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<記憶喪失の主人公>ってどうでしょう!!|「SSSS.GRIDMAN」の第1回【覚・醒】を分析する

※引き続き、アニメ「SSSS.GRIDMAN」の第1回【覚・醒】を分析します。本記事の前に、以下の記事をご覧になることをお勧めします。


<記憶喪失の主人公>って最近見かけないかも


清水 アニメ「SSSS.GRIDMAN」第1回の冒頭、主人公・裕太は記憶を失っているんだよね。彼は自分が誰かすらわからない。

※メモ:「SSSS.GRIDMAN」第1回のあらすじは、こちらの記事に整理してあります。ご参照ください。


三葉 うん。

清水 でさ、ふと思ったんだけど……こういう<記憶喪失の主人公>って最近はあまり見かけないと思わない?

三葉 あー、そうかも。

清水 昔はもっとたくさんいた気がするんだよなぁ。


<登場人物紹介>

・清水:マスター・オブ・アニメ。年100作以上のアニメを見続けて20余年。2021年夏アニメの中では、「かげきしょうじょ!!」が気になっている。

・三葉:清水とは中学からの友人。最近は「ゾンビランドサガ」の紺野純子に夢中。


<記憶喪失の主人公>はなぜ減ったのか?


三葉 <記憶喪失の主人公>は、どうして減ったんだろうね?

清水 んー、いろんな作品が<記憶喪失の主人公>を出しまくった反動かなぁ。

三葉 なるほど。飽きられたわけか。


<記憶喪失の主人公>って魅力的♥


三葉 しかし、アレだね。<記憶喪失の主人公>はいまとなっては逆に新鮮な感じがするし、今後再び増加するかもしれないね。

清水 そうね。クリエイター視点でいえば、<記憶喪失の主人公>ってすごく使い勝手がいいしなぁ。

三葉 ふむふむ。

清水 例えば、【①主人公が記憶を失う → ②周りのキャラが、主人公にアレコレ教えてやる → ③それが鑑賞者・読者への説明にもなる】。つまり、<記憶喪失の主人公>がいれば、物語の舞台や登場人物について、鑑賞者・読者にさり気なく説明することができるわけだ。

三葉 「SSSS.GRIDMAN」でも、そのテクニックは使われていたよね。六花や内海が裕太にアレコレ説明するシーンが、そのまま鑑賞者への説明にもなっていた。


映画「ボーン・アイデンティティー」はカッコいい!


三葉 ところでさ。

清水 うん。

三葉 <記憶喪失の主人公>が登場する作品っていろいろあるけれど、俺が特に好きなのは映画「ボーン・アイデンティティー」なんだ。


清水 あー、どんな話だっけ?

三葉 うん。物語冒頭、主人公・ボーンは記憶を失っている。自分が誰かすらわからない。

清水 「SSSS.GRIDMAN」の裕太と同じだね。

三葉 間もなく、ボーンは気づくんだ。自分が様々なスキルや知識を持っていることに!彼は銃の扱いに長けていた。戦いになれば、なぜかメチャクチャに強い。記憶力も桁外れ。どう考えてもただ者ではない。ボーンは悩む。俺は一体何者なんだ!?

清水 ふむふむ。

三葉 かくして、ボーンはわずかなヒントを頼りに自分の正体を調べ始める。ところが謎の組織に命を狙われて……ってストーリー。<じつはボーンは、政府の秘密工作員だった>ってのがオチなんだけどさ。

清水 なるほど。

三葉 【記憶はないが体が勝手に動く。戦いになるとメチャクチャ強い】なんてシーンが、カッコいいんだよ!


※メモ:「ボーン・アイデンティティー」については、以下の記事で分析しました。ぜひご参照ください。


映画「ボーン・アイデンティティー」を下敷きに物語を作ってみよう


三葉 そういえば、映画「ボーン・アイデンティティー」を下敷きにして面白い物語を作れそうじゃない?

清水 というと?

三葉 例えば……舞台は現代の日本にしよう。主人公は男子高校生がいいね。ある日目を覚ますと、彼は何も覚えていなかった。しかし、運動神経は抜群。ケンカもメチャクチャに強い。また、高校生とは思えぬほどに広く深い知識も持っている。

清水 ふむ。

三葉 かくして彼は、意図せずして無双してしまう。体育の100m走で、9秒台のタイムを叩き出すとかね(笑)

清水 で、クラスの女子から黄色い声が飛ぶわけだね「キャー!○○くん、ステキー!」なんて(笑)

三葉 そうそう。クラスのいじめっ子からも一目置かれちゃう(笑)


清水 主人公は何者なんだろう?

三葉 うん。彼は、異世界からやってきた転移者なんだ。


清水 ほぉ。

三葉 じつは、我々の住むこの世界は破滅の危機に瀕していた。そこで女神は、世界を救わんとして彼を送り込んだ。ところがちょっとした不運が重なり、彼は転移直後に記憶を失ってしまった

清水 なるほど。

三葉 だから、時として脳内に女神の声が響くんだ。「○○よ、使命を思い出すのです。クラスの女の子からキャーキャー騒がれて喜んでいる場合ではありませんよ」って。

清水 ふふっ(笑)

三葉 しかし、主人公は何も思い出せない。自分が幻聴を聞いたと勘違いして、「俺、疲れてるのかなぁ。今日は早めに寝よう」。布団に入ってしまう。

清水 やがて業を煮やした女神が乗り込んでくるって展開はどうかな?「あんた、いい加減にしなさいよね!すやすや眠ってる場合じゃないわよ!」とか何とか言いながらさ(笑)

三葉 いいぞ!(笑)「このすば」のアクアとか、「慎重勇者」のリスタルテみたいな女神だな。


清水 女神は主人公に迫る。それでも主人公は思い出せない

三葉 主人公は訳のわからぬ女に迫られて戸惑うだろうね「あの、<使命>とか言われても……僕、宗教に興味はないんで……」。

清水 ふむふむ(笑)

三葉 女神は頭を抱える。こうなっては仕方がない。主人公の傍で様子を伺い、時たま頭をぶん殴るなどして刺激を与え、記憶が蘇るのを待つしかあるまい。かくして翌日、主人公のクラスに1人の転校生がやってきた。そう、女子高生に擬態した女神である。

清水 なるほど。

三葉 要するにこれ、【<記憶喪失だけど何でもできる主人公(じつは救世の勇者)>と<駄女神>を中心としたスクールコメディ】だね。


清水 「オカルト研究会の部員だけが主人公と女神の本性を見抜き、仰天する」なんて展開もいいかもね。

三葉 「けいおん!」のオカルト研みたいな感じかな?(笑)


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(担当:三葉)

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