ブルーの先は一方通行で2
※お立ち寄り時間…5分
―袖うち振りし 心知りきや―
学校の図書室は、少しばかり特別だった。
図書室は、離れにある小さな林の中にあった。初代校長がこよなく書物が好きで、退職時に寄贈したと言われている。
運動部が練習しているグラウンドを横目に、飽きることなく図書室へ向かう。部活動中は、ほとんど人が来ない。人が苦手な私にとっては、隠れ家のような存在だ。
最近、建てつけの悪くなった扉を開ける。窓の一部がステンドグラスになっており、細部にこだわりのある図書室だ。ほんの少し埃くさ