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2021年映画ベスト10

あけましておめでとうございます。大晦日~新年はカミさんの実家と自分の実家で鬼のように出される飯を食らいまくっていたら過ぎていきました。明日から仕事開始ですね。リモートワークが主体だと、なんだか仕事始めもいわゆるスイッチ的なものがない気がします。ということで自分は、今週は1回か2回は出社して何とかスイッチを高めたいと思います。

他SNSでタイトルだけ掲示した2021年映画ベスト10ですが、せっかくnoteもやってることだし各映画へのコメントなどをつけながら振り返ってみようかと思います。

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10位:ゴジラ vs コング

Legendary が始めた「モンスター・ヴァース」の4作目ですね。「モンスター・ヴァース」てのは超簡単に言うと、ゴジラとキングコングを主人公に添えて一連の怪獣映画を一緒くたにしたアメリカのメディア・フランチャイズで、Legendaryが製作してWarner Brosが共同で配給しています。どこかのUniversalが始めたダーク・ユニヴァース・シリーズは爆死しましたがこちらは現在までおよそ16億ドル以上の興行収入を記録しており概ね好評なようです。

前作「ゴジラ:キング・オヴ・モンスターズ」は怪獣のド派手なシーンは超楽しかったのですが人間ドラマがとにかくひどい、ということで評価が微妙に芳しくなかったのですが、それを得て「じゃあ人間ドラマいっそのことなくそうぜ!」というまさかの方向性にかじを切り、ただただコングとゴジラと○○がド派手に戦いまくるというIQ低めに楽しめるスカッと映画になっていました。全世界的にはかなり興行収入で検討したのですが日本ではあまり振るわず。コロナ禍で暗い世の中ですしもっと行くかと思ってたのですけど。にしても、これがハリウッド・デビュー作だという小栗旬のあまりの扱いのひどさにはちょっと涙が出そうになった。

9位:OLD

みんな大好きナイト・シャマラン監督による最新作。ビーチにいるとすげえ勢いで老いていくよ!という、JOJO第5部の生かした兄貴のスタンド能力のようなビーチを舞台としたホラー映画。氷だけでわりかし防げるあっちのスタンド能力に比べてこっちはかなりなレベルの絶望感が支配しててすげえ良かったです。シャマラン一流の強引さとノリと勢いがいいように作用し、全く飽きさせない。シャマラン監督自身の過去最長レベルのご出演も見どころ。

8位:ドント・ルック・アップ

Netflix製作ディザスター・ムービー、の皮をかぶった超絶ブラック・コメディ。レオナルド・ディカプリオだのメリル・ストリープだのアリアナ・グランデだの、キャスティングのレベルがおかしい。

2021年に米国で顕現した様々な問題のどれもこれもがブラックに風刺されていく様と豪華俳優たちのふりきった演技が素晴らしい。1998年には「地球を滅ぼす隕石はわが国が何とかするぜ!」と『アルマゲドン』を作った国が2021年にはこれを作ってしまうというのが何とも。にしてもメリル・ストリープはよくこの役を受けたなあ‥。

7位:屋敷女 ノー・カット 完全版

フレンチ産血みどろゴアゴアスプラッター映画。ノーカット版ということでさらに容赦なしでお届け。マーターズしかりRAWしかり、フレンチ・ホラーは本当に容赦なくて受ける。前半は確りホラー、後半は笑えるくらいのスプラッター、しかしきっちり90分に収めるよということで見事。どうでもいいんですけど『ホーム・アローン』しかり海外は本当家が広いのでこういう物語ができますけど日本のクソ狭賃貸住宅じゃあこうはならないよなあ。

6位:マリグナント

ジェームズ・ガン監督による原点回帰ホラー。2021年最も話題になった作品の一つではないでしょうか。自分も「もう一度観たい作品」だとこの作品が1位です。『アクアマン』や『スーサイド・スクワッド』で大成功を収めてもこんなホラーを撮ってくれるジェームズ・ガン監督、素敵…。

「そうはならんやろ」⇒「なっとるやろがい」がとんでもない熱量で襲ってくる後半がマジに最高。スタイリッシュすぎるカメラワークや殺陣も含めて、本当にオンリー・ワンの魅力が詰まっています。ストレス解消度満点。

5位:アンテベラム

↑のマリグナントと公開時期・ジャンル・カタカナ6文字というところまでかぶって若干話題が持ってかれた感があるのですが、本作もまたすさまじかったです。『ゲット・アウト』『アス』と同系統の黒人差別問題を描いた作品なのですが、こちらの方がより遊びがないですし痛烈ですし、何より「怖い」。途中までの「??」が「!!」に変わる瞬間は、カタルシスというのもはばかられる、何ということを描いている映画なんだ感。『羊たちの沈黙』をパロったようなポスターもクールですね。

4位:ミッドナイトトラベラー

タリバンから死刑宣告を受けたアフガニスタンの映画監督が家族を連れて5,600km先のヨーロッパまで逃れる様子を3台のスマホで撮影、編集したドキュメンタリー。スマホのみの映画ながら編集や劇伴は凝っており、十二分に映画として成立しています。娘2人の快活な様子やどうでもいい夫婦喧嘩などが多めでほのぼの加減が高いのですが、かと思いきや劣悪な難民キャンプや寒い森の中での野宿など、過酷なシーンも多いです。

文字通り命がけで世界に現実を伝えるその勇気に脱帽。あととにかく娘さんがかわいい。

3位:トゥルーノース

2021年最も心をえぐられた映画です。脱北者による証言をもとに10年をかけて生み出された北朝鮮の強制収容所の実態を描くアニメーション。幸せに暮らしていた家族が突然地獄に突き落とされる。強制労働、差別、虐待、拷問、性暴力、ありとあらゆる悪夢のフルコース。荒いポリゴン調で描かれていることもありまるで寓話の様ですが、日本の隣国で行われていることであり現在でも12万人以上がこの地獄に落とされ、かつそのエリアは拡大しているとの事。

こちらの映画を見てすぐに「北朝鮮人喰い収容所: 飢餓と絶望の国 /黄万有」という本を読みました。映画の中では劇的に描かれているところもありましたが、実際の現場ではそんなことは一切ないのでしょう。やりきれない。

2位:ラスト・ナイト・イン・ソーホー

『ベイビードライバー』もぶっ飛びましたがこちらもぶっ飛びました。エドガー・ライト監督の表現力は更に進化しており、ロンドンの煌びやかさ・危うさがさながらドラッグのように襲い掛かってきます。過去と現在の舞台転換もあいまり終始クラクラ。ちとシュールな感じのホラー描写はご愛敬。

アニャ・テイラー=ジョイさん雰囲気変わりすぎてわからなかったのですが、「ウィッチ」のあの女の子だったのですね。

アニャ・テイラー=ジョイさんの歌う「恋のダウンタウン」↓https://www.youtube.com/watch?v=5scyFAB1ZVY

自分も経験あるのでわかるのですが、陽キャたちのパーティーで完全アウェーを感じた時に若干陰の感ある、だけど陽の人たちとも普通に話ができる人が話しかけてくれるとすっげえ救われるんですよね。

1位:ライトハウス

ロバート・エガース監督。A24。ダントツです、最高でした。

閉鎖空間/狂っていく(る)男たち/クトゥルフ感/寂寞とした雰囲気/モノクロの世界観

もうすべてが自分のツボです。灯台ということで自分の大好きなレイ・ブラッドベリの作品『霧笛』を想起させる点もツボ。そんなロバート・エガース監督、前作は↑のアニャ・テイラー=ジョイが主演を務めた『ウィッチ』でして、次回作『The Northman(原題)』では再びアニャ・テイラー=ジョイさんも出るようです。楽しみですね。

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ということで、TOP10を振り返ってみました。他にも2021年にはシン・エヴァがあったり邦画で昨今珍しくツボだった街の上でがあったり色々と良かったものはあったのですが。

しかし若干回復したとはいえ2021年に映画館に行った回数は29回。一昨々年に比べると半分以下だもんで、来年はやはりもう少し映画館に行きたいですね。

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