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27-入学試験!やりきった!出し切った!

【前回のお話】

(739字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)

 「大丈夫、大丈夫ですよ。
  今まで竹子さんはたくさん勉強してきました。
  小論文の対策もばっちりです。きっと合格出来るでしょう」

 S教授に励まされ、試験会場へと向かった。


 20人分前後の席がポツポツと置かれている、小さめの講義室だった。

 既に数人の受験生が着席している。
 追い込みをしているのだろうか。中には眉をひそめて必死に参考書と睨めっこしている人もいた。

 時折ぼそぼそと中国語で会話しているのが聞こえてくる。
 なるほど、確かにS教授の言う通り、中国の方の入学希望者もかなりいるようだ。

 物音立てないよう、そろりと自分の受験番号が書かれた席に座った。


 試験は長文読解と小論文と、2部に分けられて行われた。

 情報量が多く、且つ限られた時間内で小論文を仕上げなければならなかったので、2、3時間にわたる試験時間でさえ短く感じられた程だ。


 終了時はもうクタクタだった。

 脳力を使い果たした。
 「不合格だったらどうしよう」と心配する余力でさえ無かった。

 ただ同時に、清々しい気持ちもあった。


 やりきった。

 結果はどうであれ、私は出し切ったのだ。


 最初の頃、自分の筆跡が見えないぐらい真っ赤に訂正された論文が、今や先生に「ほぼ完璧」と褒められる程になった。

 50、60点台でウロウロしていた小テストの成績が60点、70点、80点と上がっていき、ついには100点でさえ取れる程になった。

 メールも10分あれば1本打てるようになった。
 当時、1時間近くかけて書いていたのが嘘のようだ。


 本当に頑張った。
 本当に頑張った。

 思いっきり自分を褒めてやりたいぐらいだ。


 そして1週間後、合格発表当日。

 時間ぴったりにサイトにアクセスし、受験番号を入力した。
 震える手で「結果を見る」ボタンを押す。


 次の瞬間。

 画面中央に大きく映し出された結果を見て、私は大きく息を吸ったー-

(つづく)

📚どんな結果であれ、全力で頑張ったのなら悔いはない


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