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心ここにあらざれば・・・

私は運送会社に勤務し、安全教育や事故処理等の仕事をしています。
そして、悲惨な交通事故をゼロにしたいと思い投稿しています。

今回は、先週起こった事故の件をテーマに書きたいと思います。

それは、私が会社から帰宅して直ぐに携帯電話が鳴り、嫌な予感がしましたが、案の定、事故の連絡でした。
ドライバーに連絡をすると、まだ事故処理前で、すぐさま状況を確認しましたが、自車(大型車)が直進中、対向車(軽自動車)が路外への右折を急にしたため起きた事故でした。

これを聞いて、少し「ホッ」としましたが、怪我の状況を確認すると、自車のドライバーは大丈夫でしたが、軽自動車の方は重傷かもしれないと言うので、これは「マズイ」と思った瞬間、電話越しに「ピーポーピーポー」と聞こえてきました。

今までもありましたが、心臓に一番良くない瞬間です。

そして、事故処理前に少しでも情報収集することが大切(その後の自分の動きが変わるため)なので、少しの時間でしたが聞くことに専念しました。

ドライバーからは、「軽自動車が急に右折してきて、たぶんウインカーも出ていなかったと思うし、当たるときに顔がコッチを向いていなかった」と言っていました。

これを聞いて、私の頭のなかで、だいたいの方向性が決まりました。

その後、事故処理が終わったあとに、もう一度内容を確認しましたが、相手の方は64歳の女性とだけわかり(今はプライバシー保護のため、住所や氏名、電話番号等、教えてもらえません)私の自宅より50㌔位の場所だったので、とりあえず管轄の警察署に向かい、そこで教えてもらえるなら相手の方の搬送先の病院を教えてもらおうと思い、自宅を出ました。

途中、ドライバーから連絡が入り、病院名だけ分かったので、先にそちらに向かうことにしましたが、病院に着くまでの間、重傷でないことだけを心のなかで祈りました。

病院に着き、夜間受付の人に「○○の場所で事故をした人が搬送されてきたと思いますけど」と尋ねると、「あそこにいる人が親族の方です」と教えて頂き、その場に向かいました。

名刺を出し、挨拶をして、すぐさま容体について尋ねたところ、頭や内臓系には問題がなく、今のところ首や腰などの打撲だということで、「本当に良かった」と心から思いました。

相手の親族の方(30歳前後の息子さんが二人)は、事故内容も分かっていなかったので、簡単に説明をして、「あとは保険会社に連絡をして任せれば、心配しなくて大丈夫ですから」と伝え、その場を後にしました。

それから、警察署に向かい、担当した警察官と話をしましたが、自社のドライバーがしっかり状況説明をしてくれたおかげで、こちらが思っていたことと、ほぼ同じ考え方だったので安心しました。

事故は全てにおいて、はじめが肝心です。

それは、事故処理のときに、自分の考えをしっかり言えるかに全てが掛かっているからです。(ドライブレコーダーや目撃者がいなければ尚更です)

ドライブレコーダーが普及する前は、しっかり説明できずに、自分の方が悪くなってしまった人が、山ほどいると思います。(最悪なのは過失が0なのに100%になった場合)

これが死亡事故の場合は、自分の人生がこれで大きく変わってしまうので、常日頃から、頭に入れておくことをオススメします。

その後、事故現場に向かい、真っ暗の中、スマホのライトでブレーキ痕とかを確認し、帰路につきました。

帰りの車の中で、ドライバーが「当たる前はスローモーションのようだった」と言っていたことを思い出し、「私も何度か経験したことがあるなー」と独り言を言いながら、これはきっと命の危険を感じた時の火事場の馬鹿力と同じように、生命維持のため少しでも回避できるようにする不思議な脳の力だと思いながらも、「現代の若者の一部は、この力が過保護化により失われているのでは?」となぜか不安になりました。

話が脱線しましたが、とにかく事故は遭っても、起こしても大変だということが少しでも分かって頂けたらと思います。

今回の事故は、あとでドライブレコーダーを確認しましたが、ドライバーが言っていた通りでした。

相手の方は、スーパーのほうに気を取られている感じで、まさしく【心ここにあらざれば視れども見えず】状態だと思いました。
対向車を視ようと思って見ていないので、ただ見ただけに過ぎず、脳まで情報が伝達されていないのです。
大型車に体当たりするようなかたちですから、尚更です。

ですから、心を何処に向けるかで、視えたり見えなくなることを、理解しておく必要があります。

まだまだ、わかっていない人が、数多くいますので・・・・・。

今回は普段から意識の高いドライバーだったので、制限速度内でブレーキの反応もはやく、功を奏しましたが、これが普通の人だったら、おそらく重大事故になっていただけに「ゾッ」とする事故でした。

ですから、ドライバーには心より感謝です。

そして過失については、私と相手の保険会社とで協議し、ドライブレコーダー等の映像を踏まえ、当方の過失ゼロで決着しました。

運転をする人の心構えで、事故は大きくも小さくにもなることを、今回の事故から学んで頂けたら幸いです。

事故のない未来を目指して、お互い頑張りましょう!!

事故に遭わない・起こさない 自分自身の作り方 PART21






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