#60 クレーム対応に、余分な文句や不機嫌な感情は一切いらない
(1326字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)
「いつになったら納品出来るんだ!さっさと製品を出荷しろ」
『はい、すぐに出荷班に連絡します』
「品質問題はまだ解決していないのか?!どれだけ待たせるんだ」
『はい、品質部に催促を入れます』
「竹子さん、あなたの部署の〇〇課長からまだメールの返事をもらえていないんだけど」
『はい、今確認します』
…………
毎日朝から晩まで顧客クレーム対応をしていると、時折気持ちがニュートラルになる。
理不尽なお客様の要望が来ると、以前はよく「なんだよ!」と不機嫌になったり、
また、他部署のミスなのに営業窓口である私だけが怒鳴られっぱなしの事態が理不尽だと感じていたりした。
けれど、こういった状況が長期間続くと、いちいち感情を動かすのが面倒くさくなってくる。
結果、喜怒哀楽も消えてしまうのだ。
かつてはあれこれと弁解したくなる時もあった。
だけどそんなことに時間をかけるぐらいなら、根本的に相手の不満となる原因をさっさと探し出し、解決した方が早いことに気付いた。
クレームの連絡が来たら、「はい、そうですね」とまずは相手の言い分を受け入れる。
次に「申し訳ございません、大変でしたね」ときちんと共感を示す。
このステップで冷静に柔らかい態度を取ることが出来れば、ほとんど場合相手も徐々に落ち着き、口調も穏やかになってくる。
最後に「では対応として〇〇します」と具体的な解決案を出す。聞き流していませんよ、ちゃんと行動しますよという態度を示す。
加えて「いつまでに対応します」と時間を約束出来れば、相手も更に安心する。
以上を踏まえ、今後二度と同じミスを繰り返さないようにする。
これで一件落着。終わりなのだ。
クレーム対応に、余分な文句や不機嫌な感情は一切いらない。
お客様だって暇ではない。
問題さえさっさと解決してしまえば、それ以上何も言わなくなる。
感情的になってだらだらと不機嫌を引きずることは全くの無意味で、お互いを余計苦しませるだけだ。
このように、私は数々のクレームの嵐という修羅場をたくさんくぐり抜けてきた。
そのおかげで、私は自分自身の欠点に対する指摘も客観的に受け止められるようになったーー
ーーと、一つかっこいいセリフを言いたいところだが、実は自分のこととなると、相変わらず全く冷静になれないのである。
クレーム対応と同様の理論で考えれば、指摘してくる人だって暇ではないわけだ。
しかも本来流せば良いだけのことを、わざわざエネルギーと時間を割いて私に注いでくれている。
だからちゃんと真摯に受け入れなければならないというのにーー
「一」を言われれば、「十」反論したくなる。
『ああいうこういう事情があったから仕方がないでしょ!』と大量の言い訳を吐き出したくなる。
逆切れして問い詰め、相手に「理解してあげられなくてごめんね」と謝らせたくなる。
日々クレーム処理をしている営業窓口担当者とは思えない程の、実に悪質な態度を出してしまうのである。
欠点を指摘されたら、認める、謝る、具体的な対策を考える、欠点を直す、過ちを繰り返さないよう気を付ける。
これだけで相手は心が軽くなるし、私も成長出来るというのに。
それなのに、今日も渦巻く悔しさに心をかき乱されている私がいる。
余分な文句や不機嫌な感情を全面的に出しながら。
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