Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル 10 配布物の配り方 と 連絡袋に入れる方法 その2
1️⃣ プリントを後ろに配るときは、身体を捻り相手と目を合わせて「どう
ぞ」と言う。相手は「ありがとう」と言う。配布物が、足らないときは
どうするのかを覚える。
【育て方】
家でも、ものを「手渡し」する経験しておくといいでしょう。「すみません」を使って頼み「はい、どうぞ」と「ありがとう」をついでに経験しておくのです。練習ではなく、日常生活として普通にやりましょう。
クッキングをしているときに、お玉を取ってもらう例で書きます。
【セリフ】 「やりとり」を使っています。
「ねぇ、ごめんそこの『お玉』とってくれる(「すみません」)?」
「お玉って、どれ?」
「左手にある、お汁とかすくうやつだよ(「覚えて」)。」
「これ?」
「急に渡されたら、びっくりするじゃないの。そいうときは『はいどうぞ』と言うのよ(「覚えて」)。言ってみて。」
「はい、どうぞ。」
「こちらこそ。ありがとう。上手に渡してくれて、嬉しいわ(「共感」)。これからも、そうしてね。」
凸凹タイプには「何かがないときは、どうするか」を経験させて、そのときのルールを覚えさせておくと小学校で役立つでしょう。そうでないと、泣いたり、固まったり「ない、ない」と叫んだりと、自分なりの間違った解決策を考え出すからです。
家庭では「何かがないときは、親に聞く」というルールにしておくといいでしょう。学校に行くようになっても「なにかが、ないとき」は、先生に聞けばいいからです。
食事のときに、自分のスプーンがないときの例で書きます。
【セリフ】
「ぼくのスプーンがない。ない。ないよ。ない。」
「スプーンがないのね(「共感」)。お母さんが出し忘れてたのかな(「想像」)。そういといはね『ない、ない』と言ってても何も解決しないの?」
「・・・」
「なかったら、『お母さん、僕のスプーンはどこにありますか?』って聞い
てください(「覚えて」)。聞いてみて。」
「僕のスプーンは、どこにありますか?」
「まだ、教えてなかったね。梓のスプーンは、こっち来て・・・ほら、この
引き出しに入っています。引き出しのここ、左端ね(「覚えて」)。だか
ら、梓のスプーンがなかったら、ここら自分で出してね(「覚え
て」)。」
「分かった。」
「分かったの。偉いね(「共感」)。それからね。もしこれからは、何かな
かったりして困ったら「ない、ない」と叫んでないで、お母さんに『なに
なにが、ない。どこにあるの?』って聞いてね。ちゃんと教えて上げるか
らね(「覚えて」)。」
「次らから、そうする。」
2️⃣ 配布物を前に取りに来るときは、黙って一方通行で取りに来る。
遠くの物をとってきてもらう経験を、たくさんしておくといいでしょう。親が何か用事を頼んで、物をとってきてもらうことになります。これは、「すみません」の使い方の例示にもなるので一石二鳥です。
「テレビのリモコンを取ってもらう」例で【セリフ】を書きます。
【セリフ】「やりとり」を使っています。
「ごめん。今ちょっと手が離せないのよ。あなたの前にあるリモコンを取っ
てくれる。」
「リモコン?」
「そう、テレビを付けたり消したりするやつ。悪いけど、ここまで持ってき
て欲しいの。」
「分かった。・・・持ってきたよ。はいどうぞ。」
「ありがとう。助かるわ。『はいどうぞ』も、ちゃんと言えたね
(「共感」)。これからも、お手伝いをお願いね。」
「いいよ。」
3️⃣と4️⃣の【育て方】は次の記事に書きます。