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エッセイ・コラム

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#新聞

記事の捏造は他人事にあらず

記事の捏造は他人事にあらず

記者として仕事をしていると、時々デスクを中心に「無理のある注文」がやってくることがある。

デスクはデスクで編集部の偉いおじさんから「この情報はないのか」「これをいれろ」とか言われて我々記者をせっつくことになるのだが、時に「これはさすがにちょっとな」というケースもある。
取材先の方にはそのたびに「これこれこういう事情がありまして」と説明してなんとか先方に納得してもらうわけだが、いざ記事が出てみても

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弔いのことばを見つめて

弔いのことばを見つめて

有名人が亡くなったときには多くの人がお悔やみのコメントを寄せる。関係者はもちろん、今の時代ではファンもコメントを発信できる時代だ。
以前記したように人が亡くなったときにはその人の真価が出る。残された側が故人に対して適切なお悔やみができるかどうかは、故人との関係性の深さや愛着に依存するところがある。
先に触れた有名人であれば、出演している作品や手がけたコンテンツに愛情を持っていた人ほど、「弔いのこと

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メディアが読者に媚びても仕方ないし、読者はメディアをあてにしても仕方ない

メディアが読者に媚びても仕方ないし、読者はメディアをあてにしても仕方ない

新聞やテレビなどのマスメディアに勤める人間は高給取りとして有名だが、メディア業界も時代の中で大きく変化してきている。

紙の新聞は売れず、テレビもいよいよ見られないなかで、隆盛を極めているのはインターネット関連のメディアだ。インターネットテレビやネットニュース関連のメディアが伸びてきている。

インターネット関連のメディアの登場で、メディアが発信する内容にも大きな変化が生まれる。すなわち「読まれる

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スクープ至上主義ってどうなのか

スクープ至上主義ってどうなのか

記者の仕事をしているといわゆる「独自ネタ」というものを追うことになる。独自ネタというのは要は世の中に出ていない話のことを指すのだが、これをどうやって調達するのかというところで、色々な手段がある。

オーソドックスなのは、取材対象と仲良くなって「実はこんな話があって…」と教えてもらうケースである。
ほかにも、自分で勝手に調査をして新たな事実を見つけ出したりするケースもある。調査報道なんかはこれだ。

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最後は紙になる不思議

最後は紙になる不思議

デジタル化が進んだ世の中にあって、一つ不思議に思っているのが「最後には紙になる」ということだ。

YouTuberが人気が出てきたときに、きまって本を出したりする。
「小説家になろう」など、ウェブからデビューした作家も、大体紙媒体の本を出す。
新聞記者としてもまずは電子版に出して、そのあと紙になるというプロセスを経ることが多い。

これは単に、出版社が確実に売れるひとに書かせて儲けたいという狙いも

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