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ジャック・ドゥミ監督『シェルブールの雨傘』愛おしく可愛らしいフレンチ・ミュージカル
<作品情報>
ジャック・ドゥミ監督&カトリーヌ・ドヌーブ主演で第17回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した1964年の傑作ミュージカル。フランス北西部の港町シェルブール。自動車修理工の青年ギイと傘屋の娘ジュリビエーブは結婚を誓い合った恋人同士だったが、ギイに送られてきたアルジェリア戦争の徴兵令状が2人の人生を大きく翻弄する。音楽を、同じくドゥミ監督&ドヌーブ主演の「ロシュフォールの恋人たち」や「ロバの女王」も手がけたミシェル・ルグランが担当。
1964年製作/91分/G/フランス
原題:Les parapluies de Cherbourg
配給:ザジフィルムズ、ハピネット
劇場公開日:2020年2月21日
その他の公開日:1964年10月4日(日本初公開)、1973年5月、2000年11月、2009年1月31日、2013年11月16日、2017年10月14日
<作品評価>
70点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
上村
フランス映画を初めてみたのはこの作品だった気がします。そのくらい私にとって特別な作品です。
アメリカ、ハリウッドとは全く異なるフレンチ・ミュージカルというジャンルが新鮮でした。美術、衣装、全てがオシャレでかわいい。
同じくジャック・ドゥミ『ロシュフォールの恋人たち』や『アメリ』(ミュージカルではないが)などは独自のフレンチ・ミュージカル的側面を継承していますよね。
フランス映画の軽やかさを知ったきっかけの作品として自分にとって特別な一作です。
吉原
「ミュージカルって急に歌い出すのが意味わからない」という発言をする人が想像するミュージカルって、まさにこの作品のことなんじゃないかなって思います。
ちゃんとした曲というより、音楽に合わせて即興で歌っているように見せ掛けるような演出。ミュージカルが好きな人が本作をどう思うかも人それぞれだと思いますが、僕はこれを歴としたミュージカル映画としては認められないと思います。
ミュージカル映画で台詞もほとんどなく全てが歌といえば「エビータ」や「レ・ミゼラブル」が思い浮かびます。舞台からの映画化ということもあって一曲一曲の完成度が高く、セリフが歌である必要性を感じるのですが、本作は、いくつか良いと思わせる曲があるものの、それ以外は上で述べたように即興劇のように感じてしまい、ミュージカルである必要性がないのではと思ってしまいました。
実験的映画と呼ぶのに相応しいのでしょうか。話自体は悪くはないのですが、納得がいかない部分が多い映画でもありました。
<おわりに>
フレンチ・ミュージカルの代表作として有名ですが、ハリウッド式ミュージカルとは明らかに異なるテイストがあり、それを受け入れられるかが観る側にとっての問題でしょう。オシャレでかわいい世界観に浸りたい人には必見の一作です。
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