もあるクリスタルは他のターゲットとは一味も二味も違った。彼女は店主夫妻の演技を見抜き、返り討ちにした【ファースト・ターニングポイント/26分】


▶第2幕前半

ガソリンスタンド兼雑貨店を出たクリスタルは、ターゲットの1人・ゲイリーとばったり遭遇。2人は辺りを警戒しながら、とにかくその場を離れることにした。

ところがしばらくして……2人はクロアチア兵に不法入国者として捕まってしまう(つまりクリスタルらは①アメリカでハンターたちに捕獲され、②眠らされ、③飛行機でクロアチアに運ばれ、④そしていまマンハントのターゲットにされていたのだ)【ピンチ1/35分】


クリスタルはゲイリーとは引き離され、難民キャンプに移送された。そしてキャンプでターゲットの1人・ドンと遭遇する。

間もなく、アメリカ大使館から特使が派遣されてきた。

クリスタルとドンは特使が運転する車に乗り、大使館まで移動する。ああ、助かった……と思いきや移動の途中、クリスタルは違和感を覚える。そして、容赦なく特使を殺した【ミッドポイント/44分】。そう、彼は特使なぞではない。ハンターの1人だったのだ!


▶第2幕後半

クリスタルが車のトランクを調べると、ゲイリーの遺体(哀れにも既に彼は殺されていた!)と共に、地図やメモが出てきた。

<「大使館に向かう」と嘘をついて、ハンターが待ち構える場所にクリスタルとドンを連れていく → ハンター皆で2人を殺す>という計画だったようだ。


クリスタルは、ハンターたちをぶち殺すと決意。

ハンターたちが待ち構える場所へ向かった。そして見事な身のこなしでハンターたちを仕留めていく(彼らは武装しているものの、所詮は頭でっかちなリベラル・エリート層。退役軍人たるクリスタルの敵ではないのだ)【ピンチ2/52分】


さらに、じつはドンもまたハンター側の人間だったと明らかになり、クリスタルは容赦なく射殺した。


そしてその後……ハンターの最後の1人(女性、アテナ)が、無線越しにクリスタルに言った「次は私と対決よ」。やる気満々のようだ。

だが、クリスタルだって負けてはいない。彼女は退役後、ごく平凡な日常を送っていた。平凡な……退屈な日常だ。戦場を愛するクリスタルは、今日という日を楽しんでいた。


ここで物語は1年前に戻る【セカンドターニング・ポイント/60分】。そして、マナーゲートの真実が語られる。


▶第3幕

マナーゲートの真実とはすなわち……

・STEP1:元々は、マナーゲートはリベラル・エリート同士の冗談に過ぎなかった(冒頭シーンのグループチャットを思い出していただきたい)。

・STEP2:ところがある時、このグループチャットがハッキングされ、その内容がネット上に流出した。

・STEP3:すると……あまり裕福ではない保守層(リベラル・エリートの対極にいる人びと、陰謀論が大好き)がマナーゲートを真に受け、大炎上。大騒ぎとなった。

・STEP4:かくして、グループチャットに参加していたリベラル・エリートたちは仕事や社会的地位を失った。

・STEP5:彼らは、炎上を引き起こした保守層に恨みを抱いた。あのバカどものせいで私たちはひどい目に遭った!奴らに生きる価値なぞない!こうなったら、マナーゲートを現実のものにしてやる!

・STEP6:彼らは、自分たちを特にひどく誹謗中傷した者をターゲットに選定。こうして今回のハンティングが始まったというわけだ。


クリスタルが、アテナの待つ豪邸に到着。

2人は死闘を繰り広げる(アテナはこの日のためにトレーニングを積んでいたそうで、かなり強い)。

戦いの中で、アテナは言った「クリスタル、あなたは私を誹謗する書き込みをした。その報いでいま殺されるのよ!」。ところが……ここで衝撃の真実が明かされる。じつは、クリスタルはそんな書き込みはしていなかった。アテナらが同姓同名の別人と間違えて、クリスタルを連れてきてしまったのだ。

長い戦いの後、クリスタルはアテナを見事仕留めた。


クリスタルは傷を治療すると、アテナのドレスを引っ張り出してそれに着替え、そして庭で待機していたプライベートジェットに向かった【エンディング/83分】

クリスタルが機長とキャビンアテンダントに言った「アテナらは全員死んだわ。代わりに私をアメリカまで送り届けて」。

機長は仰天し、慌てて操縦席に座った。一方クリスタルは、キャビンアテンダントに高級シャンパンとキャビアを用意させ、むさぼるように食べ始めた【おしまい/90分】


三幕構成(概要)


・第1幕:11人の男女が突然マンハンティングのターゲットにされ、次々と殺されていく。彼らは「これが噂の人狩りゲームか!」と直感する。

・第2幕前半:主人公はハンターたちの仕掛けを見抜き、逃走を図る。

・第2幕後半:主人公はハンターたちの計画を知り、逆襲に転じる。

・第3幕:人狩りゲームの真相が明かされる(ハンターたちの動機、主人公らがターゲットに選ばれた理由 etc.)。その後、主人公はラスボスと死闘を演じ見事勝利。無事生還した。



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(担当:三葉)

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