ナース服を着たくて、なんとなく歯科衛生士になって16年目。
私の職種は歯科衛生士と伝えると、友人や知人に必ず不思議そうに聞かれる。
「どうしてたったの17歳で歯科衛生士になろうと思ったの?」と。
特に文系の大学に進学した友人からすると、18〜22歳の間にやりたいことを見つける人が多い中、素朴な疑問を抱くと言われた。
これは大それた理由などなくて、なんとなく。
そして、強いて言えば、歯科衛生士ってモテそうという下心。
制服でナース服を着たかったという憧れ。
歯科衛生士を目指した理由はこの3つである。
ただ、私は職種以前の問題でお世辞にも可愛い・美人と言えない顔面だったので結論から申し上げるとモテなかった(苦笑)
そして、この職種を選んだ背景として、大学には行きたかったけど、行く頭と経済的な選択肢がなかったという理由は勿論あるけど、なんとなく選んだ割にはラッキーな事にこの仕事が向いていたみたいで、今年で16年目になる。
1件目のクリニックは7年勤務して、現在のクリニックは有難いことに9年目になる。(内一年半は産休育休)
仕事を決めるにあたって、真面目に自己分析や自問自答するのも大切だけど、モテたいとか、年収がいいとかの単純な下心って意外と大切かもと思った。
特にモテたい。これって生きるにあたりもの凄く原動力になるのだ。
例えばプロのバンドマンやサッカー選手だって始めたきっかけはモテそうだからとかの話はよく聞くし、結果プロになれなくても単純な理由から自分が没頭できるものが見つかるって素敵だと思う。
そしてもう一つの理由ナース服を着たかった憧れについて。
高校2年生の頃、コンビニにてナース服の上に紺色のカーディガンを羽織ってお弁当を選んでいたあの彼女を見かけ、憧れたのだ。(実際の職種は不明)
私もナース服を着て、コンビニでさりげなくお買い物する自分に酔いしれたい!という恥ずかしながら少し、かなり痛い考えであった。
ただ、理由は痛くても、些細な事でもなんでもいいから憧れって大切かもと思う。
誰もがあの時考えた、「将来の夢はなんですか?」の問い。私はこの問いが嫌いだ。
夢ってつい大それた事を考えてしまいがちだから。
芸能系とか、クリエイティブな職種とか、具体的な目標があって起業するとか。
この問いが人生のハードルを上げてしまい、見えない何かに囚われてしまっている。
何か大きなことを目指さないと。自分で勝手に見えない何かに急き立てられ、プレッシャーをかけられ、焦せらせるのだ。
つまり目標くらいでいいのではないだろうか。
夢というワードが逆に若者の将来の可能性を狭めて、自己肯定感を下げてる気がするのだ。
夢や、やりたい事がないのが人間の通常運転なのである。
だけどちょっとした、下心、憧れ、目標はいくらでも真っ白なノートに殴り書きできるはずだ。
〜に住みたい、憧れのあの場所で働きたい、いくら稼ぎたい、あの人と知り合いたい、ドラマで見たあの仕事ってかっこいい。
究極に言うとどんな自分に酔いしれたい?どんな人になりきりたい?
ナルシストで、痛くて、ダサいと思うだろうが、ナルシストくらいでちょうどいいのだよ。他人に危害を加えなければ。
今の若者は作られた、実体のない、偽物の塊のようなインスタグラムにより他者と比較して疲労困憊して、自己肯定感が下がっているからだ。
どんな人になりきりたい?酔いしれたい?
例えば、この間見かけた片手にコーヒ持って誇らしげに歩くあのビジネスマンとか。彼はどんな職種だろうか?外資系?金融系?不動産?
例えば、空港で働いているいつもピシッと綺麗に整えてる憧れのあの彼女とか。
どんな下心がある?
例えば自分が美容が大好きでおそらくあるだろう社割を利用したいが為に就職する下心 とか。
とある業界に入って憧れのあの人と知り合いたい下心とか。
もちろん仕事を続けるにあたり自分がその職種に向いてるかが1番需要だ。
ただしょうもない理由で目指した職業が長い目で見て結果、天職になる可能性もあるということを私は伝えたい。
余談だが、最初に就職した歯科医院は制服が残念ながらパンツだった。
ただ1年後、制服がリニューアルされ白のワンピースになり、あの憧れの紺のカーディガンを羽織ってコンビニの弁当を吟味する彼女になりきれたのである。
初めてのなりきりはニヤニヤが止まらなかった。コンビニでスキップしたい気持ちを必死に抑えて、平然を装いお弁当選んだのだ。。
ちなみに現在はもうパンツ派である。動きやすいしね!
そして、憧れの彼女を卒業した、現在の私は「最高の離婚」の主人、濱崎光生になりきって生きている。詳細はこちらをどうぞ。
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