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アカデミー賞

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アカデミー賞関連の記事をまとめています。
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記事一覧

【2024年】これから日本公開予定の注目作

【2024年】これから日本公開予定の注目作

 『異人たち』、ご覧になりましたか!?コナンもいいけど、『異人たち』もね!

 『オッペンハイマー』は公開されましたが、今後も有力作が目白押しです。今年はもっと映画館で観たいです。

4月公開悪は存在しない

 濱口竜介監督最新作。邦画で現在のアカデミー賞有力作品はコレ。4月26日公開。

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命

 3か国合作の昨年のカンヌコンペティション部門出品作品。同じ

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ようやく全米脚本家組合賞(WGA)が発表/賞レース脚本賞を振り返る

ようやく全米脚本家組合賞(WGA)が発表/賞レース脚本賞を振り返る

 アカデミー賞授賞式が終わったことにより、2023年度の賞レースがすべて終わったかと思いきや、実は重要な前哨戦である全米脚本家組合賞の発表がされていませんでした。

 その理由はもちろんWGAのストライキによる影響です。

 全米脚本家組合賞は、アカデミー賞にも影響が大きく、由緒ある賞なのですが、やはり「前哨戦」という位置づけが強いことから、今回はエントリーをしなかった作品が少なくありませんでした

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【第96回アカデミー賞】受賞者たちの今後の待機作

【第96回アカデミー賞】受賞者たちの今後の待機作

 授賞式から3週間が経ち、来年のアカデミー賞に向けた噂がチラホラ出て生きています。

 フランシス・フォード・コッポラ監督の10年以上ぶりの新作"Megalopolis"やレディガガが出演する『ジョーカー』の続編"Joker: Folie à deux"など…。

 次回アカデミー賞の予想はまた改めて記事にするとして、ひとまず第96回アカデミー賞受賞者たちの今後の予定について見てみましょう。

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世代にはたまらない現代のラブ・ストーリー『パスト ライブス/再会』

世代にはたまらない現代のラブ・ストーリー『パスト ライブス/再会』

 第96回アカデミー賞に向けた賞レースで、インディペンデント映画として最後までトップランナーだった作品が『パスト ライブス/再会』です。

 毎年1月に開催されるサンダンス映画祭で絶賛されると、その勢いのまま6月に公開され、ほとんど息切れしないまま、アカデミー賞でも2部門でノミネートされました。

 作品賞にノミネートされた作品で、個人的一位は『オッペンハイマー』ではなくこの作品でした。

数々の

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『オッペンハイマー』をより楽しむために頭に入れておきたい3つのこと

『オッペンハイマー』をより楽しむために頭に入れておきたい3つのこと

 ついに本日公開となったクリストファー・ノーラン監督、『オッペンハイマー』。

 「複雑」とも言われる本作ですが、同監督の『メメント』や『インセプション』、特に『TENET テネット』に比べたらそこまで身構える必要はありません。

 ただ『メメント』などと比べて、【1】登場人物が桁外れで、セリフもかなり多いこと、【2】(主に核関連の)物理学の用語が出てくることもあり、字幕で追うとちょっと置いてけぼ

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アカデミー賞にノミネートされた舞台が原作の映画たち

アカデミー賞にノミネートされた舞台が原作の映画たち

 Amazonプライムのラインナップに『市子』が加わって、Xなどでぼちぼちレビューがまた増えてきているようなのですが、この『市子』が実は舞台を原作とした作品ということを知っているひとは多くないようです。

 原作舞台は『川辺市子のために』のタイトルで再演となった舞台で、再演の際には『川辺月子のために』という続編も制作されました。

 このあたりのお話はnoteに投稿済みなので上記をご覧いただくとし

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第96回アカデミー賞の振り返り/予想を外した部門

第96回アカデミー賞の振り返り/予想を外した部門

 授賞式から2週間が経ち、世間の話題も移ってきていますが、しつこく第96回アカデミー賞についてこすっていきます。

 まずは外した部門の反省会から。

【主演女優賞】リリー・グラッドストーン→エマ・ストーン 主演女優賞はリリー・グラッドストーンがSAGの結果を見て予想しましたが、甘かったです。

 ここで考慮すべきだったのが、SAGでのエマ・ストーンがリリー・グラッドストーンの受賞を心から喜ぶ様子

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【第96回アカデミー賞】短編ドキュメンタリー映画賞候補作ランキング

【第96回アカデミー賞】短編ドキュメンタリー映画賞候補作ランキング

 短編ドキュメンタリー映画部門がアカデミー賞に新設されたのは1941年のことで、衣装デザイン賞(1948年)、メイクアップ&ヘアデザイン賞(1981年)、ドキュメンタリー映画賞(1947年)、アニメーション映画賞(2001年)より歴史のある賞です。

 日本ではあまり特集されない部門ですが、今回はじめて授賞式前に候補作を観て、さすがアカデミー賞、侮れないなと改めて感じました。

 これはドキュメン

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【第96回アカデミー賞】短編映画賞候補作ランキング

【第96回アカデミー賞】短編映画賞候補作ランキング

 第96回アカデミー賞の候補になった作品は全部で51作品。

 毎年全作品の鑑賞を目標にしていますが、北米でもまだ配信が開始されてなかったり(はたまた既に配信が終わっていたり)、英語力の問題で観るのに時間がかかったりして、まだ7作品観れていません。

 全候補作品でのランキングを記事にしたいと思っているのですが、まだちょっと時間がかかりそうなので、ひとまずすべて鑑賞が終わった短編映画賞(Live

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アメリカの子どもたちは『アンネの日記』が読めない!?/短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート『禁書のイロハ』

アメリカの子どもたちは『アンネの日記』が読めない!?/短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート『禁書のイロハ』

 アメリカでは現在、今まで存在していた2,000冊以上の本が学校から排除されています。
 その本は以下の3つの分類に該当すると判断されたものです。

 これを聞くと、日本人であれば成人向けの書籍かな?と想像すると思うのですが、違います。
 その代表例が『アンネの日記』です。「どこが?」って思いますよね。

 その他の「禁書」とされた本を分類ごとに見てみましょう。

禁書とされた本の例制限:閲覧に制

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【後編】第96回アカデミー賞授賞式レポート

【後編】第96回アカデミー賞授賞式レポート

 第96回アカデミー賞授賞式のレポート後半です。

"バーベンハイマー"?"オッペンバービー"? 続いて登場するのはエミリー・ブラント&ライアン・ゴズリング。
 「バーベンハイマー」を代表するふたりはまずエミリーが「賞レースは圧勝だよね」とチクリ。
 それに対して「"オッペンバービー"じゃないよね?」と応戦するライアン・ゴズリング。

 新作で共演するふたりですが、あんま盛り上がってない感じ…。

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【前編】第96回アカデミー賞授賞式レポート

【前編】第96回アカデミー賞授賞式レポート

 第96回アカデミー賞特集もあと1回を残すのみとなりました。(↓前回)

 本日は授賞式を観てない方向けのレポートです。

ノミネート作品の映像クリップからスタート まずはノミネート作品のクリップからスタート。

『哀れなるものたち』→『バービー』→『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』→『ザ・クリエイター/創造者』→ 'May December' →『オッペンハイマー』→『ガーディアンズ

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『デューン 砂の惑星PART2』を120%楽しむための基礎知識

『デューン 砂の惑星PART2』を120%楽しむための基礎知識

 まだアカデミー賞の余韻が冷めないですが、来年のアカデミー賞に向けてハリウッドは動き始めています。

 そこで見事スタートダッシュを決めた作品が『デューン 砂の惑星PART2』です。

 前作は続編制作が決まっていなかったにも関わらず、原題は 'Dune: Part One' の強気なタイトルだったのですが(公開後、続編の制作が無事決定)、邦題は『DUNE/デューン 砂の惑星』でした。

 これは

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ロバート・ダウニー・ジュニアもエマ・ストーンも決めつけないで自分の目で見て判断したほうがいいという話

ロバート・ダウニー・ジュニアもエマ・ストーンも決めつけないで自分の目で見て判断したほうがいいという話

 昨日ロバート・ダウニー・ジュニアの受賞時の振る舞いに関する記事を書きました。

 「あったことのみ」事実として記載したので、「なかったことも記載すべきでは?」というコメントをいただきました。
(コメント嬉しいです。ありがとうございます。)

 これは自分も認識していたのですが、映像のすべてをテキストに起こすのは記事が冗長になるし、嫌悪を煽る記事にもしたくなかったので、「なかったこと」については文

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