見出し画像

【週末投稿】つれづれ有用植物#31(ドクダミ科:ドクダミ属 ドクダミ)

湿ったところに好んで生える、ドクダミ。
特有の臭みがあるので、お嫌いな方もいらっしゃるかと思います。そして輪をかけて、印象の悪いネーミング。あたかも毒をもつ植物として想像してしまいますが、毒はありません。

民間薬として利用されたり、ドクダミ茶として愛用されたり、なんと観賞用にも販売されています。

画像1

こちらは、八重咲のドクダミ。時々変種として通常のものに交じって知らず知らずに咲いているそうですが、通販で購入する事もできますから、びっくりです。さらに葉に班が入ったドクダミも販売されています。

画像2

さて、このドクダミはお茶としても利用されています。
生えている時の特有の匂いは全くせず、おいしく頂けます。ただしカリウム含量が多い様なので、腎機能に問題のある方はご利用を避けた方がいいかもしれません。地上部を摘んで、陰干しした後に煮立てるだけです。薬効の高い花が咲いている時期に摘むのが良いとされています。

PinguBanana も作ってみました。

さらに、花と葉・茎を分けて、ホワイトリカーやウォッカに漬け込んで、「ドクダミチンキ」を作ります。これも同様に特有の匂いは無くなり、入浴剤、薄めて化粧水に、虫よけスプレーの液剤に、うがい薬に活用している方もいらっしゃいます。まさに、民間療法薬ですね。

中国では、地下茎の部分を炒めて料理に使う地方があります。
次の動画では、ジャガイモ角切りにして油で揚げてから折耳根(ドクダミの根)と調味料で炒める(狼牙土豆)。乾したレバーを戻して薄切りにしてドクダミ根で和える。豆腐はエンドウマメの若芽と茹でるなど、工夫が見られます。

中国では、乾燥させてから戻して食べる文化が多い様ですね。

ドクダミは春に沢山芽吹きます。摘んできたものを簡単に油炒めするだけで、とても柔らかく僅かに爽やかな酸味がある美味しい食材になります(わずかに、ドクダミ独特の香りは残ります)。

画像3

この酸味は、ホウレンソウや山菜のタケノコ、スイバ、イタドリなどに多く含まれている「シュウ酸(蓚酸)」です。尿路結石の原因ともなる物質ですので食べる時には若干の注意が必要です。ドクダミは前述の食品に比べて多くはありませんが、気になる方は「湯がく」調理方法により、含有量を減らす事ができます。また、カリウムが高濃度に含まれているため、腎機能の低下している方は、摂取の際に注意が必要です。

ドクダミは繁殖力が高く、ちぎれた地下茎からでも繁殖するため、放置すると一面ドクダミだらけになり、ほかの草が生えなくなる傾向が強いです。強い臭気があることと、増えやすいので、しばしば邪魔な難防除雑草の扱いをされることもある植物です。

生かすか否かはあなた次第です。

■参考
医療情報21 飲食物中の蓚酸含有量について
公益財団法人日本医療機能評価機構 Mainds ガイドラインライブラリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?