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【小売業】メーカー派遣販売員...😅

<おじさんDX Vol 359>

個人的に懐かしさを感じるメーカー派遣販売員。

事の始まりは、どうだったのか忘れましたが、販売員という本来大切な役割を「人件費」削減のためでしょうか?

言い方は悪いですが「取引先に依頼という圧力?」で、メーカーから店舗に販売員として派遣されてくるのが、始まりだったように記憶しております。

それまでは、催事やOPENセール等の一時的な販売員の確保のためだったのが、常勤化したのです。

✅人件費削減❓

一時期このメーカーから派遣された販売員の手当は、メーカーサイド負担という事で、独占禁止法に...。


振り返ると2007年だったようですが、これは、どこの店舗でも大なり小なりあったのではないかと...個人的に思っています。

メーカーは、自社の売上確保のために「強い販売チャンネルを持つ企業とのパイプを太くしたい」という目論見もあったと聞いています。


メーカー派遣販売員の制度は、それまでの仕組みが出来なくなった事によって、業務委託という形式になり、日当を支払うという形になりました。

人件費削減のメリットが無くなったので、すっかり消えたと思っていましたが、一部家電量販店では、まだまだメーカー派遣販売員がいますね。

お互いの利益が合致しているならまだしも、何名派遣出来るかどうかを競うのは、あまり健全な競争とは思えないのです。



✅薄利多売がもたらした人件費削減

家電業界の価格競争は熾烈な事で知られています。

その要因の1つとしてこのnoteでも触れていますが、同じ商品ならどこでも購入できるのです。

『安くしないと売れない』という呪縛が、今も続いているのでしょう。

✅どこよりも安くします。
✅他店見積もりを見せてください。
✅最低価格保証❗
✅地域最安値に挑戦❗

こんなキャッチフレーズが、そこかしこに展開している販売店が多かったのです。

関係者に聞いた話では、粗利率1%以下という低粗利な価格競争を行っていたそうで、むしろ販管費を含めると原価的には、赤字と思われるレベル💦


まるで「大規模な自転車操業」

✅大規模な店舗⇒固定費がかさむ
✅駅前等の好立地⇒固定費がかさむ
✅多数の従業員⇒固定費がかさむ

推定する在庫量/金額からして、どう考えても経営出来ないと当時は思っていたのですが、メーカー派遣販売員の話を聞いて「なるほどね...」と当時思いました。


本来発生するはずの人件費が、実質ゼロ円ですからね😅


✅販売数を求める構造

実質商品原価よりも販売価格が低いので、赤字なのにどうして経営していけるのか?と不思議に思われるかも知れません。


これは様々なバックマージンにて補填されているケースがあります。


大規模な家電量販店グループですと、その取引量は莫大な金額&数になります。ここに仕入マージン、販売マージンなどのバックマージンをメーカーは販売店に支払うのです。

例 1000台仕入で台当たり1000円/台
  販売目標達成時+500円/台

原価で販売しても、1500円/台入る仕組み。
※金額は、あくまでも参考値です。

500店舗あるグループなら、1店舗当たりたった10台程度でも5000台です。

商品の販売で利益を得るのではなく、仕入、販売マージンを入手する仕組みですので、これは安く販売しても台数を裁かないと利益確保出来ないのです。

仕入金額が10億円でも、1%のバックマージンで1000万円。こうした仕組みを各アイテム、各メーカーと契約するのですが、大手ならではの戦略であり、スケールメリットの発揮しどころでもあります。


しかし、こうした構造は、安売り戦略の弊害が改善されるどころか、さらに加速することになっています。それに安く売るなら「手間をかけず、そこにかけるコストも削減したい」となるのです。



✅取引先を使い倒す❓

とあるメーカー系の販売員から聞いた話ですが、自社での教育の注力する企業がある一方で、コストとしか見ていない企業もあります。

その企業での販売員は、給与を始めとした待遇面が良くない事が原因で、とかく人の入れ替わりが激しいのです。

それは、経験の少ない人が多い事に繋がっています。

入社したての新人社員が、売場に出されて即実践!😨
先輩に聞くにも聞けず、やっと勇気を出して聞けば、先輩社員も忙しくて余裕がない。フォローにもならずお客様との狭間でつらい思いをする。

そうして離職していくのです。


その点メーカー派遣販売員は、手間がかかりませんが、先々自前の販売員が育たないという欠点もあります。

✅社員教育が蔑ろになっている。
✅職場環境が良くないので社員の心が荒れている。
✅社風が取引先に対して使用人感覚。
✅販売員として派遣されたくない企業がある。

働く人の心の荒れは、なにかと悪循環を招いているのです。


✅自前の販売員を育てる必要性


メーカー系だから、自社ブランドしか販売しないというのは誤解で、他社メーカーでも販売します。むしろ自社商品を無理矢理販売するのは、メリットがないそうです。

✅「あのメーカーの販売員は、良く働く」

現地では、その企業の社員以上に働くそうですが、こうした実績をその店舗責任者や企業に植え付けるコトで取引を維持しようとする。

というのが狙いなのは、今も昔もあまり変わっていないそうです💦



ビッグカメラが、メーカー派遣から自社販売員へスイッチするようです。


私も家電量販店を時々利用しますが、企業色がはっきりしていますね。

✅商品知識も豊富で販売も上手い。毎日のように新製品の勉強会がある。
✅商品知識は、寂しいものがあり自社キャンペーンの把握も...😅

両者でのレベルは、雲泥の開きがあります。

右から左へ商品が売れる時代は終わっているのに、利益を稼げる絶好の機会を消耗しているのです。

利益を生み出す販売員は、企業にとって大切な財産です。


その財産を育てるには、時間もかかりますし、維持するには、利益を向上させる必要があるのです。

自社が成り立つ業態を少し考えると...実店舗があり、有人の販売員が必要。

ならば、そこにかかるコストは、自社の業態を維持するために必要な事です。コスト削減するなら、業態そのものを変更しないと歪が出てしまいます。

大企業だからと言って利益確保できないと迷走することになります。儲からない業界は、自ら儲からない仕組みを作っているのです。


それは「安売りの信仰」ですよ。



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