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【最速レビュー!】ヨルゴス・ランティモス監督『哀れなるものたち』私の性と生は自分で決める!


<作品情報>

「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組み、スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を映画化。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞した。
不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。
プロデューサーも務めるストーンが純粋無垢で自由奔放な主人公ベラを熱演し、天才外科医ゴッドウィンをウィレム・デフォー、弁護士ダンカンをマーク・ラファロが演じる。「女王陛下のお気に入り」「クルエラ」のトニー・マクナマラが脚本を担当。

2023年製作/141分/R18+/イギリス
原題:Poor Things
配給:ディズニー
劇場公開日:2024年1月26日

<作品評価>

90点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆

<短評>

上村
素晴らしい!そもそもクセの強い原作だから、どう脚色するのか楽しみだったけどそうきたか。エマ・ストーンのための映画と言っていいくらい彼女が躍動している。
魚眼レンズを使った美しい撮影、現実とおとぎ話の間のような美術と衣装が本当にすごい。現実のカリカチュアが上手いのかな。
思いもよらぬところへ連れて行ってくれる物語自体も素晴らしい。胎児の脳を移植されたため、まず言葉を覚えるところから始まるが、どんどん成長していく過程が面白い。自分の性も生も自分自身で決める。そんな力強いメッセージがランティモス独特の映画話法で伝わってくる。

吉原
ウェス・アンダーソンとティム・バートンがタッグを組んで出来た様な世界観。絵画のような美しさがありながらも、どこか不気味さを感じる。その、世界の不安定さに惚れ惚れ。また、衣装も素晴らしかった。エマ・ストーンとファッションといえば、「クルエラ」を思い出すけど、あちらとはまた違うベクトルの美しさ。独特な衣装を着ているにも関わらず、この世界では全く異質なものに感じない。
また、音楽も素晴らしい。不穏な雰囲気を醸し出す曲は本作の世界観と見事にマッチしていた。音楽のおかげで、視覚的にも聴覚的にもインパクトのあるシーンがいくつもあった。
序盤では幼稚なベラが後半ではかなり知的な存在となっていく過程を演じきったエマ・ストーンの演技は非常に見事だった。フルヌードを披露したことを「体を張った」と表現することは好きじゃない。もっと、全体を観て本作におけるエマ・ストーンの演技の素晴らしさを堪能してほしい。

<おわりに>

 日本では来年1月26日に公開になります!ぜひご覧いただきたい一作です!

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