拝啓、あの人へ
※お立ち寄り時間…3分
メガネを買った
今時、きっと珍しいまあるい黒縁のメガネ
ほんの少し、進みすぎる時代への反抗
メガネをかけて、ぼんやりした景色がパーッとクリアになった時
あの人の心の中も手に取るように見えたら良いのにって
「好きだけど、特別じゃない。」
なんで見えないんだろうって
少しだけ俯いて
いつもの私のはずなのに
手のひらに爪が入り組んでいた
思えば、好きという気持ちが、一方的すぎて
まとわりついて、意地悪になっていた
そっぽを向いて暮らしてるみたいに
心がぐらついて、言葉が足りなくて
自分の気持ちが、言葉にも、絵にも、音楽にも
見当たらなかった
今は、誰の心の中も
メガネをかけるみたいに
見えなくていいと思えるようになった
私を大切にしてくれる人が
私から私に伝えたい
メガネをかけて見えるクリアな気持ちを
あの人の心から聞きたい
たとえ望んでいない答えでも
たとえ愛してもらえなくても
私を信じて伝えてくれた言葉なら
ちゃんと受け止められる気がするから
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