雨の日には冷えたスプーンを一白線上の人生一
※お立ち寄り時間…3分
泣きながらご飯を食べれる人はつよい
お気に入りのドラマの台詞だ。
白線を見るたびに、人生みたいだなと思う。
真っ直ぐ綺麗に伸びている時もあれば
所々でこぼこしていたり
ぐにゃりと曲がっていたり
良いこともあれば、悪いこともある。
神様は、乗り越えられない試練は与えない、なんてことを言う人もいる。
正直、楽しいことが続いた方がいいのだけれど。
白線からぽとりと足を踏み外したことがある。
前触れはきっと沢山あったけれど、自分の殻に閉じこもって、誰にも寄りかからずに、じっと耐え忍んでいた。
いつの間にかぽとり、と音がした。
あっけらかんとしていた。
冷たかった。
好きだったものがしんどくなる
テレビやカレンダーが怖い
感情のコントロールがままならない
どうしたらいいのか、何をしたらいいのか
全く分からなくて、ただただ泣きながら歩くことしかできなかった。
毎日、毎日、体中が悲鳴をあげるくらい、歩いて、歩いて、歩いた。
どうしたの?ちょっとおいで
ふと、顔を上げると、近所のおばあちゃんが背中をさすってくれていた。
泣きながら、少しずつ言葉を繋いでいく。
ゆっくり、本当にゆっくり話していくと、だんだんと気持ちが整理されていった。
出されたリンゴジュースは、カランと氷が優しく鳴って、じんわりあたたかかった。
大丈夫だから、みんないるからね
その日から、近所のおばあちゃんや家族、親戚、友人たちに少しずつ話を聞いてもらいはじめた。
頼っちゃいけない
迷惑かけちゃいけない
そう思っていたけれど、1人で出来ないことなんて沢山ある。むしろ出来ることの方が少ない。
誰ひとり嫌な顔、嫌な声をせずに、静かに話を聞いてくれた。くだらない話で笑わせてくれた。
誰も頼る人がいないと思って、殻に閉じこもっていたけれど、声をあげれば、抱きしめてくれる人がこんなにもいるのだと実感した。
助けてください
迷惑かけたっていい
何も出来なかった日があってもいい
怖がらずに声をあげれば、手を差し伸べてくれる人が沢山いる。白線からぽとりと落ちてしまったとしても
はしごをかけてくれる人
一緒に登ってくれる人
最後に白線に引き上げてくれる人
案外、世界は優しい人で溢れている。
辛い思いを沢山した人ほど、柔らかくて愛おしい
おばあちゃんになって、いつかの自分のような子に出会ったら、迷わずに手を差し伸べるだろう。
大丈夫だから、みんないるからね
今度は、わたしが手を差し伸べる番だ。
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