栞帆

何気ない日常をテーマに執筆しています。 毎週 月曜日or日曜日に気まぐれに更新します。…

栞帆

何気ない日常をテーマに執筆しています。 毎週 月曜日or日曜日に気まぐれに更新します。 3分から5分ぐらいでさっと読める、そんなお話達。 リクエストもお待ちしてます。 ホシワカシイタケ作品

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真っ白な月曜日

「真っ白…。」 仕事終わり、会社を出て広がる目の前の光景にほとほと立ち尽くす。 「月曜日だっていうのに。お呼びじゃないよ、もう。」 首に巻いたマフラーをいま…

栞帆
3年前
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電影

※お立ち寄り時間…1分半 カプセルトイをずっと回していたくなる 財布にあるもの全部 すっからかんに 手に入ったカプセルトイが 何かの役に立つかも分からない だけど、…

栞帆
1年前
2

拝啓、あの人へ

※お立ち寄り時間…3分 メガネを買った 今時、きっと珍しいまあるい黒縁のメガネ ほんの少し、進みすぎる時代への反抗 メガネをかけて、ぼんやりした景色がパーッとクリ…

栞帆
2年前
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君、炎上

※お立ち寄り時間…3分 一瞬だった。 君から目が離せなくなった。思わず呼びかけると、細い線がゆっくりこちらを向いた。 君は、透き通っていた。向こう側が見える程に…

栞帆
2年前
6

ココアくんと君と

※お立ち寄り時間…3分 いつも閉店間際だった。 ギリギリになって買いに来る。10代と20代の間ぐらいの男の子が、とびきり甘いココアをひとつ。 素顔は、何一つ知…

栞帆
2年前
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雨の日には冷えたスプーンを

―かわいくもなく、あざとくもないなら、いっそしたたかに― ※お立ち寄り時間…5分  「私、サファリパークのトラになりたいんだよね。」  真っ白な肌に、真っ赤なル…

栞帆
2年前
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雨の日には冷えたスプーンを

―秘密のある夜更かしは、結構楽しい― ※お立ち寄り時間…5分  「昔、嫌いな食べ物ってなんだった?」 ほんの少し、関係を進めたい時、この質問をする。 ピーマン、…

栞帆
2年前
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雨の日には冷えたスプーンを

ー「気になる」なんて、洋服選びと一緒ですね ー ※お立ち寄り時間…5分 「あなたは、ずっと私の憧れです」 小学校の卒業式の前日、人生で初めてラブレターを貰った…

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2年前
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雨の日には冷えたスプーンを

ーヨーグルトの賞味期限が切れる前にー ※お立ち寄り時間…3分 言葉にならないモヤモヤとした感情 時々やってくる、あの感覚 カポーティは、Redと 村上春樹は、体のまわ…

栞帆
2年前
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ブルーの先は一方通行で4

―青は、藍より青し― ※お立ち寄り時間…5分 幼馴染のつかさが大の字になって寝ている。明日から夏休みだと言うのに、辛気臭い奴だ。 「やっぱり、聞いてたのか」 ほ…

栞帆
2年前
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ブルーの先は一方通行で3

―ゆく夏と手持ち花火― ※お立ち寄り時間…5分 「これで最後ね。」  あゆむは、そう言って線香花火を差し出した。縁側に座る、俺と橘先輩に。 「佐久間さん、ありが…

栞帆
2年前
1

ブルーの先は一方通行で2

※お立ち寄り時間…5分 ―袖うち振りし 心知りきや― 学校の図書室は、少しばかり特別だった。 図書室は、離れにある小さな林の中にあった。初代校長がこよなく書物が好…

栞帆
2年前
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ブルーの先は一方通行で

※お立ち寄り時間…5分 ーそうめん、食べれるようになったよー 終わった。 まだ、8月の上旬、夏真っ盛りだと言うのに音も気配もなく、俺の夏は崩れ去った。 もはやホラ…

栞帆
2年前
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雨の日には冷えたスプーンを

※お立ち寄り時間…5分 –ビールのおつまみは枝豆でなければならないのか– この間、下半期の占いを見ていた時、ふと感じたことがある。 〇〇座の女性×◎◎座の男性→…

栞帆
2年前
6

花びらの案内人

※お立ち寄り時間…5分 昨夜は、ひどい雨だった。 梅雨も明けたというのに、時々、世界中の悲しみをまとめてひっくり返したかのような雨が降る。それでいて、次の日はすっ…

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2年前
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昨日の今、明日の今

※お立ち寄り時間…5分 「ねえ、あなたお腹すいてない?」 突然の夕立に右往左往していた私に、小柄だけどちょっと横幅のあるマダムが声をかけてきた。 「え?」 「ラザ…

栞帆
2年前
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真っ白な月曜日

真っ白な月曜日

「真っ白…。」
仕事終わり、会社を出て広がる目の前の光景にほとほと立ち尽くす。
「月曜日だっていうのに。お呼びじゃないよ、もう。」
首に巻いたマフラーをいま一度抱き寄せ、小走りで通りの信号機へ急ぐ。何年社会人やっていても、カバンに忍ばせることを忘れる傘。ついでに天気予報もなかなか続かない。
街は、稀に見る大雪で、ある意味「息をのむほど」美しい白に包まれていた。深々と止むことを忘れ

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電影

電影

※お立ち寄り時間…1分半

カプセルトイをずっと回していたくなる
財布にあるもの全部 すっからかんに

手に入ったカプセルトイが
何かの役に立つかも分からない

だけど、誰かの夢を、命を、繋ぐかもしれない
あなたの 好き は、誰かの希望で

脈々と命を創っている

とつとつと溢れる 生き場ない
濁った色が それさえも 掬ってくれる
君がいる

必要以上に踏込まず
甘いとも苦いとも癒えぬ
乾杯、さえ

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拝啓、あの人へ

※お立ち寄り時間…3分

メガネを買った
今時、きっと珍しいまあるい黒縁のメガネ
ほんの少し、進みすぎる時代への反抗

メガネをかけて、ぼんやりした景色がパーッとクリアになった時

あの人の心の中も手に取るように見えたら良いのにって

「好きだけど、特別じゃない。」

なんで見えないんだろうって
少しだけ俯いて
いつもの私のはずなのに
手のひらに爪が入り組んでいた

思えば、好きという気持ちが、一

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君、炎上

※お立ち寄り時間…3分

一瞬だった。

君から目が離せなくなった。思わず呼びかけると、細い線がゆっくりこちらを向いた。
君は、透き通っていた。向こう側が見える程に。

ほどなくして、君と恋人になった。君との毎日は、何をしても素晴らしいものだった。

幸せの色を集めて、君の服を作ろう。
全ての光を集めて、君の居場所を。
どんなに暗い場所でも、すぐに君のもとへ駆けつけられるように。

幸せだ。

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ココアくんと君と

ココアくんと君と

※お立ち寄り時間…3分

いつも閉店間際だった。

ギリギリになって買いに来る。10代と20代の間ぐらいの男の子が、とびきり甘いココアをひとつ。

素顔は、何一つ知らない。名前も、職業も、もちろん嫌いな食べ物も。きっと好きな飲み物は、「ココア」なんだろうけど。

定休日以外は、毎日、閉店までのおおよそ30分の間に必ず息を切らしてやってくる。まるで、小さなレトリバーみたいにやって

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雨の日には冷えたスプーンを

―かわいくもなく、あざとくもないなら、いっそしたたかに―
※お立ち寄り時間…5分

 「私、サファリパークのトラになりたいんだよね。」

 真っ白な肌に、真っ赤なルージュを躊躇いなく引いていたYは、おもむろに私に話し始めたことがあった。当時、「ナチュラルメイク」や「すっぴん風メイク」なんかが流行りだしていて、そんなものどこ吹く風と好きなものを身につけるYが非常に眩しく見えたものである。

「サファ

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雨の日には冷えたスプーンを

雨の日には冷えたスプーンを

―秘密のある夜更かしは、結構楽しい―

※お立ち寄り時間…5分

 「昔、嫌いな食べ物ってなんだった?」

ほんの少し、関係を進めたい時、この質問をする。
ピーマン、トマト、椎茸、グリンピース、コーヒー等、多種多様な回答がある。歳を重ねるにつれて、「嫌い」だった食べ物が「苦手」となり、「好んでは選ばない」まで落ち着き、「食べれる」まで昇格し、遂に「好き」に進化を遂げることもある。それは、段々と味覚

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雨の日には冷えたスプーンを

ー「気になる」なんて、洋服選びと一緒ですね ー

※お立ち寄り時間…5分

「あなたは、ずっと私の憧れです」

小学校の卒業式の前日、人生で初めてラブレターを貰った。女の子からだった。Mちゃんという子で、委員会が一緒だった。

初めてラブレターを受け取った時は、どうしたらいいのか分からなかった。
だから、彼女の気持ちに「YES」も「NO」も言わずに、ただ沈黙を貫いた。

その後、中学、

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雨の日には冷えたスプーンを

雨の日には冷えたスプーンを

ーヨーグルトの賞味期限が切れる前にー

※お立ち寄り時間…3分

言葉にならないモヤモヤとした感情
時々やってくる、あの感覚

カポーティは、Redと
村上春樹は、体のまわりを吹きすぎていく風と

私は
どうしようもなく誰かに会いたくなる
このままブレーキを加速して赤を越えたくなる

寂しさと狂気の間にある感情
この得体の知れぬ感情

この世界は、私の知らないもので溢れていて
きっと、教科書に出

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ブルーの先は一方通行で4

ブルーの先は一方通行で4

―青は、藍より青し―

※お立ち寄り時間…5分

幼馴染のつかさが大の字になって寝ている。明日から夏休みだと言うのに、辛気臭い奴だ。

「やっぱり、聞いてたのか」

ほんの数分前、ある種の恋敵でもある『橘先輩』から恋愛相談を受けていた。
橘先輩は、知らない人はいないくらいの美人で、言わばマドンナ的存在だ。理由は分からないけど、何故か『橘先輩』から好意を寄せられていて、何だかんだ授業が終わると、一緒

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ブルーの先は一方通行で3

ブルーの先は一方通行で3

―ゆく夏と手持ち花火―

※お立ち寄り時間…5分

「これで最後ね。」

 あゆむは、そう言って線香花火を差し出した。縁側に座る、俺と橘先輩に。

「佐久間さん、ありがとう。」
「いーえ。火、付けますね。」

 相変わらず、あゆむは橘先輩と仲がいい。
そして橘先輩は、あゆむに多かれ少なかれ好意を寄せていると思う。

本当は、橘先輩と二人きりで花火大会に行く予定だった。けれども、例のごとく次々と中止

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ブルーの先は一方通行で2

ブルーの先は一方通行で2

※お立ち寄り時間…5分

―袖うち振りし 心知りきや―

学校の図書室は、少しばかり特別だった。
図書室は、離れにある小さな林の中にあった。初代校長がこよなく書物が好きで、退職時に寄贈したと言われている。
運動部が練習しているグラウンドを横目に、飽きることなく図書室へ向かう。部活動中は、ほとんど人が来ない。人が苦手な私にとっては、隠れ家のような存在だ。

最近、建てつけの悪くなった扉を開ける。窓の

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ブルーの先は一方通行で

ブルーの先は一方通行で

※お立ち寄り時間…5分

ーそうめん、食べれるようになったよー

終わった。
まだ、8月の上旬、夏真っ盛りだと言うのに音も気配もなく、俺の夏は崩れ去った。

もはやホラーだ。

さっき、コンビニで買ったアイスキャンディーは、見事にハズレで、後ろにふらついたはずみで犬のフンを踏んだ。さっきしたばかりみたいだった。乾いてろよ。

本当にツキが尽きたみたいだ。

「おーい!つかさー!」

あまりの耐え難

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雨の日には冷えたスプーンを

※お立ち寄り時間…5分

–ビールのおつまみは枝豆でなければならないのか–

この間、下半期の占いを見ていた時、ふと感じたことがある。

〇〇座の女性×◎◎座の男性→相性100%!!!!!!!

はて、なぜ「女性」と「男性」だけの組み合わせなのだろうかと。

人間の性を構成する要素は、身体の性別、心の性別、性的指向、性別表現がある訳で、そもそも二分されるものではない。性は、グラデーションであり、

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花びらの案内人

花びらの案内人

※お立ち寄り時間…5分

昨夜は、ひどい雨だった。
梅雨も明けたというのに、時々、世界中の悲しみをまとめてひっくり返したかのような雨が降る。それでいて、次の日はすっかり元気だ。神様のストレス発散というところか。

「あれ…?まただ。」

いつからだろう。玄関の前にばらの花束が届けられるようになっていた。決まって、日曜日の早朝だった。
不思議と気味が悪いとは思わなかった。というのも、指を切らないよ

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昨日の今、明日の今

昨日の今、明日の今

※お立ち寄り時間…5分

「ねえ、あなたお腹すいてない?」

突然の夕立に右往左往していた私に、小柄だけどちょっと横幅のあるマダムが声をかけてきた。

「え?」
「ラザニア、作りすぎちゃったの。」
「ラザニア?」
「そう。雨宿りがてら食べて行かない?」

細い窓の隙間から、さあ、いらっしゃい、と誘うように、食欲のそそる香りが鼻先をくすぐる。どうやら、不覚にも雨宿りをしていたのは、他人の軒先だったら

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